添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/03/09
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コンパニオンたちは,ご挨拶が終わるとあちこちにバランス良く散らばり,
お酌をしながら歓談する。
リーダーの人はまず,上座に座る一番偉そうな人の前に座るのが常である。
今日のコンパニオンもそのようだ。

  「空ちゃん!!」
さっさと自分の席で飲み始めた偽コンパニオンのアンジーは,少し色っぽい
かすれた声で私の名を呼んで,手招きをしている。
アンジーの隣にはやっぱりK君がいて,アンジーのご機嫌はすこぶる良さそうだ。

  「お邪魔じゃないですか?」と,私は2人の正面に正座した。

アンジーの「当然!!」が,同時に聞こえた。
私たち3人は,顔を合わせて大笑いしていた。

  「空ちゃん,お疲れ~~。」
と,アンジーがグラスを差し出し,ビールを注いでくれた。
廻りの人たちにも軽く会釈をして,私は音もなく一気に飲み干した。
そして私がグラスを置く前に,今度はK君が2杯目を注いでくれた。
  「いえいえ,もう結構です・・・。」
と,言いながら私は,グラスを斜めにしてビールの泡を調節していた。

  「どうしてアンタの席ないの?」と,アンジー。
  「今日はコンパニオンにお任せしようと思います。」
  「でもアンタ!今日のコンパニオン大したことないわね!!」

  「聞こえますヨ・・・。」
  「聞こえるように言ってるのよ!!」

アンジーは私と背中合わせに座って,向かい側の人と話をしていた
コンパニオンに声をかけた。
  「アヤッ!ビール持って来て。」

いつの間に名前を覚えたのか?と思っていたら,ビールを持って戻って来た
“アヤ”に,アンジーはこう続けた。
  「ありがと。アンタ性格悪いンだから顔と体はもっと磨かなきゃダメよ!!」
  「あはっはははっ・・・,わかってま~す。」
“あや”は悪びれる様子もなく,アンジーにウィンクして席を移動して行った。ウィンク

私の疑問をK君が先に問いかけた。
  「あやちゃんと知り合いなの?」
  「まぁね!!」
  「あの子性格悪いンだ!?」
  「そんなの知るわけないでしょ!!
   さっきそこで会ったンだから・・・。ねェ!!」
と,私に同意を促し,廊下の方を指さして,結構まじめなK君の方にもたれながら,
悪戯っぽく笑った。

アンジーは初対面でもすぐに仲良くなってしまう特技がある事は知っていたが,
人を見極めることも得意の様だ。
“あや”の乗りの良さも,世間慣れしていないまじめなK君も,アンジーの
好みなのだと,私は悟ったのだった。
いつだって,アンジーの毒舌や悪戯は,T.P.O.をわきまえているのだから。
                 つづく
[この物語は事実にほとんど基づかないフィクションです。]





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最終更新日  2010/03/09 04:16:12 PM
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