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今日は祝日、文化の日です。戦前は明治節であり、明治天皇の誕生日を記念したものでしたが、敗戦で「文化の日」というものに変えられました。僕はてっきり、明治時代からずっと祝日としてお祝いされていたのだと思っていましたが、天長節として制定されていた11月3日は大正になって一度変更されたのでした。(天皇誕生日ですから、当然ですよね)それが「明治節は素晴らしかった明治時代を日本人が懐かしんで、昭和になってから制定した記念日だった」と知りました。(産経新聞11月2日産経抄)そのころの日本人にとって明治時代とは、幕末維新から必死に勉強し、働き、戦って到達した頂点、一つの坂の上、世界の一等国としての日本のプライドと自分自身よくやったという自負をもつ輝かしい時代だったのでしょうね。そんな曾祖父母たちの誇りを我々も取り戻し、日本を盛り上げ、子孫につないでいかねばならぬ、そのようなことを文化の日に考えました。ついでにもう一枚。これも昨日の産経新聞連載漫画「ひなちゃんの日常」祖父母とのつながりをたいせつに、という南さんのメッセージ。大人になったひなちゃんも登場する感動の一話。
2011.11.03
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本当に一か月ぶり以上の更新です。何となくバタバタしていましたが、またコツコツいいテーマの時、更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。幸田さんの番組は土曜日の朝から夕方に異動しました。その最初のゲストは山本寛斎さん、ということで先週から楽しく聴きました。一応メモは取っていたのですが、今週のが特によかったので合わせてアップすることにしました。今回のゲストは山本寛斎さん、日本を代表するデザイナーですが、本人いわく、デザイナイーは自分のほんの一部で、すでに服は売っていない、とか。これはあとで。もともと人間の根源的な欲望である「異性にもてたい」という思いからファッションに凝っていったそうです。最初はテレビ局関係の仕事をしていたが、局ですれ違うスターたちとファッションで張り合い負けていなかった、といいます。それほどファッションが好きならこの道で生きていこう、と決心、それから3年間独学で勉強し、デザインして作品を作り、装苑賞を受賞されたそうです。もともと洋裁は父親の会社を小さい時から手伝っていて技を持っていたのです。(これはウィキペディアで調べました)この間、非常に貧しい生活を続け、商売道具のミシンを質に入れてご飯を食べるような苦労、でも装苑賞会場では受賞するために応援の声を会場で上げることもいとわず、何でもやった、ということです。(装苑賞というのも初めて知りました)人間、とにかく目立たなくてはダメ、ニューヨークの町なかで目立つ格好をしていれば、交差点で声を開けられ、そこから話が弾み知り合いにもなれるが、地味な格好であれば一日過ごして昼食を注文するときしか喋っていなかった、ということになる、と面白い例え。(実話だそうです)ただ、自分のエネルギッシュなことを認めながらも、反対に同じくらい落ち込むところもあるのでバランスは取れている、とのこと。いずれにしても寛斎さんのこのパワーは生まれもったモノ、だそうです。幸田さんはこの埋没を嫌う姿勢、目立とうと頑張る姿を評価して、皆がこうならないといけない、と言いますが全員そうなると日本が日本でなくなるから難しいですね。コツコツ平穏人生を務める多くの庶民がいて初めて寛斎さんが羽ばたけるのではないかと思います。寛斎さんはすでにデザイナーの枠を飛び出している、プロデューサーとして見てくれる人を驚かせ、楽しませ、幸せな気持ちにするショーを企画する、そこで着る服はデザインもするが、それはあくまでの自分の一部分、といいます。とにかくエネルギッシュに喋って、とうとう途中に番組のコマーシャル時間をさしはさむことなしに30分が終わりました。来週も続くということで、これだけは聴きましょう。先週に続いて山本寛斎さんです。東北大震災に際して寛斎さんが行った「天灯」による鎮魂の催しについて語ります。寛斎さんは大震災に直面して自分に何ができるか、地震、津波、放射能を考えて世界的な広がりを持つイベントで被災地を励ましたいと考えたそうです。