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ここのところちょっとマイナー気味な映画が続いてしまっているようなので、たまには超メジャー級の映画を批評したいと思います。 と言う訳で、本日の映画は「スパイダーマン2」です。 まずはストーリーです。 グリーン・ゴブリンとの激しい死闘から2年が経ち、ピーター(トビー・マグワイア)は大学生となり、アルバイトと授業に追われながらも正義のために戦う多忙な日々を過ごしていました。ですがそのスパイダーマンとしての華々しい活躍とは裏腹に、ピーターとしての生活が犠牲となり、その結果親友であるハリー(ジェームズ・フランコ)との仲はぎこちなくなり、想いを寄せていたはずのメリー・ジェーン(キルステン・ダンスト)には新しい恋人ができてしまったのです。凡てのことに嫌気がさしてしまったピーターは、ついにスパイダーマンをやめる決意をするのですが………、と言った感じです。 この映画は世界75ヶ国で愛読される人気アメリカン・コミックを映像化した映画「スパイダーマン」の続編で、今作も最新の映像技術を駆使し、迫力のあるアクション・エンタテインメントに仕上がっているのです。 まあ前作に引き続き言わずと知れた大ヒット映画ですので、今作だけを見る方は少ないと思われますが、一応ご説明しておきますと、主要な登場人物のキャスティングは前作とほぼ変わりません。ですから前作をご覧になっている方にはとても馴染みやすく、すぐにその世界観に入って行けるはずです。 もちろんストーリーの方も前作から引き継いでいますので、まだ前作を未見の方にしてみれば所々分からない点も出てくるでしょうが、ストーリー的にはヒーローものによくありがちな「ヒーローとして生きるか、それとも一般人として生きるか」と言った主人公の葛藤がメインの単純なものですので、今作からでも充分に理解できるはずです。 それにこの映画最大の見せ場はやはり、ビルとビルの間を蜘蛛の糸で飛び移って行くジェットコースターのような迫力のあるシーンですから、下手な理屈など抜きに誰でも楽しめるはずです。もちろん映画館で見られるのであれば、それがベストなんですけどね。 ただ一つ残念なのは、敵であるドック・オク(アルフレッド・モリナ)があまり手強そうな敵には見えないと言う点です。いくら金属製の人工アームが4本あるとはいえ、やはりそれだけではインパクトに欠けてしまい、観客の恐怖心を煽(あお)ることができないのです。できればもっと奇抜なアイデアが欲しかったと言えるでしょう。 それとこれはまあ余談なのですが、それにしてもキルステン・ダンストはやはりヒロイン役のイメージには合いません。私生活でもトビー・マグワイアと別れてしまっているのですから、二人の撮影がぎくしゃくするのは当然です。なのにそれでも彼女を起用するのには、もしかしたら何か裏があるのかもしれませんね。 果たしてキルステン・ダンストは次回作も続投するのでしょうか、その点もこのシリーズの見ものと言えるでしょうね。 監督 サム・ライミ制作年 2004年制作国 アメリカ上映時間 127分ジャンル アクション/アドベンチャー/青春出演 トビー・マグワイア/キルステン・ダンスト/アルフレッド・モリナ/ジェームズ・フランコ/ローズマリー・ハリス/J・K・シモンズ/ディラン・ベイカー/ビル・ナン/テッド・ライミ/エリザベス・バンクス/ブルース・キャンベル/ドナ・マーフィ/グレッグ・エデルマン/ダニエル・デイ・キム/クリフ・ロバートソン/ウィレム・デフォー/バネッサ・フェルリト
2005年03月26日
