添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/07/15
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びっくり「・・・駐・禁・・?」
クール「大丈夫だろ?!」
優子は相変わらず私を抱きかかたまま,車に近づいた。
クール「悪っ,開けて!!」
なんと驚くことに優子は駐車禁止の切符を切ろうとしていた警察官に,
“ドアを開けろ“と,言ったのだ。


いれば,大した物だ。
警察官は,大きな荷物を持ちながら病人を抱えている優子の言葉に,
ごく自然に従っていた。

私を車に乗せ丁寧にドアを閉めてくれた警察官,と優子が一言二言
会話をしていたようだが,すぐに優子は運転席に乗り込んできた。
気になって聞いてみた。
「何か言われた?」
クール「いやっ,俺が“しょがねェ~だろ?”って言ったら,“ハイ”
   だって!!」
「あっ,そうなの?」
クール「でも,ドア開けてくれたから,“ありがとなっ”って行って来たよ」


高校からは大好きなハンドボールに勤しみ,毎日ジャージで過ごした。
それでも,学校行事の式典や集会の時には“制服を着用するように・・・”
と,先生に促されたことがあったが“俺はスカートは履かない!!”と,
言い張り,先生や家を困らせていた。それでも特にカミングアウトする
こともなく,ただ“自分は女ではない”と,みんなに主張し続けたのだった。

そう,優子は戸籍上は“女”でも,見かけは紛れもない“男” なの
である。そして最近改名し,“優”になったらしい。


私たちの車は,駅に入って来るバスに少々邪魔者扱いされながら,
やっとの思いで,ロータリー出口の信号まで来たのだった。

つけた。
彼らは駅前の赤ちょうちんを探して,マゴマゴしていた・・・と,
思われる。

彼らは赤信号で止まっている車に私を発見し,一斉に手を振ったり,
気づかない振りをしている私の名前を,遠慮なく叫んだり,と,
大騒ぎだ。
  「バイバァ~イ・・・。桜来さ~ん!」
  「ヤルじゃなぁ~い 空ちゃん!!」
  「・・・お疲れ・・・気をつけてね!! ヒューヒュー! 」
  「やっぱ最後までモテモテねェ~。 」
  「桜木空子バンザーイ・・・。」

だんだん冷やかしが大きくなって来たが“彼らの勘違い”に,反論
する元気もなかった。それを知ってか知らすか,優子が言った。

クール「空子,お前モテるなぁ-。」
私は,めんどくさそーに優子に言うのだった。
「そうなンです,添乗員はモテモテです!!」
クール「・・フン~ン,少しは謙そんすれば?」 
「アッハハハ・・でも,優子のこと男だと思ったからだよ!」
クール「そっか・・・ってか,優子って,“子”って言うなっ!!」
「あっそうか・・・ゴメン“優子”」
クール「オマエ・・・っ,送ってやンねーぞ!」

こうして,久しぶりに会ったいとことふざけ合いながら,私は徐々
に平常心を取り戻して行くのであった。
        おわり
   [この物語はフィクションです。]





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最終更新日  2010/07/15 03:11:21 PM
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