継続は剛力なり~前田剛力のあなたの一日を豊かにするヒント

継続は剛力なり~前田剛力のあなたの一日を豊かにするヒント

2008.11.02
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今週は久し振りの鼎談、そろそろだろうな、と予想していたのでニッコリしました。

テーマはまさしく今、この世界同時不況突入という暗い話ばかりの中で「いやいや日本はそうでもないよ、元気なところもあるんだよ、という話をして、番組を30分聴いてもらえば皆、元気になってヒョイヒョイと歩くような話になったら、と思うのですが」という竹村さんの言葉で始まったので、ピタリと思いました。

ところが、残念ながら今週の鼎談は珍しく低調で、元気の出るものではありませんでした。

どうやら話の持って行き方がまずかったようです。最初から通貨の話になり、経済に特化してしまいましたが、これではいかに「日本は大丈夫派」のお三方とは言え、苦しいでしょう。

「サブプライムの問題などですが、経済学の初歩で言うとこれはアメリカが潰れるだけ。せいぜい、アメリカにぶら下がっていた人たちが一緒に潰れるだけ」と日下さんが口火を切りました。

「ユーロが強いというユーロ信者が日本では多かったけど、アメリカがおかしくなった途端、それ以上にユーロはおかしくなってしまった。でも日本はそうじゃない。ドルに対してレートが切り上がっている国はそんなに多くない。日本くらい」と渡部さん。

「そういう風に書いているマスコミは少ない。貿易がしにくくなるとか悪い面を言うところばかり。円高復活となると、かつて一人当たりGDPで世界のトップだった日本が、この頃は下がっていましたが、もう一度順位はあがりますか」と竹村さん。

「上がるでしょうが、為替レートが大きく影響するので実態とは違います」日下さん。

「製造業は一流だが金融業は遅れている、とずっと言われていたが、その日本だけが金融はまとも、と言われるようになった」渡部さん。



「ただ、1929年と同じ世界大恐慌が来る、とマスコミは脅すがそうはならない。昔と違うのは金本位制でないからで、紙幣をどんどん刷ることができます。だからマネーゲームで痛んでいる人を助けるのは簡単。でもそんな奴らを助けていいのか、という道徳の問題と、やがては刷ったお金でインフレになるという問題が残る」

「大不況の引き金のことを誰も言わないが、それはアメリカが身勝手で作ったホーリー・スムート法です。貿易品に対してものすごい関税をかけたのですが、イギリスも堪らずオタワ会議で大英帝国、植民地の周囲に障壁を設け、関税をかけました。
それで先進国との貿易で食べていた日本はどうしようもなくなり、満州に出て行くようになった。第二次世界大戦の本当の原因はヒトラー出現も含めてアメリカのエゴイズム」と渡部さんの持論であり、僕もそう思う話になります。

「それを彼らは正直に言わない。その代わりに、戦争が終了する前にプレトンウッズで会議を開き、ガット体制の構築による貿易の自由化を言い出した。それは大戦の原因がアメリカとイギリスの貿易停止にあったことを事実上認めたもの」

「今、再び貿易に制限をかけるという議論もあるがそう簡単にはいかない。石油を売らないようにしようとしても、今は中東も皆、独立国になっているので必ず売ってくれる国がある」

ここで株式保有がいかに有利かという話を竹村さんが持ち出します。これは何度もでているので番組リスナーにはおなじみ。

1926年くらいから2002年までやく80年の株の値動きを見ると、2200倍に値上がりしている、というものです。

渡部さんが冗談で「どの会社の株ですか。潰れない株を持たないとね」と言われましたがもちろん、これは平均株価でしょう。だから時代時代で成長産業を見極め、なかでも有望な会社の株を選択し、適切に切り換えていく必要はあります。

邱永漢さんも、このような株式急落時は保有株式組み換えの絶好のタイミング、というような話をしています。

とにかく数年に一回はある株価の変動をじっと耐えて持ち続ければ、孫子の代か若い人なら自分の老後には期待できるといいます。

「マスコミの人はすぐ、暮らしにどういう影響がありますかと聴きますが、円高や株安のたびに右往左往してもしかたない。識者もこんな質問には答えないのが正解です」と日下さん。



これで前半は終わりです。

後半はいきなり「CDS」の話から始まります。銀行の頭取も経済の専門家である日下さんもよく分からないというこの金融商品が今回の世界金融危機の元凶だそうです。

CDS(クレジット・ディフォルト・スワップ)について調べてみましたが、説明を読んでもよく分かりません。本来は倒産などのリスクをヘッジする金融商品の一つのようですが、次々と派生品が出てどこにどれだけ損失リスクが存在するかが分からなくなっているそうです。

逆に売り手からするとそこがミソで、5,6年の短いスパンで売りさばき、大儲けできる有効な金融商品として世界中に流行ったようですね。日本の金融機関はこの流れに乗り遅れ、しかも金融庁の厳しい監督下におかれていたお陰で比較的傷が浅かった、というのが実情のようです。

でも世界中の金融機関、国家が痛んでいる中(去年の国連統計で世界一住むのに望ましい国にランクされ、一人当たりのGDPでも世界のトップ5に入るなど、マスコミに褒め称えられていたアイスランドが国有銀行のディフォルトに追い込まれるほどの転落ぶり)、一人日本だけが無事というわけには行かないのでしょうね。