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だいぶ間が空いてしまったとは言え、「ゴスフォード・パーク」や「8人の女たち」と群像劇が続きましたので、ついでにもう一本だけ群像劇を批評したいと思います。 と言う訳で、本日の映画は「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」です。 まずはストーリーです。 かつてロイヤル・テネンバウム(ジーン・ハックマン)は、35歳で大邸宅を手に入れるほどの有能な法律家で、テネンバウム家の3人の子どもたちもみな若くして成功した天才児たちでした。ところがロイヤルの妻、エセル(アンジェリカ・ヒューストン)へ対する「ほんのわずかな誠実さの欠落」により2人は別居してしまい、それをきっかけに一家は崩壊してしまうのです。やがて時が経ち、再び家族の絆を取り戻したいと考えたロイヤルは一計を案じ、22年ぶりにテネンバウム家に戻ってくるのですが………、と言った感じです。 この映画はカルト的な人気を誇るウェス・アンダーソン監督が手掛けた異色のコメディで、崩壊してしまった家族が再び構築してゆく姿を感動的に描いた新世代の家族映画なのです。 まあコメディとは言っても、ただ腹を抱えて笑って見ていれば良いような映画とは違い、しっかりとした人間ドラマにしか見られない人々の滑稽(こっけい)さや、人生の皮肉さなどと言ったものをユーモラスに描いた作りになっていますので、爆笑したいと思っている方にしてみれば、ちょっと的外れとなるかもしれません。 内容的には先ほども言いましたが、ドラマの部分がしっかりと作り込まれていますので感情移入もしやすく、登場人物の多さも気になりません。また群像劇という観点から見ても、「ゴスフォード・パーク」や「8人の女たち」とは比べ物にならないくらい良く出来ていて独自の世界観を感じることができます。 ただ唯一残念なのは、冒頭で家族の歴史を紹介するシーンがあるのですが、観客はまだ登場人物の事を何も把握できていない状態なのに、いきなりハイテンポで様々な事を語ってしまうのです。あれではたいていの人がストーリーについて行けず、下手をすると途中で見るのを挫折してしまうのではないでしょうか。 せっかくジーン・ハックマンが味のある父親をより味わい深く演じているのですから、きちんと最後まで見てもらいたい映画ですね。監督・制作・脚本 ウェス・アンダーソン制作年 2001年制作国 アメリカ上映時間 110分ジャンル ドラマ/コメディ出演 ジーン・ハックマン/アンジェリカ・ヒューストン/ベン・スティラー/グウィネス・パルトロー/ルーク・ウィルソン/オーウェン・ウィルソン/ダニー・グローヴァー/ビル・マーレイ/シーモア・カッセル/クマール・パラーナ
2005年03月23日
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うーん、また随分と更新が遅れてしまいましたが、理由は「春眠暁(あかつき)を覚えず」と言う訳なのでご理解ください。 それでは久しぶりに本日も映画批評を始めたいと思います。 本日の映画は「8人の女たち」です。 まずはストーリーです。 1950年代のフランス。クリスマスを祝うため、雪に閉ざされた大邸宅に家族が集うこととなりました。そしてイブの朝、メイドのルイーズ(エマニュエル・ベアール)が、一家の主であるマルセルの部屋へ朝食を持っていくと、彼はナイフで背中を刺されて死んでいたのです。ところが調べてみると電話線が切られており、外から何者かが侵入した形跡もないことから、容疑者は邸宅に集まった8人の女たち全員であることが分かります。やがて互いの詮索が始まり、祝祭気分も吹き飛んで彼女たちは疑心暗鬼を深めてゆくのです。そしてその詮索の末に8人の女たちそれぞれの秘密が徐々に明らかとなり………、と言った感じです。 この映画はフランスを代表する8人の大女優が夢の競演を果たした事により話題となり、フランス本国ではあの「アメリ」をも抜くオープニング記録を樹立し、ついにはベルリン国際映画祭で8人の女優全員に銀熊賞が授与されたというまさに奇跡のような映画なのです。 まあこれだけ話題性があり、なおかつ国際映画祭でも評価されたとなればそれだけでも見る価値があるように思えてしまいますが、いざ蓋を開けてみますと、実はどこにでもあるような凡作でしかありません。有名女優を集めることに腐心したあまり、大事なものを見落としてしまったといった感じでしょうか。 