そして津波で大きな被害を受けたインドネシア、放射能大事故を起こしたチェルノブイリ、両方に見舞われた福島県相馬の三か所で鎮魂の灯篭を空に昇らせる、被災者にも顔を上げて前向きな気持ちになってほしいという思いを伝える天灯を企画、実行されました。その記事は以下の通り。・ http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2011092402000066.html寛斎さんはこのエピソードを語り終えた後、しばらく沈黙します。その間、幸田さんが必死で場をつなぎますが、先週、今週の番組の中で初めてのシーン。それまでは寛斎さんの言葉の間に幸田さんが何とか割り込もうと必死でしたから。寛斎さんはその間、相馬での出来事に心が没入していたそうです。僕もこのイベントについてはぼんやりと新聞で見た記憶はありますが、それだけ。感性が低いと反省。また後半は寛斎さんの著書「熱き心」をもとに日本人特に若者に送るメッセージなどをお二人で語ってくれました。今の大人たちは若者に向かって日本はダメだ、人生はつらい、というのではなくてこんなに素晴らしいものだよ、楽しいことがあるんだよ、と伝えていかないとダメ、と強調します。人生には確かに浮き沈みがあるが、だから退屈しないんだよ、と。また人生も後半を迎える人に対しては(もちろん若い人にも)、命には限りがあるのだから、相手が亡くなってしまってはその人は二度と捉まえることはできないのだから、思いは伝えないといけないんだよ、と声のボリュームを大にして語っています。(寛斎)それができないのは主に自分の感情から。意地になっているから。でも喧嘩をしたままでもその気持ちをきちんと伝えて、それでサヨナラなら仕方ない、それもあり。でもそうなるとしても感情のすべて、いいことも悪いことも伝えたほうがいい。ここで幸田さんはいろいろな思いもあったのでしょう、声を詰まらせます。最後に寛斎さんは、相馬を訪れた時、直前に立った小林幸子さんについてはその場の全員が知っていたのに、自分については司会がいろいろ紹介する必要があった、自分は若い人に対して顔、名前が売れていないと改めて反省した、と語ります。何かを為すとき、名前、顔を知ってもらえているのとそうでないのとでは影響力が違う、ということでそれが今後の課題だ、と自戒するところが寛斎さんの面目躍如。今後ますますのパワーアップを願います。番組の最後で幸田さんは今日(10月22日)がイチロー選手の38歳の誕生日であった、として話題に取り上げました。残念ながら11年連続200本安打の記録は途切れましたが、本人は「それほど気にしていない。来年、また200本にチャレンジできるような状況を作りたい」と淡々と語っているそうです。そして彼はきっとやってくれると思います。「小さいことを積み重ねることがとんでもないところに行く唯一つの道だと思う」と語ってくれる人ですから。
2011.10.23
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日本が東日本大震災に見舞われた3.11から半年の今日。日本人を勇気づけ、励ますためになでしこがまたやりました!ロンドンオリンピック最終戦、ホームの中国と戦い、1-0で勝利。この結果、アジア地区1位で予選突破、ロンドンに向かいます。最終戦、オリンピック出場決定済みということで主力を温存して臨みましたが、なかなか厳しい戦いになりました。雨が降る中、ピッチもデコボコということでパスが通らず、滑って転ぶ選手もでるなど大変。しかも中国の選手は出場権の望みは失ったなかで最後まで力を抜かずゴールを狙いました。日本にとってありがたいことに、決定機をしばしばミスしてくれましたが、これがなかったらどうなったことやら。でも勝利、1位通過です。ゆっくり休養して、練習して、本番で頑張ってください。そしてまた日本中に元気を送ってください。きっと日本全国からもロンドンに励ましのパワーが届くと思います。今日はテレビから何枚か写真を撮りましたのでそれからアップしました。勝つためにここに来た!ゴールの瞬間鮫島選手は全試合フル出場、今日は何度も攻撃参加で活躍しました澤選手は落ち着いて後輩たちの頑張りを褒めていましたなでしこ1位通過!
