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2009.01.07
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テーマ: 徒然日記(25404)
カテゴリ: いろいろ
火葬場まで行ったのは、12年前の母の葬儀以来だ。市町村合併でいきなり自治体規模が倍以上になった故郷は火葬場も大きくなり、市で一番大きな拠点は炉が7基。そしてまだ松も明けない6日も4基が稼動していた。人の生き死には年中行事を無視する。

霊柩車から棺を降ろすと、あとは霊安室から火葬炉まで、棺はオートマチックで運ばれる。なんか係りの人も最低限で、でも不便さも暗さも不安さもみじんもなく、まるでホテルのロビーと宴会場のような雰囲気のなかで、儀式然としてその行われる行為の意味を問うこともなく、人は粛々と火葬されるのだった。

菩提寺のご住職さんにお経を上げてもらい(この人が、なんと作家であり僧侶の玄侑宗久氏の実弟だった)、ご遺体に最後のお別れをする。棺が炉に入る瞬間は、私もそうだったが彼女もやはり声を上げて泣いていた。やはりここで生身の身体がなくなるのだという思いが心を締め付けるのだろう。

約90分後にお骨上げ。「ママ」と慕った人だったので、親族と一緒にお骨を拾わせていただいた。ここで、通称「喉仏」と言われる部分が、係の人によって発見された。これほど綺麗に出てくることは稀だという。
私はもちろん、一緒に拾ったご年配の方々も、見るのは初めてだという。一般には高齢になると骨粗しょう症が進んで、複雑な形の骨はほとんど崩れてしまうからだ。
この部分は、もちろん愛娘が拾った。そしてお骨箱の一番上に載せられた。

なぜ喉仏というか。
それは、その部分の骨の形が、仏様に似ているからだと言われてきた。
実際に見るそれは、仏というより座位の菩薩に似ていた。もちろん菩薩だって仏の化身なわけだが。いや、それよりミケランジェロの一番有名なピエタのマリア像にもっとそっくりだった。イエス不在のピエタだけど。これには本当に驚いた。人間の脳の想像力の賜物だ。


そういえば確かに、頭部に見える部分は頚椎の尖った部分にそっくりだし、座位で両手を広げているように見える部分は、脊髄や椎間板を守る形状と一致するようだった。今調べてみたら、第2頚骨の突起は、頚骨のなかでももっとも大きいのだった。これが頭部のように見えるわけだな。
それにしても人の亡骸から仏の形を発見するなんて、日本人はなんてセンチメンタルでロマンチックな人種なんだろうな。

もろもろ終わって、直会の席で、きょうだいもなく独身の喪主と私は「私たちの骨はどっちかが先に逝ったら拾おうね。でも残った一人のは、誰が拾ってくれるんかねえ~」と笑いながら深刻な話をしていたのだった。まあ現実的には成年後見制度とか、後始末を託す人を事前に決めておけばいいんだろうけど、家族・身内・血縁といったものに縁薄い私たちは、なんとなく「そこまでいったらどうでもいい」と思ってもいるのだったが。





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Last updated  2009.01.07 09:00:20
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