これは先日の「ゴスフォード・パーク」の批評の時にも言いましたが、賞を取っていれば必ずしも良い映画とは限りません。いくら有名な女優がたくさん出演していようとも、その肝心な作品の出来が悪ければ凡て台無しになってしまうのです。 内容的には「ゴスフォード・パーク」と同様に群像劇によるミステリーなのですが、ミステリーとしてはだいぶ古臭いストーリーなので「なぜ今更?」といった感じがしますし、豪華さを演出するためかミュージカル要素も含まれているのですが、心に響く曲が一つもないので中途半端な仕上がりとなっています。 一応一人一人のキャラクターはそれぞれにスキャンダラスなドラマを持っているのでとても個性があって良いのですが、どのドラマも奇抜すぎて逆にリアリティーがなく、ちょっとやり過ぎの感があります。 まあそれでもやっぱりこれだけの有名女優が一同に会することは今後ないでしょうから、一見の価値があると言えるでしょう。なにせ見られないものを見ると言うのは、映画の醍醐味の一つなのですからね。監督・脚本 フランソワ・オゾン制作年 2002年制作国 フランス上映時間 111分ジャンル コメディ/ミュージカル/ミステリー出演 ダニエル・ダリュー/カトリーヌ・ドヌーヴ/イザベル・ユペール/エマニュエル・ベアール/ファニー・アルダン/ヴィルジニー・ルドワイヤン/リュディヴィーヌ・サニエ/フィルミーヌ・リシャール
2005年03月22日
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これはまったくの言い訳ですが、最近時が経つのがとても早く、気が付けば前回の更新から既に一週間も経過してしまい、このページを楽しみにしてくれている皆さんにはたいへんご迷惑をお掛けしています。 頂いたコメントの書き込みやトラックバックに関しても返信がだいぶ遅れてしまっていますが、できる限り返して行こうと思っていますので、今しばらくお待ち下さい。 と言う訳で、本日も寸暇を利用しての更新となります。 本日の映画は「ゴスフォード・パーク」です。 まずはストーリーです。 1932年11月、イギリス郊外。ウィリアム・マッコードル卿(マイケル・ガンボン)とシルヴィア夫人(クリスティン・スコット・トーマス)が主であるゴスフォード・パーク(カントリー・ハウス)にて、多くの貴賓たちが集う盛大なパーティーが催されました。ですがそんな貴賓たちが優雅に過ごす「上の階」とは対照的に、「下の階」ではメイドや従者たちがせわしなく働き、時として虚飾(きょしょく)に溢れたご主人たちの噂話に花を咲かせていたのです。そして2日目の晩餐に、客の一人であるアメリカ人映画プロデューサーが、この「鼻持ちならない」貴賓たちをネタにした最新作の構想を披露します。それはカントリー・ハウスを舞台にした殺人事件だったのです。ところがその夜、実際にウィリアム卿が邸内で殺される事件が発生してしまい………、と言った感じです。 この映画はイギリス上流社会をシニカルに描いたロバート・アルトマン監督の作品で、アカデミー賞脚本賞をはじめとする数々の映画賞を受賞した映画なのです。 とは言え、数多くの賞を取っているからと言って必ずしもそれが良い映画とは限りません。たとえ有名な賞の審査員や映画評論家を唸らせたとしても、それが一般の人に理解できない内容であるのなら、駄作と何ら代わらないのです。 なぜなら映画とは、最終的に一般公開を目的として作られているものなのですから、その一般人の観点をけっして蔑(ないがし)ろにしてはならないのです。そう言った面で見るとやはりこの映画はそのルールを完全に逸脱しており、監督の自己満足的な作りになっていると言えるでしょう。 ロバート・アルトマン監督と言えば、「ザ・プレイヤー」や「ショート・カッツ」などの有名な作品を数多く手掛けており、群像劇がお得意なのは周知の事実です。ですがいくら得手(えて)だからとは言え、何でもかんでも群像劇にしてしまうというのはちょっと度が過ぎるのではないでしょうか。 それにいくら群像劇とは言え、この映画に登場する人物はあまりにも多すぎます。