わんこでちゅ

6 ヤマダくんのコレクション











ひとしきり勝手にもりあがって、わらいころげていたみかちゃんだったが、やっとおさまったころには、20分も時間がたっていた。

「ふぅ~やれやれ、腹筋にくばなれするかと思った、、、。もし本当に肉離れしたら労災扱いにしてくださいよ!もうっ!」

と深呼吸したあと、今度はふと上を向き、あれ?という顔をした。

「ヤマダせ~んせい、おかしいですよ、、たしかあのあとも何回かだれかと電話でデートの約束してませんでした?」

「あれはあのあと付き合いだした別の女!」

そんな事に気づかなくてもいいのに、、。おれはなさけなくなってきた。

「んで~その人とも最近連絡をとりあわないということは、、、」

みかちゃんはちらと俺を横目でみると、むふふふふっ、と含み笑いをした。

「もしかして、別れたとか、、、んでまたカーク君のせいだって言うんじゃないでしょうね?」

みかちゃんの顔にはそうだったら、なんて愉快な偶然なんだろう、ああっ、そうであってほしいなぁという願望がありありとみてとれた。

「ぴ~んぽ~ん。くやしいけど、ぴ~んぽ~ん。」

「うっそぅ~、ほんとう?先生二度も連続でふられちゃったのう。かわいそう~♪私がきいてあげるよう。全部はなしちゃいなよう。気が楽になるよう。」

ふられたんじゃないの!ふったの!ちっともかわいそうなんていう顔してないよ、みかちゃん!

みかちゃんは今度はわざわざ、自分のキャスターつきの椅子を受付からころがしてきて、俺の前にどんとすえた。完全臨戦態勢モードにはいっている。冷蔵庫からつめたいペットボトルのお茶までもってきた。先ほど笑いすぎのからからののどを、ごきゅごきゅとお茶で潤すと、まま、一杯なんて酒でもすすめるように、おれのコップにもお茶をついだ。こうなると飲み会ののりだ。

「んでんで、せ~んせいどうなのよう!」

「ど~もこうもない。俺のコレクションをみて、気味悪いっていうから別れたんだ。」

「まーた、せ~んせい、話とびすぎだってば~、、」










ルナとセーター
ちゃにさん手編みセーターのルナ


次へ






© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: