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これは3月16日づけの、『Nature』の表紙を飾った論文のFigureです。
Vol 440 16 March 2006
こんなFigure載せちゃまずいのかなー、論文とかって著作権うるさそうだ…どうなんでしょう?ダメかな。
なんじゃこりゃ、って感じですが、これは「DNA Origami」です。うん、意味不明。
五段ありますが、一番上が設計図、その下が完成イメージ、
でその下が実際に合成したDNAの拡大写真、最後が全体像です。
このオリガミ、大きさは1000000000分の1メートルぐらいという、とんでもない小ささ!
そんな小さいのどうやって作ったんだ、とお思いでしょうが、
作り方は下の通り。

これも意味がわからないですね。
DNAはA,T,G,Cの塩基のうち、AとT,GとCがくっついて相補的に2本の鎖がらせん型になるという性質があります。
著者は、その性質を利用し、
「長いDNAの鎖のうち、ここにAを置いて、また別のところにTを置けば、AとTがくっついてノリみたいにDNAの鎖が思い通りに形をとってくれるだろう。うまいこと設計すれば、思い通りの図形が作れちゃうなー」
というアイデアのもと、こうこうこういう配列のDNAを合成すれば、そのDNA鎖は勝手にノリがひっついて、形をとって、自分の思い通りの「オリガミ」になってくれるだろう、というのを考え、実際に合成してみたのです。
果たして、ただの鎖であるはずのDNAはひとりでに形をとり、星やスマイリーマークがつながったものになったわけです。
ATGCの塩基配列がずらずらつながっただけのDNA鎖が、ひとりでに形をとって図形になるというのは、なんとも不思議でかわいらしいものです。
スマイリーマークいいですよねー。こんなものが1000000000分の1メートルの大きさでうじゃうじゃいると思ってください。
・・・・気持ち悪い気もしますね。
まあ、DNAを使えばものすごい小さな構造物を作ることができますよー、といういわゆるナノテクの論文なのですが、
明らかに筆者が楽しんでやってますね。しかもこれを表紙にするNatureもやるなぁー、と思いました。
この論文の著者、一人なんですよね。
だいたい生物化学系の論文の著者って少なくとも3人ぐらい、普通で5,6人、ゲノムプロジェクトみたいな巨大なヤツだと30人ぐらいにもなるものなのですが。
だもんで、普通の論文で使われる一人称が"We"なのですが、この論文の場合、"I"でした。
私が一人でやりましたー、みたいな。
Origamiはこれにとどまらず、まだあります。

真ん中にあるのは世界地図ですね。
こんな風に設計どおりに素晴らしい図形が顕微鏡で見えた日には、一人でニヤニヤせずにはいられないんじゃないでしょうかね。
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出会い系のTBが多すぎて、極めてウザイですね…どうにかならんか。