もちろんそれぞれの人物が特徴的で、観客を惹きつけるだけの魅力があるのならば話は別ですが、どれもこれもエキストラ並みに個性が無く、半分以上は無駄な存在としか言いようがないのです。群像劇とは、ただ数多く役者を出せば良いと言うものではありません。 それともう一つ、一応ジャンルとしてはミステリーとなっていますが、この映画をミステリー映画として捕らえると痛い目に遭います。 何しろミステリーとしての醍醐味である謎やサスペンス、またはどんでん返しなどと言った要素がまるで含まれていないのです。それにもかかわらずこの映画をミステリー映画とカテゴリー分けしてしまっているのですから、まったく呆れ果ててしまいます。その図太(ずぶと)い神経の方がよっぽどミステリーと言えるのではないでしょうか。 まあそれでも映像の美しさやその時代の雰囲気はなかなか良く醸し出しているので、何とか30点台はキープすることができましたが、やっぱりお勧めすることはできませんね。監督・制作・原案 ロバート・アルトマン制作年 2001年制作国 アメリカ上映時間 137分ジャンル ドラマ/ミステリー/コメディ出演 マギー・スミス/マイケル・ガンボン/クリスティン・スコット・トーマス/ボブ・バラバン/カミーラ・ラザフォード/チャールズ・ダンス/ジェラルディン・ソマーヴィル/トム・ホランダー/ナターシャ・ワイトマン/ジェレミー・ノーサム/ジェームズ・ウィルビー/クローディー・ブレイクリー/ライアン・フィリップ/トレント・フォード/スティーヴン・フライ/ケリー・マクドナルド/クライヴ・オーウェン/ヘレン・ミレン/アイリーン・アトキンス/エミリー・ワトソン/アラン・ベイツ/デレク・ジャコビ/リチャード・E・グラント
2005年03月09日
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どうやらまた楽天さんが機能を向上させるためにシステムを少し改良したようですが、今回もまた不具合が出てしまったみたいですね。 まあ今回このシネマ雑報には何の悪影響も出なかったので良しとしますが、前回のシステム改良の時には随分と痛い目にあったのを覚えています。 ますます使いやすく便利になるのは結構なのですが、いままでできていたことが急にできなくなるとやっぱり戸惑ってしまいますので、そうならないためにももっと配慮がほしいですね。 もっとも、こんな話は楽天広場を使っている人にしか分からないことですので、そろそろ本題の映画批評を始めたいと思います。 本日の映画は「死ぬまでにしたい10のこと」です。 まずはストーリーです。 大学で清掃の仕事をしている23歳のアン(サラ・ポーリー)は、失業中である夫のドン(スコット・スピードマン)との間に2人の娘がおり、貧しいながらも4人で仲良く幸せに暮らしていました。そんなある日、アンは急な腹痛で倒れてしまい、病院に運ばれるのです。そして検査の結果、医師から余命2ヵ月の宣告を受けてしまいます。アンは考えた末に家族の誰にもそのことを打ち明けないと決め、深夜のカフェで「死ぬまでにしたい10のこと」を書き綴るのです。それは子供たちのために誕生日のお祝いメッセージを作ることや、家族でビーチに行くことなど、どれもささやかなものばかりでした。こうしてアンは、たった1人で死ぬための準備を始め………、と言った感じです。 この映画は「オール・アバウト・マイ・マザー」や「トーク・トゥ・ハー」などを手掛けたペドロ・アルモバドルが製作総指揮をしており、主演は「スウィート ヒアアフター」のサラ・ポーリーが、わずか23歳にして死の宣告を受けるという難しい役を演じています。 この映画も昨日ご紹介した「グッバイ、レーニン!」と同様に、ひじょうにもったいない作りの作品と言えるでしょう。 狭いトレーラーハウスで貧乏な暮らしをしているとはいえ、二人の娘と愛する夫に囲まれて幸せに暮らすアン。それにもかかわらず死の宣告を受けた途端に、その愛する夫以外の男性と恋愛をしてみたり、夫には早く新しい奥さんができるように祈ったりと、そこにはきれいごとだけでは済まされない、人間臭さが存在しているのです。 