2011.09.11
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本日、君津市民文化ホールで東日本大震災復興支援「櫻井よしこ氏」チャリティ講演会がありました。どのくらいの人が来るのか、と思っていましたが驚くほどの大盛況、この君津にもこれだけの人が熱い思いで日本の復興を願い、何かしていきたいと思っていることを知り、感動しました。満員の聴衆の多くは50代以上でしょうか、男女もほぼ同数で日本の現状、政治の混乱を憂う女性の多さにも驚きます。観客席には国旗が掲げられ、頑張れ日本を表現しています。櫻井さんの講演は問題閣僚の任命から日教組のドンを幹事長、反日官房長官を政調会長代理に据える党内融和最優先の野田政権への懸念、日本の国力がどんどん落ちている現状、そうした中で大震災に直面した日本人が魅せた世界が驚嘆する日本民族の特質、これから我々はどうすればいいのかを時に笑わせ、時に沈黙させ、最後は大拍手で締める、素晴らしいものでした。内容はまた、アップしたいと思いますが、最後の「国難の今、お願いしたいのは、高齢者が今より少しだけ頑張って働いて、働けば元気になって医療保険も使いませんから財政を助けることになり、子供や孫に正しい教育ができるように少しでも日本の素晴らしさを話し、お金を貯めこむばかりでなく使って経済を活性化させ、立ち直りの機会を与えてくださいということ。皆さんはのんびり引退して悠々自適、などということはせずに頑張って働く、でも死ぬまで働くのではなくて、死ぬ一週間前まで働いて、一週間だけ寝込んで子供たちに看病させる時間を上げてサッと死ぬ。それでも今、高齢の人はだいたい100歳まで生きますよ、まだまだ時間があるのです。私も皆さんと同じくらい、いくつと思います?実はもう65歳で、本来なら引退の年ですが日本の状況が許しません。私も頑張りますので、皆さんも100歳まで頑張りましょう!」という感動的な言葉にワッと来ました。まだ開演まで30分ありましたが、満席です。講演中は写真は禁止でしたので、主役は不在ですが今のうちに撮っていました。観客席には見事な日の丸が聳えていました。面白かったのは、マスコミの報道の話をしていた時、「この中に産経新聞を読んでいる人はどれくらいいます」と櫻井さんが質問すると驚くくらい沢山(櫻井さんも驚きました)の手が上がったこと。僕ももちろん手をあげました。今度は「では朝日新聞を読んでいる人?」の声に(残念ながら)手が上がりましたが、産経とそれほど変わらない程度。「二誌は全く正反対ですからね。朝日だけを読んでいると元気なくなりますよ。朝日をやめろとは言えませんが、両方を読んで比べていれば世の中で起こっていることが正しくわかります」と櫻井さん。会場は拍手。講演が終わった後、チャンスがあったので櫻井さんをゲットしました。(もちろん、写真で)これはちょっと小さすぎますね。最後の最後、降壇寸前で捉えました。青いスーツ姿は素敵でした。
2011.09.10
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長かった盆休みも今日で終わり、身体はリフレッシュしましたが、民主党の様々な活動(国旗侮辱の表紙等)、フジテレビを始めとするマスコミの反日的所業などにイライラして精神的にはスッキリしません。今日は午後からフジテレビに抗議するデモがあるようですが、この雨で参加者が減るのか、と心配しています。僕も行きたかったのですが、15日に靖国神社に参拝に行きましたので、今週は失礼しました。でも心から応援しています。そんなストレス気味の僕でしたが、ふと思い立って「竹村健一」さんでネット検索して以下のページを見つけました。何と、竹村さんが息子の真一さんと一緒ではありますが、対談会らしきものを5月に開催しているではありませんか。ビックリするとともに喜びで胸が一杯になりました。番組終了後、まったくマスコミに登場しないので、病気で入院などされているのではないか、と心配していたところでした。対談では真一さんやニコルさん(今回のゲスト)が多く喋っていましたが竹村さんも要所要所で発言しています。何はともあれ、後ろ姿はしっかりしています。これからも無理はしないで、ゆっくり、しっかり発言を続けていただけたら、いやお元気でいるだけでいい、そんな風に思いました。唯一気になったのは5月まで毎月1回開催されていたような勉強会がここで途切れていることです。何とかご無事でいてください。頑張れ、竹村健一さん!竹村さん登場の情報はこちらから。竹村健一主宰勉強会 『森から見直す 日本の再生』http://www.k-takemura-museum.jp/study/201105.html#
