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ボックスアート
ゲームボード(基本ゲーム)
「エイリアン・フロンティア」は2010年にClever Mojo Gamesから発売され、それまで無名だったこのパブリッシャーの出世作となった。現在BGGランキング90位。Kickstarter(少額投資者募集サイト)を利用し、こまめに開発状況を伝えるという宣伝戦略もうまかったが、当然ゲームの出来がよくなければこれだけの高評価は得られないだろう。
ダイス振ってから考える系のゲーム。「キングスブルク」「トロワ」と同系列のゲームと言える。プレイヤーはかつて異星人が住んでいた(今は住んでいない)惑星に入植する、夢あふれる開拓者となる。ダイス=宇宙船で、資源を獲得したり、惑星に入植コロニーを建設したりするため、出目に応じたスペースにダイスを置く。スペースには限りがあるので置きたいところに置けないこともあるが、他プレイヤーのダイスを除去する攻撃系スペースや攻撃カードなんかもある。誰かがコロニー駒を置ききったらゲーム終了。コロニーの配置数や支配地域から得点を獲得して、最多得点プレイヤーの勝ち。
アメリカ人の好きそうなレトロフューチャーSFがテーマのゲームだが、ヨーロッパでも注目されたらしく、今年中にはイスタリからも発売されることになった。そんな成功に支えられ、「基本ゲームが売れないと出ないよ」と中の人が言っていた拡張第1弾が出ることになった。それがこの「エイリアン・フロンティア拡張:派閥」だ。
まず、派閥などに関する新たなルールとは別に、5人プレイ用のルール(そしてそのための内容物)が追加された。基本ゲームのボードには4人プレイまでしか対応していないスペース(「入植拠点」)があるのだが、新たなゲームボードを追加することなく、割とスマートなルール変更だけで5人プレイに対応している。それでも4人プレイよりはやや煩雑になるが、逆にまったくインタラクションのなかったこのスペースで他プレイヤーとの絡みが出てくるので、これまでとは違った面白さがありそうだ。
追加要素としては、もちろん新たな異星人技術カードがある。他プレイヤーのダイスを一時的に借りて使える「アストロゲーション・サーボ」、すでに置かれている他プレイヤーのダイスと自分のダイスを入れ替える「カメレオン・クローク」、ダイスの出目を自由に変更できるが3回までしか使えない「エクスペリメンタル・FTL・ドライブ」……もう効果とカード名を聞いただけで大興奮w 当たり前だがカードの使用にはコストがかかるものがほとんどなので、ご利用は計画的にw
新たな異星人技術カードの1枚、「ルナ・トンネラー」
続いて課題カード。各カードにはゲーム中に達成できる課題とゲーム終了時に達成できる課題が1つずつ、計2つ書かれている。どちらも達成時に公開すれば1点になる。基本ゲームでは得点が完全公開だったので、ゲーム終盤にはどうしても暫定勝者の足を皆で引っ張る展開になり、プレイがやや長引くという欠点があった。この課題カードによって、ゲーム終了時に隠し得点が最大4点得られるので、密かに逆転することも可能になった。しかしゲーム終了時の課題は達成困難なものが多い。各カードはゲーム中かゲーム終了時のどちらか一方の課題としてしか使えないので、目立ってもゲーム中に得点にするか、達成できることに賭けてゲーム終了時まで持っておくか、頭を悩ませることになるだろう。
そしてタイトルにもなっている派閥ルール。各プレイヤーは惑星マクスウェルに入植しようとしている派閥の一派をになう。各派閥はそのプレイヤーだけが使える所有者能力と、他プレイヤーもコストを支払えば使える(所有者は無料で使える)軌道施設を持っている。所有者能力には「新たに建造した宇宙船をその手番中に即座に使える(「廃物利用艦隊」)」とか「誰かがコロニーを置いているのに誰も支配していない地域の特殊能力を使うことができる(「天王星シンジケート」)」など、さすがに強力なものが多い。派閥ルールを使った場合、この能力を軸にした戦術を採ることになるだろう。軌道施設の能力は「燃料駒1個で異星人技術カードを引ける(「新宇宙探検隊」)といった強力なものから、「惑星改造ステーションに置いたダイスを振って1~3が出たら壊れずにすむ(新環境技師団)」といった運任せなものまでさまざまだ。概して所有者能力が強力な派閥は軌道施設能力が弱い(またはその逆)。強力な施設は他プレイヤーもこぞって使ってくれるので、所有者はそのたびに使用料を得ることができるから、燃料に困ることはなくなるだろう。使う側も目先の利益に囚われず、そのコストを所有者に渡していいものかどうか、よく考える必要がありそうだ。
派閥タイルの1枚、「密輸人同盟」(画像はプロトタイプ版)
ルールを読んだ限り、基本ゲームの面白さを損なうことなく、かといって既存ルールに追加データを足しただけ、といった安易な拡張に終わることもない、意欲的な拡張に仕上がっていそうだ。基本ゲームでは地域ボーナスがどれを取っても損のないものばかりだったため、「優勢が取れるところならどこにコロニーを置いてもいい」という感じになりがちだったが、課題カードによって「課題達成のためにどうしてもあの地域の優勢が必要だ」ということもあり、エリアマジョリティゲームとして他プレイヤーと争う動機付けがより強まった気がする。そしてもちろん、このゲームが好きなら特殊能力好きに決まってる(断言)ので、個別の能力が与えられる派閥ルールは大歓迎だろう……各派閥のバランスが取れてるかどうかはちょっと心配だがw
Kickstarter投資者には基本ゲームのものと置き換える豪華な駒類が入った「アップグレードパック」と、さらなる異星人技術カード、課題カード、派閥が追加される「派閥拡張パック#1」がついてくる。現在は投資の募集は締め切られているが、どちらもあとから別売りされるので、機会を逃した人も手に入れることができる。この拡張の評判がよくないと、次に予定されてる拡張第2弾「小惑星帯」が出ないので、基本ゲームをお持ちの方は是非支援してあげていただきたいw
アップグレードパックの箱裏
BGGの和訳ページ
エイリアン・フロンティア
エイリアン・フロンティア:派閥
エイリアン・フロンティア:派閥パック#1
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