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2005/07/17
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カテゴリ: Cheri
「MIUおはよ~♪」

深夜だと云うのに、挨拶はいつも当り前のようにオハヨウ。
黒とミラーがベースの華やかな闇の迷宮。

今でも思い出す。
あの頃一番人気の有った曲「Can't live Without Your love」。
ステップって云うよりグルーヴスタイルで、腰を中心にひたすら左右に体をスイングさせる踊りだったのだけど、向かい合わせや背中合わせで軽くパートナーの肩や腰に手を添えて踊るのが普通。
深夜のノリノリの時間帯はフロア全体の知らない人達までまるで電車ごっこよろしく皆繋がって踊ったりして楽しい曲だった。

その日、少なくとも私が居た時間帯で初めてかかった時の事だった。

上がってるコ達が一斉にフロアに出るくらいだから・・・覚えてはいないけど、それまでのDJの選曲がイマイチでフロアが空き空きになってたんだと思う。
だから、景気付けに流したのね・・・多分。

私のいたグループのコ達も同じくスッ飛んで行った。
私は少し出遅れ、フロアに出ようと通路に居た。
通路とフロアの仕切りの付近に居た背の高い男の人の体に誰かがぶつかり、彼の手からグラスが落ちて飲み物がぶちまけられた。
誰がぶつかったのか・・・YU君かYUKIちゃんか・・・最後の方のコの誰かだったのだけど、ぶつかった瞬間は見てなかったからワカラナイ。
私が見たのは、グラスが落ちるのとぶつかられた彼が通り過ぎたコ達の後姿をパッと振り返った瞬間。
‘ヤッバー!!‘って感じで、私がやったんじゃないのだけど思わず「ごめんなさい!」って慌てて首に巻いてたスカーフで彼の服を拭いた。

足元のグラスの大きな破片をどけようとして指を軽く切った。
彼は、モダンで造りの良さそうな黒い革靴でグラスの破片をザラリと隅へ避けると、しゃがみ込んで私の指先の血を唇で拭った。
少し下げたサングラスの丸いレンズの上から此方をジッと見ている。

ただそれだけ・・・まるで羽が触れ合ったか触れなかったかと云うような、キスと呼べるのかすら分からないような風のような軽いキス。

ウエイターのモップの気配でハッと気付いて離れ、私はフロアへ出た。
振り返るとそこに彼の姿はもう無かった。
踊りながらエリアを見渡すと、引上げるグループの中に背中を見つけた。
フロントへ続く通路を曲がる瞬間、振り返っているのが見えた・・・何かを探すように。

私を探してる・・・そんな風に想われてるって思ってみたかった。

「大丈夫だった?」
「凄い怖い~何あのヒト?」
「気持ち悪~!」
「MIUちゃん、何かされなかった?」
曲が終って殆どのコ達がテーブルに戻って皆がそんな事を言う。
YUKIちゃんが「YU君に引張られた時に、ぶつかったんだけど怖くて逃げたの!」って・・・アンタねぇ!!
YU君が「スーーッゴイ目だったよねぇ・・・死人みたいでゾッとした!」って・・・思わず笑っちゃった。
だって、私・・・あの目がとってもセクシーで魅力的だと思ったんだもん♪

「何かされなかった?」って・・・されたのかなぁ?
指切ったのは自分で切ったんだし・・・傷を舌先で押さえ付けられたから指先の小さな傷はもう血が止ってた。
キスされたような気がしたのだけど・・・やっぱ、あんなキスなんて無いかぁ~友達挨拶の軽いキスですら口でもホッペでも「チュッ♪」って感じだし、仲良しだとフザケて抱き合って舌入れちゃったりとかね・・・たまたま近づいてた顔が擦れ違った瞬間にサラッと触れただけで錯覚だったのかも?
特に何がどうと云う事はされて無いと思うけど、されたかったカモ?(笑)


また会いたいなぁ~って、密かに逢えるのを期待して来る度フロアを見回したのだけど、以後彼にはもう逢う事は出来無かった。





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Last updated  2005/08/06 04:14:21 AM
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