2011.08.21
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今日は予定通り東京に出て友人と会い、終戦記念日ということで靖国神社の参拝なども済ませました。東京駅から歩いて北の丸公園を経由、武道館の前を通るルートでおおよそ30分くらいかかったでしょうか。武道館前は終わったばかりの全国戦没者追悼式の看板がまだ残り、出席者のバスが移動している最中でそれなりに感慨もありました。東京駅は改装中で、ネットの上に丸屋根が覗いていましたお堀端を歩いていきます江戸城本丸跡を遠望しています。江戸時代、火事で焼け落ちた後、保科正之が、民にお金は使うべきと再建に反対してそのままになったようです。武道館前はもう静かになっていました靖国神社は大混雑というほどではありませんでしたが、人並みが途切れることなく続き、最近の国民の関心の高さ、このままではいけないという危機感を表しているようでした。僕は時間がちょうど合ったので、西村眞吾先生と一緒に参拝する会に参加して昇殿参拝しましたが、先生は正座の背筋がぴんと伸び、すばらしい姿、玉ぐし奉奠のときもすぐ隣に並んでご一緒に頭を下げさせていただきました。西村先生は挨拶に来られた方ときちんきちんと話をされていました。靖国神社を下っていくと、交差点には機動隊が集結し、日の丸などが大きく振られていました。ここを反天連のデモが通ったようでその反対集会のようでしたが、1000人近くの人が集まり、国旗や天皇陛下を侮辱する反天連に抗議したそうです。僕が参拝を終えてここまで来たときはすでにカウンターデモは終了して撤収前の挨拶をしていました。僕はタッチの差でその場には遅れましたが、まだ参加者の意気盛ん、気合で盛り上がっていました。戦場に残っているのは日の丸組ですから、日の丸組の勝ち残り、ということになります。こういうところでも日本人がどんどん声を上げ始めているようで、正常なことだと思います。諸外国とは仲良く、でも毅然とした態度で国益を主張する、これに尽きるのではないでしょうか。
2011.08.16
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今週も引き続き、国税庁長官からコロンビア大使、そして今は横浜銀行頭取に天下りしている寺澤辰磨さんです。最初は国税庁長官時代の功績について誇りますが(本当にこの人はあっけらかんとして自分の功績?を喋られる人ですね)、寺澤さんいわく、行政は最大のサービス産業であり、それは国民から税金を徴収する税務署でも同じ、と胸を張ります。そして顧客(納税者)の便宜を図るために納税時期である2月は日曜日にも相談を受け付けるように改革しました、と語ります。そして一般人の嫌がる国税査察も、国民に税の透明性、公平性を納得してもらうためにやるものです、と建前を言って恥じません。これはある意味で立派なこと。でも本当に巨額の脱税をしている者たちに司直の手が本当に入っているのか、疑問です。さらにコロンビア大使時代の話では、コロンビアの素晴らしさをたっぷり紹介してくれましたが、ここでもコロンビアの立場に立つ建前のスピーカー、という印象でした。さてそのコロンビア讃歌ですが。コロンビアは言われているほど危険な国ではない。行ってみるととてもいい国。中南米の国とほとんど同じラテン系で同じキリスト教文化を持ち、同じような風土ながら、経済運営だけはまるで違うのです。南米の多くの国はハイパーインフレを起こし、軍事クーデターがあって、しかもデフォルトしていますが、コロンビアではそれが一切ありません。これはなぜか、と調べてみてわかったことは「ポピュリズムがない」ということでした。政治家の中にポピュリストがいないのです。それはどうしてか、と言うことで研究者の論文を紹介してくれましたが、3つの理由があるようです。一つはコロンビアの政治制度は歴史的に大都市所有者がいて彼らが票を持っているというもので、一般大衆に媚びて票を集める必要がないということ。この地方のボスたちは、インフレは困るので財政規律をちゃんとやれ、とずっと言ってきたとのこと。もう一つは大蔵大臣以下全員がアメリカの大学を出たテクノクラート、官僚であり政治家ではない。