添乗員は見た![あんな事こんな事]

添乗員は見た![あんな事こんな事]

2010/08/27
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もちろん,校長も保健の先生も一斉に青田先生を見つめた。

私は,あきれ顔にならないように注意して静かに言った。
  「高速道路上で駐停車は出来ませんので,パーキングまで
   少しお待ち下さい。」
  「休憩するパーキングまで校長先生を待たせるってこと?」
  「いえいえ,次のパーキングで止まりますから。」
  「そんなとこ,予定にないじゃなぃ?!」
  「そうなンですが・・・,時間のロスもさほどではありま

   へ走りますから・・・。」
  「そんなこと,アナタが勝手に決められるの?!」
私もいささかキレそうになった頃,校長先生が青田を諫めた。
  「青田先生,落ち着いて下さい。」
青田先生はかなり鼻息が荒くなっていたが,校長先生の一言で,
やっと座席に腰を下ろした。

程なく,バスはパーキングエリアに入り停車した。当然のとこ
ながら,3台のバスが後に続く。まだ全部のバスが駐車場へ収
まらない内に,私は速攻バスを降りて2号車へ走る。私の姿を
発見するなり,2組担任の先生がお弁当をもって降りて来た。
  「すいませーん,青田先生怒ってますよね-。」

  「・・・大丈夫です・・・!」
と,肯定してるのか否定しているのかわからない返事をしていた。

もちろん私は,折り返し走って戻り,バスは何事もなかったように
滑り出す。3,4号車は駐車場に入ることなく,1,2号車の先行を
待って,そのままパーキングエリアを通過することになった。


バスに戻るより早く,私はお弁当を青木先生に手渡した。
先生は無言のままそれを受け取り,早速,校長先生の分を取り出
した。
  「校長先生,朝食が遅くなって申し訳ありませんでした。」
深々と頭を下げ,まるで卒業証書をもらうときのように,両手を
前に差し出している。
  「そんなことは何でもないことです!」
と,言いながら校長先生は,私に両目でウィンクのような合図を
送っている。私は,恐らく謝っているのだなぁ,と思い,静かに
微笑んでうなずいた。
やれやれこの先が思いやられる・・,と思い知らされた出発だった。
                    つづく





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最終更新日  2010/08/27 03:21:26 PM コメントを書く


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