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・5、15、水
武田氏の講義「正しい歴史認識」が13回まで進み、その後記事が出ないので、このシ
リーズはとりあえずここで一段落と考える。
●中国・韓国が日本に対して要求し続ける事柄「戦犯者を祭る靖国参拝を取り止めよ」「かつての日本によるアジア侵略を認めよ」「慰安婦問題を謝罪し保証せよ」など、それらの訴えに対し我々はどう受け止め、どう考えるか。
●「軍備反対」「戦争反対」という正論を持って、いざという時の防衛をどう考えるか。
●アメリカに支配されたままの日本、中国・韓国を使って責任を問われ続け、アジアから孤立させられ続ける日本をどう考えるか。
●白人、特にアングロサクソンにしてやられ、それに気付きもせずに白人崇拝を拭いきれずにいる日本をどう考えるか。

これらの問題を今までとは違った視点、それがやや偏りのある見方であるとしても、全く違う側面から話が聞けたことは有意義であった。
我々にとって大事なことは、一つの考え(あたかも正論と見える事柄)に固執せず、自分たちにとって重要な問題であればあるほどいろんな側面から、いろんな人の考えに耳を傾けてみることが大事であろうと考える。


僕が武田氏の講義で新たに認識したのは、人間の世界もまた動物たちの世界と同様、弱肉強食であるということだ。
それが戦争であれ、政治であれ、経済であれ、ヴィジネスであれ、文化であれ戦い、そして相手を倒し、食い、自分の下に据える。
それがどうやっても逃れることのできない我々動物の進化の定義であり、発展の定義であるDNAにプログラミングされた宿命なのだ。
我々が「神」と呼んでいる創造者は(僕はその創造者をヤツと呼んでいる)、進化・種族保持・子孫繁栄のためには、一度に一千万人の人々、子供や年寄りや女性を含む無抵抗な人たちを殺戮することなど何とも思っていない。
ヤツの中では、一人ひとり個人の尊厳など何の意味も持たないのだ。

武田氏の講義では、結局のところその抗うことのできないDNA、その宿命に沿った形でやって行くしかないということが分かった。
でも何かが納得できない。
これらのDNAは群集での機能であり、我々個人は何処までも我々の内部に組み込まれている装置に抗い続けなくてはならないのではないか。
殺しあいたくなければ、やらねばならないことはDNAとの戦いである。
マンションの奥様方が互いの家族を比べてライバル心を持つことも、仕事場で出る釘を打つことや出世を競うことも、クラス内で自分が孤立することを恐れて誰か弱そうなやつを皆で苛めて結束を固めようとすることも、周りの皆を自分の意見に従わせないと気がすまないこともすべて戦いに繋がるDNAだ。
そのDNAに抗うことが出来ずして「戦争反対」「軍備反対」と叫ぶことができるのか?

我々はただ国という巨大な力にやらされて、外国まで行って見たことも話したこともない、憎しみなどかけらもない相手を殺したり、殺されたりしたくないだけである。
実際に戦いの現場で殺しあったり、死と直面したことのある者だけが「戦えば何が起こるか」という意味を知っているのだろう。
国単位の群集による歴史とは別に、我々は一人ひとりの個人のDNAとの戦いを強いられることになる。

武田氏の講義を受けて一層混濁した頭を抱えていた時、一つの文章を見つけた。
村上春樹が、当時イスラエル政府がパレスチナの庶民に対してエルサレムガザ地区を砲撃し、多くの子供を含む市民を虐殺した中、エルサレム文学賞を受けるためにイスラエルに出向き、現地の人たちの前で語った、その時の原稿である。

2009年、当時その状況はテレビで短く放映され、英語で語る中に彼は「エッグ」という単語を何度も使っていたことを憶えている。
この原稿の全文をある本で見つけて、僕の中にあるもやもやとした思い、言葉にも文章にもできなかった何かがそこにすべて書かれていることにとても驚き、久しぶりに眼に涙が滲んだ。
彼の言う「壁」には、僕の言うDNAという意味が含まれていることも読み取ることも出来る。
村上氏は2009年のその時を振り返り、コネントを付けて原稿を全文掲載している。
その時僕はテレビの彼の演説を聴きながら「1Q84の刊行直前に、うまいデモンストレーションをやったな」なんて意地悪なことを思ったものだが(実際そのせいで本はベストセラーに売れたが)、どうやらそんな思惑もなかったようだ。
次に掲載する全文は少し長くなるが、是非読んで欲しい。





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最終更新日  2013.05.16 10:46:20
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