彼らは政治家から経済政策で責められるが大統領制の下で守られていて、大衆にこびる政策をとる必要がないということ。最後は言論の自由があるということ。テクノクラート官僚の政策に対して学者や財界からガンガン批判がなされるがそれも自由。ただし批判していた学者も政府に入ることがあり、お互い、第三者的な議論ではなくて、自分だったらこうする、という建設的な議論ができていると言います。まったく素晴らしい?体制ですね。幸田さんは、日本にも似たような感じもあるが、本質的に違っているところもある、と首をかしげます。さらにすごいのは1980年代、コーヒーブームに沸いて景気が良かったときに、IMFなどから積極的な投資を進められたがそれを断って過去の債務を返済したのです、と寺澤さん。幸田さんも立派、と褒めますが、この投資を断って経済発展の芽を摘んででも財政規律超重視で債務返済に向かうという姿勢、まさに今の日本の財務省のやり方そのまま、ということで、改めて寺澤さんの立ち位置が分かります。彼が素晴らしいポストを歴任できている理由も薄っすら想像できます。ここで中間です。後半は2002年から2010年まで大統領を務めてコロンビアを安定させたウリベ大統領の讃歌です。ウリベ大統領は就任後、真っ先に増税を行い、それにより軍隊と警察を増強して治安対策をキッチリしました。おかげで首都ボゴタはワシントンよりも安全と言われるようになり、その結果海外からの投資も増え、株式総額は10倍になりました。そのため大統領の人気も高く(任期中の平均支持率が80%)、本来は1期しかできない大統領を憲法改正により2期やったのです。さらにもう1期やらせるための国民投票法案を出したのですが、これは憲法裁判所が拒否しました。そういう意味で司法もきちんと機能しています。(それにしても2期、3期と任期延長を望み、仕掛けたのは大統領ではないのか、という当然の疑問もわきます)さらに任期の最後にも増税をして治安対策を維持しましたが、これも国民は支持しました。これができるのは国民のあいだに民主主義が機能しているからです、とコロンビアを絶賛。増税には政府と国民の間に信頼関係が必要。日本にはそれが今なくなっている、と幸田さん。なぜ信頼関係があるかというと政策が首尾一貫しているから。保険料を上げたり、年金を減らしたり厳しい政策をしても国民は治安維持を第一に考えて支持しているのです。コロンビアの人口は100年間で11倍に増えて4000万人くらいとか。まあ日本も20世紀に3倍くらいにはなっていますが。ただ残念なことに貧富の差は大きいのです。国民の45%は貧困者。でも全体の93%が今の生活に満足しているのです。貧困層が満足しているのは社会保障がきちんとしているから。コロンビアの政界は保守党、自由党の2大政党に20%の左翼ゲリラ出身の議員がいるという構造。2大政党の間に入って、ゲリラ勢力がキャスティングボードを握っている状態にあり、その結果、福祉的な政策が採用されているのです。結局、増税しながら治安を維持して、貧困者はいるが適度な福祉もあって国民は満足している、ということでしょうか。盛んに国民の支持、と言いますが、投票は地域のボスに支配されているということで支持の真実はわかりません。第一、日本でマネしようもない政策ばかりです。日本は国民一人一人がボスに影響されずに投票できるわけだし、治安は増税する必要もなく安定しています。年金、医療も世界でも類を見ない立派なものですし、貧困者もそれほどいません。結局、寺澤さんは財政規律がしっかりしていることが最優先で、そのためには経済発展も二の次、それでもコロンビアは成功したのだから日本も増税から財政規律を一番にやれ、そう言っているようにしか思えませんでした。最後に幸田さんが「横浜銀行をどうするか」と聞きますが、「地元の銀行がしっかりすることが大切で、これによってお客様のニーズをしっかりとらえていきたい」と答えて終わりです。さっそく日曜日も支店を開けることを始めた、と自慢していました。幸田さんは、「寺澤さんはどんどん改革をやる人。地銀から金融力を発揮してほしい」とエールを送って終わりです。なんか文句を言ってばかりで自分でも情けなくなります。それなら聴かなければいいじゃないか、とも思いますが、もう習慣になっているのですね。「継続は拘束力」になっているのかも。
2011.07.02
