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2016.04.08
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カテゴリ: 音楽全般
地底探検のかなり初期のライブ映像を見た。解説がないので全曲なのかわからないけど40分くらいだった。場所はロイヤルアルバートホールかな、明らかにクラシック向けの劇場。

なんかいろいろと微妙だ。リックの文芸三部作はほぼリアルタイムでレコード買っていて、ヘンリー8世はすごく夢中になって聞いたけど、地底探検とアーサーはほとんど印象に残っていないんだよね。たぶんナレーション付きの劇音楽ロックバージョンみたいなものだったから、中学生にはしんどかったのかもしれない。あと、オケ付きだとピアノやシンセのソロが薄まっちゃうので、印象に残るフレーズが少なくなる。

ヘンリー8世はロックのレコードから生ピアノの音がするのも新鮮だったし、数年後、大学で西洋史を選択することになるほどヨーロッパ史、とりわけイギリス史が好きだったので、テーマそのものがツボだった。このあたりは多分、 山本鈴美香の「7つの黄金郷」の影響もあるな。あと漱石の短編に登場するレディー・ジェーン・グレイとか。当時はネットなんてないし、中学の図書館レベルでは知りたいことが書いてある本なんてなかったから、ブリタニカに頼るしかなかった。で、どんどんはまった。

ちなみに英国好きのルーツはストーンズと父のオーディオ好き(イギリス製のスピーカーだった)に拠る。小学校の時、文化祭でサティスファクションを歌いながら踊っていたのは私だ。父がタンノイのスピーカーを買ったときに、業者の人がおまけにくれたタンノイの金文字が入った手帳(今考えると、単なるスケジュール手帳みたいなもんだったろう)にロンドン地下鉄の地図が載っていて、東京の地下鉄にすら乗ったことがない小学生は、いつか行くんだと心に決めてその路線図を暗記したものだった。

そして実際に行けるわけではないのに、72年のストーンズの来日予定が、キースとミックの麻薬所持の過去から入国できないことになって、小学校の公衆電話から法務省に「ストーンズを入国させてください」と電話をかけたのも私だ(笑)。「ほうむしょう」がなにするところか知っていたんだろうか。なにやってたんだろう私。ラジオと音楽雑誌に影響されていた。

高校になるとロックは聞かなくなってしまったけど、イギリス好きはさらに進化を続け、かの国の音楽と美術が不作だと知ると文学にのめり込んだ。逍遥のシェイクスピア(擬古文体!)とか図書館から借りて読んでいた。とりあえずシェークスピア全集は全部読んだし、ホームズもこのころかな。あ、音楽ではグールドがダウランドとか弾いていたので、イギリスはバロック以前の音楽が面白いと知った。古楽を集中的に聞いていた時期もあった。トレヴァー・ ピノックとか、あー名前度忘れしたけど自殺しちゃったリコーダーの人とか…思い出した!デヴィッド・マンロウ!、イギリスはクラシック演奏家が豊作。マンロウは(おそらく)ゲイでそれを苦にして自殺したんだよね。時代だなあ。アルバム何枚も持っていた。これも「音が小さく少ない音楽」だな。ヘンリー8世作曲なんて曲も知ってて歌ってた。そうそう、テューダー朝が好きだったのよ!(なんか久しぶりに書いた「Tuder」)
なんで突然マンロウを思い出したかというと、彼も来日予定の直前に亡くなったんだよね。エマーソン…。

えー何を書こうとしていたんだっけ。
そうそう、リックの地底探検。なんかいろいろと恥ずかしいわ。40年も前だもんね。恐竜が笑えるレベルのバルーン仕立てでかわいすぎる。このあたりのことはリックが自分の本にも書いていたな。大陸でやった時は穴があいて膨らまなかったとかなんとか。


真ん中にフルオケがいてリックが右側、左側フロントにロック隊がいて、奥にコーラス隊もいて、ヴォーカルも2人(一人はアシュリー・ホルト?)。なんだかやたら人口密度の高いステージ。準正装のクラシック隊とベルボトムに胸をはだけたロックンローラーが一緒にいるというのは、リックの中ではクラスの融合という意味もあったかもしれない。クラシックの教育を受けて非クラシックの音楽をやっていることへの一種の落とし前みたいな。でもお客さんはおとななく2時間聞けるクラスの人たちだな。つまりロックじゃない人たち。ヴォーカルがイアン・ギランばりの熱唱で、なんだかそれも浮いているように私には見える。
ロックってさ、やっぱりステージとオーディエンスの一体感だと思うんだけど、ステージの上ですらすでに醒めている人たち(オケ&合唱)とロック隊とではベクトルが乖離している。だってクラシックって醒めてないと演奏できないから、難しいよね。

時々しか出番のないヴォーカルが、歌わないときは立ったまま客席に背中向けてるってどうなの。なんか踊るとかパーカッションでも打つとかできなかったんだろうか。全部リックが仕切っていて、総合演出家がいない気がする。ナラティブストーリーが入ってきたらそれはもう音楽とは別ジャンルだから、別の監督が必要だ。リックのなかではあくまで「音楽」であって、踊ったり演技したりという要素は排除したかったんだろうけど、これやっぱり付帯音楽だよね。

それにしてもリックのリズム感半端ない。オケにまで気配りして全体見ながら演奏するって弾き振りに近いな。でもリックはモーツァルトじゃないしね。彼の70年代はほとばしる才気が漲っていた時代。勉強になった。
時を経て、地底探検もアーサー王も完全版を出し直している。死ぬまでには見てみたい。

そうそう、ナーサリーライム協奏曲のキラキラ星の部分だけ耳コピしてみた。C-durなので楽だったけど、あの速弾きアルペジオはオクターブなので、あの速さでは手首移動が私にはしんどい。そしてわかってたけどリック、手がでがい。あと左手がやっぱりクラシックじゃなかった。
「○○風」の部分が、どこがそうなのかほとんどわからないんだけど、リックが弾くとどれも同じになっちゃうのか。
トレヴァー・ピノックがハープシコードで弾いていたバッハはもっと超速だったけど(そんで弾き振りしてた)、まあ跳躍オクターブではないからリックとは比べられないか。





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Last updated  2016.04.09 10:18:10
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