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思えば、子供の頃、身近なところに壊れた物があった…自分の家に限らず、ご近所にも。機械や器具、もちろん電気用品も(笑)。

古くなって使われなくなったラジオなど見つけ、それが捨てられる予定だと聞けば、直ぐに貰ってバラしたものだった。

そのうち、自宅にあって使用中の機械器具・電気用品をバラすようになった。もちろん母親からは怒られた。

怒られて、泣く泣く元の状態に組み上げる。

組み上げて元の状態に戻った時、小さな達成感を覚えたのは確かである。

当時の自分はとにかく蓋を開けてみなくては気が済まない子供だった。

自分の部屋はマンガ本とガラクタで一杯だった。

後年、いわゆる国立大学の理数系へ進んだ友人とたまたま飲んだ際、そういう昔話になった。彼も似たような子供時代をおくったらしく、ひとしきり古い家電の話で盛り上がった。どこのメーカーの云々という話ではなく、ぼんやり光る真空管が云々の話である。

どこで手に入れたか誰に貰ったか覚えてはいないが、中学2年生の終わりまで、検電ドライバーが自分の宝物で、いつもポケットにいれておいた気がする。



しかし、高校入学後、別の道にハマってしまい、すっかり文系に染まってしまった。それでもユングを読む傍らで、友人からガモフの全集を買ったとかハムの免許を取得したと聞かされたりすれば、ひどく羨ましく思った記憶がある。

そういえば、中学時代にオヤジの壊れた腕時計を修理したことがある。

リューズ式の腕時計は…蓋を開けるのが一苦労だったが…開けてみると小さな歯車が一つ外れているだけで、それを本来の位置に戻してやると再び動き出した。ゼンマイが生きていたのが幸いだった。

そのまま譲り受けて1年ほど使っていたが、元来モノを身につけるのが嫌いな性分で、腕時計は腕から学生服のポケットに移動し、いつの間にか机の引き出しの中に仕舞われ、そのうち母親からゴミとして処分されてしまった。

バラして中身を覗くという趣味…性癖か?(笑)…は絶えたことはないが、その対象が生き物に向かわなかったのは幸いかもしれない。

結局のところ、バラして中身を見るという姿勢は、文系の作業にも役立った。
バラして元に戻すという作業を、少しかっこよく言うと、解体と解析と再構成だ。曲がりなりにも分析的なものの見方というものが、幼い頃からの”バラして遊ぶ”という経験のうちで培われたのだろうと思う。

そう考えれば、自分の今の”飯の種”も、そうした経験がベースにあってこそだと思う。若い頃プログラムという世界の論理性に惹かれたのは、確かな個人的事実である。

電気用品安全法の中古販売への適用で、中学生や小学生が小遣いで買える”保証無しの電気用品”が市場から消え去る。

環境を守る・国民の安全を守るという美しい言葉の中で、子供達が”壊してもかまわない物”に触れる機会は激減し、今や皆無になろうとしている。

中古楽器が流通できなくなることで、音楽をやる人達が日本の音楽の将来を憂いているが、他の分野でも同様である。






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最終更新日  2006年03月14日 10時55分26秒
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