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今週の幸田さんのゲストは横浜銀行頭取の寺澤辰磨さんでした。寺澤さんは1971年大蔵省入省後、関税局長、理財局長、国税庁長官などを歴任された後、都市再生機構理事長代理、駐コロンビア大使を経て今月から横浜銀行頭取、だそうです。まさに見事、華麗な経歴ですが、一点気になること、今週言いたいことはこれ一つ、つまりこれこそ天下りの典型ではないか、と言うことです。もちろん、ご本人の能力を買われてということでしょうが、民主党の主張は天下りの廃止でしょう。もともと期待ゼロの民主党ですが、あまりにも国民を馬鹿にしている仕業ではないかとまた怒り心頭。個人的には力のある人が民間に出て能力、人脈を生かして仕事をすることは大賛成ですが、民主党は自分の言ったことに責任を持ってほしいと思います。寺澤さんは理財局長になった時に「国債のことは知らないだろう。これで勉強しなさい」とある人から幸田さんの「日本国債」を渡されたとか。そして理財局長時代、日本国債の様々な制度改革をされたそうです。理財局長として資金を調達してきた後、国税庁長官として国債の信用の元となる税金の適正な徴収にむけて努力する立場に代わったということで、ある意味、大蔵省の中のエリートの流れもちゃんと考えられたものなのですね。島根県益田市出身で、当地で亡くなったという伝説のある柿本人麻呂にちなんでつけられたお名前、というところが山口県出身の僕としてちょっぴりだけ親近感あり。来週はコロンビア大使時代のお話が聴ければ、と楽しみです。志の輔さんの今朝のゲストは元宝塚スターの彩乃かなみさんでした。初めて聞くお名前ですが、全くの素人、高校1年生まで芸能界などまるで興味なかった少女が、夏休みにたまたまテレビで見た宝塚の舞台に「私の求めていたのはこれだ!」と感動、そのあとは両親の反対もなんのその、塾をやめ、バレー教室に通って自分の意志を貫き、宝塚受験3度目にしてようやく合格したという話には感動しました。人間、だれにもこのような運命の瞬間、と言うようなものがあるのでしょうか。今日の落語は五代目古今亭今輔師匠の「旅行日記」でした。昭和30年代、まだまだのどかな時代の山ブーム描かれていました。オチはシュールと言うかブラックユーモア、木賃宿で供された鶏料理、豚肉料理の秘密ですが、現代のミートホープ事件などなんのその、という感じですね。ではまた来週。
2011.06.26
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今週も先週に続いてフェルドマンさんの登場です。今朝は、まずアメリカ国債の見通し、法律の発行額上限に迫っているアメリカ国債はどうなるのか、という質問から始まります。国際通貨である米ドルは刷り放題、国債も必要に応じて発行できる(買い手がいる限り)と思いきや、国債としては上限があるのですね。しかし今朝の新聞にもありましたが、連邦準備制度理事会はリーマンショック以後、ドルを刷りまくって住宅ローン証券を買い取り、国債を買い支えてドル資金発行額を3倍にも増やしたそうです。結果としてドル相場は安定し、ドル安にはなったけれどもインフレは許容限度内に収まり、株価は上昇するなどそれなりにうまくやっているようです。日本が今やるべきなのはまさにこれだと思うのですが、それはさておき。フェルドマンさんはこれもチキンレースの様相を示しているが、結局は何とかなると語ります。法律の発行上限をどうクリアするのかは特に説明ありませんでしたが、世界に今、ドルに代わる基軸通貨はなく、また世界の投資需要を満たす金融商品もすべてドルで賄われており、これに替わるものはないとします。ユーロはダメ、ルーブルも無理、元など透明性もゼロで問題外。円は市場規模はあるが商品が国際化されていない、そんな引き算で行くと当分、米ドルだけのようです。かくして悪い共存状態、消極的理由でドル体制はこれからも当分続いていく、という結論でした。これを呑兵衛とバーテンの関係に例えて、呑兵衛は金がなくても酒が飲みたい、バーテンは酒を売りたい、だからカードを使わしてくれ、というと認めてお金を貸す。それが続いている状態で、誰も本当は得をしないのだけど続いている、と言われます。ただしこれがアメリカにとってプラスかというとそうではない。何をやっても基軸通貨として生き残るというのでは財政規律が働かない、経済を良くしていこうという真面目な態度が生まれない、と叱ります。今後、中国13億人、インドも10億人以上さらには中近東の民主化でも10億人が世界経済に参加してくることが考えられ、何が起こるかわからない世界。日本は少子高齢化でデフレ傾向だけれども、世界は違う。