ですが、せっかくそれだけ素晴らしい要素が盛り込まれているのに、やはりラストはなぜかソフトな作りとなっており、家族や恋人との別れのシーンが一切描かれていないのです。これではアンによる単なる自叙伝(じじょでん)でしかなく、残された者たちはしょせん脇役に過ぎません。 「死」と言うものは凡ての人間に必ず訪れるものなのですから、イメージを気にして隠したりなんかせず、もっとしっかりと描くべきだったのです。 「不完全燃焼」という言葉がすごくぴったりと合う映画ですが、全体の作りは素晴らしい出来ですので、まだ未見の方には是非ともお勧めします。まあ残念ながら名作入り(80点以上)はさせられませんでしたけどね。監督 イザベル・コヘット制作年 2003年制作国 カナダ/スペイン上映時間 106分ジャンル ドラマ/ロマンス出演 サラ・ポーリー/スコット・スピードマン/デボラ・ハリー/マーク・ラファロ/レオノール・ワトリング/アマンダ・プラマー/ジュリアン・リッチングス/マリア・デ・メディロス/アルフレッド・モリナ
2005年03月04日
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先ほど先月の更新回数を数えてみたところ、映画批評の本数はたったの3本であることが分かりました。 まあ色々なトラブルが重なってしまったとはいえ、これは過去最低の数字であり、このシネマ雑報にとっては由々しき問題です。 と言う訳で、今月は少しでも多くの時間を割いて映画批評するつもりですので、みなさんもどうか見捨てないでやって下さい。 それではそろそろ本題に入りたいと思います。本日の映画は「グッバイ、レーニン!」です。 まずはストーリーです。 1989年、統一前夜の東ドイツ。10年前に父親が西側に亡命したアレックス(ダニエル・ブリュール)は、とても愛国心の強い母クリスティアーネ(カトリーン・ザース)と共に、平和な毎日を過ごしていました。ところがある日、反体制の考えを持っていたアレックスは反社会主義デモに参加し、警察に捕らえられてしまいます。そして偶然にもその瞬間を目撃してしまった母のクリスティアーネはショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまうのです。やがて時が流れ、母が意識を失っている間にベルリンの壁は崩壊し、統一したドイツは資本主義国家となります。そして8ヶ月後、クリスティアーネは奇跡的に覚醒するのですが、医者から強いショックを与えてはいけないと注意されたアレックスは、クリスティアーネにドイツが統一したことを隠し………、と言った感じです。 この映画は、母親がショックを受けないようにと消滅前の東ドイツを必死に見せ続ける息子の奮闘をユーモラスに描いた感動ドラマで、ベルリン映画祭特別賞やドイツ映画賞銀賞など数々の賞に輝いたドイツ映画なのです。 とにかくこの映画は母のことを思うアレックス気持ちであふれています。アレックスの取る行動のほとんどは母親のためですし、そこにどんな苦労が伴おうとも身を呈して頑張るのです。そしてそのアレックスの献身的な愛情こそがこの映画最大の魅力であり、時に可笑しくそして時に切なくさせられてしまうのです。 なぜか古さを感じさせる独特な色合いの映像や、誰もが馴染みやすいスローなテンポの音楽が作り出す雰囲気も素晴らしく、まさに心癒されたい方には打って付けの映画と言えるでしょう。 ですが一つだけ残念なのは、ラストシーンが弱いということです。 これだけの材料が揃っているのであれば、もっと悲しく、そしてもっと切なく終わらせることができたはずなのです。それにもかかわらずあのような話のまとめ方するのは、恐らくこの作品をソフトなイメージのまま終わらせたかったからなのでしょう。できることなら最後の瞬間までもっとしっかりと描いてほしかったのですが、ひじょうに残念です。 と言う訳で、一応このシネマ雑報では名作(80点以上)に認定しましたが、あまり点数は伸びませんでした。もちろん、それでも充分にお勧めできる作品ではありますけどね。監督 ヴォルフガング・ベッカー制作年 2003年制作国 ドイツ上映時間 121分ジャンル コメディ/ドラマ出演 ダニエル・ブリュール/カトリーン・ザース/マリア・シモン/チュルパン・ハマートヴァ/フロリアン・ルーカス