バブル崩壊時は日本だけが苦しんでいたので自己責任を言われて誰にも助けてもらえず、今回は世界中で金融崩壊の危機となり、比較的元気な日本がお金を出して支えざるを得ないとは。つくづく損な役回りです。

それはさておき、CDSの話が続きます。

このような金融商品を売る際の売り文句があるそうです。
「これは将来、値下がりするかもしれないが、5年間はばれないような仕掛けをしている」というのが一つ。これで、行政機関や大学の資産運用担当者は自分の任期期間は大丈夫と思って買ってくれるそうです。

渡部さんは「リーマンブラザース救済拒否」とその直後の「AIG救済」の対応の差からCDSの意味(AIGは多額の資産を持ちながら、それを上回るCDSによる不良債権を持っていたので救済せざるを得ず)を考えたそうです。

ところでAIGはアメリカン・インターナショナル・グループの略とか。初めて知りましたが、非常に分かり易い。その前身は1919年、上海に設立された損害保険会社であるというところが面白いですね。

このCDSとは補償の積み重ね、日下さんにいわせると見せ金、だそうです。帳簿に載らないので誰にも分からないとか。

もう一つの金融商品の売り文句は社会心理学を応用していて「この商品にはイギリスの伝統的なファンドが組み込まれています」というとアメリカ人は買ってしまうそうです。イギリスの伝統に対する尊敬、憧れ、引け目があるということです。

そのイギリスの金融機関も軒並み損失を重ねたそうですが、それでもブラウン首相が大胆な救済策を発表すると「ブラウンが世界を救った」と大きく報道するなど、今でもイギリスが世界の中心だ的な意識があるそうです。

ここで日下さんが「日本人はまだイギリス、アメリカというように国別でお金のことを考えているが、金融マンはユダヤ系の資金、ドイツ銀行系の資金などと考えている。そこにものすごい戦いが起こっている」と解説してくれました。

「一方、1500兆円といわれる日本人のお金は大部分が国内に残っている。世界中が大変なとき、大丈夫なのは日本だけらしい、今こそ日本が世界を救うべきと麻生さんも言われていますが」と竹村さん。

「やめてください。大損こきますから」即座に日下さんが笑いながら反論します。

「日本人の特色かもしれませんが、銀行がほとんど利子を支払わないのにそのまま預けている。こんな国民はいないそうです」渡部さん。

「だから日本の銀行は痛み方が一番少ない」

「日本の銀行が威張ることではないですよ。日本人が我慢強いのです」

「我慢強かったからか、分からないからこうなったのか」

「利子がないことは皆わかっていたと思いますよ。馬鹿馬鹿しいけど、まあ預けておくか、という大国民の態度、超大金持ちの気分でいたわけですよ」

「一方、外国の金融機関のトップは数百億円の報酬をもらっているが、これは堅気ではないですよ」

「そういう人たちが金融機関のトップや政府の中枢にいて結構、談合をしているのです」と日下さん。

ここで、金融機関のトップはあらかじめ、退職する時にものすごい退職金をもらう契約をしていること、この「ゴールデンパラシュート」についての紹介がありました。
昔、僕が英会話で学んだときは、業績不振のトップの首切りを容易にするために条件としてつけているというような意味合いでしたが、今は解釈が広がっているのでしょう。

さらにブッシュ大統領の「ウォールストリートを救うことがメインストリートを助けることになる」という面白い表現も紹介されました。メインストリート=アメリカ全体ということです。

「そう簡単にはいかなくて、メインストリートが傷んじゃうんですよね。道徳的に痛むのです」と厳しい日下さん。
「金融システムを守るために国を壊している」
「この金融危機解決法案は、ポールソン財務長官に7000億ドルを預けるからどこでも好きなところを救え、という内容。しかもその過程で起こるであろう、えこ贔屓的な救済についても絶対訴追されないとなっている」

日下さんはこの法案が不満なようです。
それにしてもアメリカは本当にトップを救うために自由自在の政策を取り、国民、諸外国にはうまい具合に説明してしまいますね。中国と似たところがあります。

「時間が来てしまいましたが、金融問題が解決しないごとく、この話も終わらない」と竹村さんが無理やりまとめて終わりです。

最後まで明るい話にはもっていけず、問題の深さがうかがわれました。ではまた来週。





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Last updated  2008.11.02 17:43:22
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久し振りの鼎談でしたね  
くさなぎ さん
私はビデオデッキを使ってラジオ番組の録音をしてゐます。今回はデッキの残量カウンターを信用して、残りが短いテープに録音しましたが、鼎談の残り二分「ゴールデンパラシュート」の話が始まったところでテープが終ってしまひました。
話は変りますが、正論12月号の書評に紹介されてゐる元産経の高山記者と日下氏の共著「日本はどれだけいい国か」は面白さうです。 (2008.11.04 22:55:55)

Re:久し振りの鼎談でしたね(11/02)  
くさなぎさん
こんばんわ。
僕もMDに録ってそのあと歩きながら聴いています。毎回、ブログにアップしたら消しているので残量不足、ということはないのですが録画し忘たときは本当にガックリします。
ご紹介の本は産経新聞の宣伝にあったので気づきました。僕の利用する図書館に入っているようなので借りる予定です。
高山さんの毒舌と日下さんの褒舌でどんな話になるやら。また読書日記で感想を書きます。 (2008.11.04 23:20:07)

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