今後もこの新興国の成長は続きますか?と幸田さん。わたしは続くと思います、続かなければ国内で「なぜ先進国だけが豊かなのか」とものすごい政治問題、対外的には戦争になります。だから成長を続けさせないといけない、とフェルドマンさん。生活水準を上げて平和な世界を作る。そのためには共存が必要で資源も獲得競争をするのではなくて、共同開発をしてうまく使っていくのがみんなにとってプラス。ここから後半です。ヨーロッパは今、長期金利が上昇するなど大変になっているが、このあとどうなっていくのか。(幸)ヨーロッパは財政規律なく、お金を借りて豊かな生活を続けてきた状態。生活水準が高すぎたということでアメリカと同じ。公務員給与、引退後の年金制度の見直し、若い人の生産性をどうやってあげていくか、など成長戦略を考えて初めて財政問題も改善していけるのです。(フェ)こうした中で日本は復活していけるのか、たとえば自動車産業は再び世界の中で活躍できるのか?(幸)絶対にできると思います。日本の自動車産業がこれまで伸びてきたのはなぜかというと誰よりも早く次の技術を生み出してきたから。マスキー法に一番に対応し、省エネカーの分野でも先頭を切ってきたのです。(フェ)危機に対する対応の速さ、強さという日本人の良さを生かしたい、と幸田さん。また幸田さんはTPPについて日本の参加是非を問いますが、ここでもアメリカ人らしく?メリットが大きい、救い主になりますと言い切ります。ただ、日本の美味しくて安全な農産物がTPP加入で世界中に輸出される、というのは論理の飛躍が唐突では?すぐに言い足して、これにより日本の農業政策が改善されるということで、その結果、農地法が改正されて土地の活用が自由になればやる気のある個人、企業が農業に参画して日本の素晴らしい農業技術が生かされた競争力ある農業がおこなわれるとつながるようです。でもそういうことはTPPとは関係なく外圧でなく自分たちで議論して農業政策の改善をすべきでしょう。最後に、これから国民一人ひとりはどう対応していくべきですか、と幸田さんは問います。それに対する答えは「自立する」ということ。これまで20年以上続いた政府の政策は、国民に依存心を抱かせるものだったが、過去の日本、たとえば明治時代の日本は違いました。だから、日本人一人一人が「自分でやるぞ」という気持ちに戻ってやれば必ず復活します。「自立心」がキーワード。幸田さんも今、過去の日本をテーマにした小説、外債獲得に苦労した時代、を書こうとしていて高橋是清を調べている、と語ります。フェルドマンさんは日本に長く住んでいるが、日本の魅力は?(幸)非常に民度の高い国民。住み易い国であるということ。(フェ)民度は高いが、今東京は寂しくなっている、という人もいます。東京が元気になってほしい。そのキーワードは自立ですね。一方で最近の若い子は草食系と言われながら、震災被災地へのボランティアに向かうなど非常にいい面もでてきました。(幸)問題があるのは逆に年寄りの世代。(フェ)若者の覚醒と行動、年寄りのサポート。これがポイントです、と語って今週は終わりです。
2011.06.19
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今週のゲストはモルガンスタンレーMUFG証券株式会社 経済調査部長のロバート・アラン・フェルドマンさんでした。幸田さんを聴き始めて初めて登場された外国人、とはいえテレビでもコメンテーターとしてもおなじみで、日本語もペラペラ、テレビより落ち着いて話をされるなあ、と好印象を持ちました。当然のように今回の大震災を受けてどういう風に感じたか、という話から始まりましたが、フェルドマンさんは、「今回は日本の素晴らしいところと悪いところがはっきり見えた」と語ります。まあ様々な場面で言い尽くされたとはいえ、「国民は極めて民度が高い。普通の国なら暴動が起こるところでも列を作って待っている。また、被災地にある工場設備の立ち上がりが非常に早い。日本中から支援者が一気に集まって立ち上げるチームワークがすごいというところ」「悪いところは何かというと政策の進み方が悪い、遅い。これは一人一人の政治家が悪いというより制度が悪い。正しい方向に動けない状態。自民党も民主党の小さな派閥に分かれていて一つの方向に進めない」「日銀も最初はどんとお金を入れたが、そのあとは動きが少ない。デフレを脱却できるように政府も日銀に働きかけるべき。