2005年03月03日
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随分と長い間お待たせをしてしまいましたが、久しぶりの更新となります。 実はパソコンのウイルス騒ぎがやっと収まったと思いましたら、今度はどこかから風邪のウイルスを貰ってきてしまい、不覚にもダウンしていました。 まあお医者さんの所へは行かなかったので詳しいことは分かりませんが、どうやら症状の重さからいっても、インフルエンザだったようです。 もちろん寝込んでいる間に、せっかく長い時間家に居るのだから更新しようかとも思ったのですが、実際にはパソコンどころか自分さえも立ち上がるのが精一杯の状況でしたので、無理せず断念することにしました。 と言う訳で長いことこのシネマ雑報をほったらかしにしていましたが、風邪の症状もだいぶ治まってきましたので、また今日から映画批評を再開したいと思います。 本日の映画は「穴」です。 まずはストーリーです。 イギリスでも指折りの名門であるパブリック・スクールで、4人の男女生徒が行方不明になりました。そして失踪から18日後、その4人の生徒のうちの一人であるリズ(ソーラ・バーチ)だけが、なぜか薄汚れて憔悴しきった姿で発見されたのです。事の真相解明とリズの精神的ダメージを癒すために、犯罪精神科の女医フィリッパ(エンベス・デイヴィッツ)がカウンセリングをすることになります。ところがショックが大き過ぎたせいか肝心のリズの記憶は曖昧で、あまり信憑性(しんぴょうせい)がありません。ただ一つだけ分かっているのは、4人が第二次世界大戦時の防空壕の穴に入ったと言う事実だけで、そこで何が起きたのかは結局リズにしか分からず………、と言った感じです。 この映画は「アメリカン・ビューティー」や「ゴーストワールド」などで話題を呼んだソーラ・バーチ主演の映画で、原作はガイ・バートがオックスフォード大学在籍中のわずか18歳の時に書き上げた、ミステリー小説がもとになっているそうです。 まあ普通にゆけば、映画の原作がミステリー小説だった場合、意外性のあるストーリーや緻密なプロットによる見事な複線等々ストーリー面で楽しませてくれる作品が多いのですが、この映画に関してはどうやらそれは当てはまらないようです。 防空壕の存在やそこへ行くための動機、そして仲間たちの死因など、凡てのものや設定が不自然で説得力に欠けています。もちろんそう言った面が弱くても、他の良い面でカバーできれば何の問題も無いのですが、この映画には「売り」となるものが何も無いのです。 主人公のキャラクターもいまいち統一性が無く、制作者側の都合に合わせてその性格をころころと変えてしまっているのです。ですからラストシーンを見ても矛盾を感じるだけで、虚(むな)しさしか残りません。 そもそもこの主人公は、年頃の微妙な演技を得意とするソーラ・バーチのイメージにはまったく合わず、キャスティングからして間違っていたと言えるでしょう。もちろんソーラ・バーチにしてみれば、色々な役を演じるのはそれだけ役者としての経験値が上がると言うことですから、この映画は良い踏み台になったとも言えるでしょうけどね。監督 ニック・ハム制作年 2001年制作国 イギリス上映時間 102分ジャンル ミステリー/サスペンス/ホラー出演 ソーラ・バーチ/デズモンド・ハリントン/ダニエル・ブロックルバンク/ローレンス・フォックス/キーラ・ナイトレイ/エンベス・デイヴィッツ/スティーヴン・ウォディントン/エマ・グリフィス・マリン/ジェマ・クレイヴン
2005年03月01日
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