縦割り行政が復興を邪魔している」フェルドマンさんは現在の日本の混乱を政治家、指導者が悪いというより制度の問題としているところが、僕とも違うし、おそらく幸田さんとも違うようです。ただ正直言って、民主党にも自民党にもこの人が首相になれば、という人はいないかもしれませんね。ここでどうすれば政治がよくなるか、という幸田さんの問いにフェルドマンさんは、一票の格差をなくさなければいけないと一見、別の方向に行きます。その意味は、政治家も普通の人なので、まずは当選しなければならない。そのために行動する。その際、最も投票率の高いのは高齢者であり、高齢者の嫌う法律、歳出削減のために年金を抑える、医療費の改革というような政策は取れない、ということです。しかも高齢者は地方に多いので、一票の格差はその方向に働きやすい、と続けます。次に幸田さんは、今回の震災で日本の製造業が世界に与える影響の大きさ、サプライチェーンの中心をなしていた、ということに話を移します。これに対してフェルドマンさんは、これは素晴らしいことだったが過去の話、必ずどこかの国が東北の穴を埋めようとします、と警鐘を鳴らします。日本の企業を誘致し、技術、顧客を獲得しようと世界中の国が虎視眈々と狙い、動いているのです。幸田さんも、日本国内の企業ですら、東北を諦めほかのところ、ほかの国に拠点を移そうとする動きがある。雇用も法人税も技術も失われると訴え、対策を問います。フェルドマンさんの提案は大きな制度改革、たとえば甚大被害地に工場を建てる場合は10年間法人税ゼロ、というような政策をだせば復興は進むというものです。法人税がゼロになれば企業は集まります。するとそこには雇用が生まれ、結果的に税金も法人税以外の形で地域に落ちるのです。なるほど、いい考え。その場合は、国内で立地を奪い合う形ではなくて海外からの誘致も必要かもしれません。これによって雇用が増え、賃金が上がると日本経済の懸案であったデフレ脱却も可能になる、とフェルドマンさん。後半、日本経済全体の回復のスピードについての話になります。フェルドマンさんの予測では9月まではGDPの伸びはマイナスかフラットで10月から回復、しかしそれも年率で3~4%ということです。年ではプラス成長は無理。これは政府の予測よりかなりきつめ。日銀はとんでもなく楽観過ぎると厳しい指摘。早く政策転換をすべき、と続けます。サプライサイドの復興は思ったより早いのに、政策サイドの責任である需要の回復のスピードが遅い。これによりデフレ脱却は一層遠のいている。司令塔がしっかりせず、それによって縦割り行政の悪影響も大きくなっているから、と厳しいですが、その通りだと思います。幸田さんは「復興需要はあるのに、供給側が工場の復旧など半ばでサプライ側がついてきていない、という人もいるがどうか」と聞きます。フェルドマンさんも最初はそう考えていたが、現実には企業の反応、復興の動きは早く、需要側は遅い、これは予想外だった、と言います。制度の問題が復興の足を引っ張っているのですね、と幸田さんも嘆きます。原発の定期点検の問題一つをとっても運転再開には地域の同意がいるとなるとどんどん停止してしまう。そしてこれは復興に水を差す。全体としてどうすべきなのか、整合性のとれたものに制度設計をやり直すべきとフェルドマンさん。幸田さんも同意。最後にこれらを進めるための財源の話に進みます。ここでもフェルドマンさんの考えははっきりしています。増税はダメ、ということ。税率を上げて税収の増えた例はわずか、ほとんどの場倍、税金が増えると消費がそれだけ減ってしまうそうです。幸田さんも同じ意見、そして僕もまったく賛成です。増税はせずに国はここでデフレ脱却も含めてお金を使うべき、というのがお二人の意見一致です。しかしお金はただ使えばいいというのではありません。お金はよい使い方をすべき。それはどういうことかというと、国民の生産性を上げるようにお金を使うということ。技術開発やそのための人材育成にお金を使うべき。お二人のお話が佳境に入ったところで来週に続きます。
2011.06.11
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今週の幸田さんは元警視総監米村さんの後半です。危機管理についての話が続きましたが、頭に残ったのは、「自分は危機管理の専門家と言われるがそんなものではない。危機管理を行う場を経験してはきたが、決して成功と呼べるものはない。危機管理とはうまく行かないもの。でも責任を自覚してやるしかない。経験を積み重ねて、少しでも失敗を小さく、減らすようにしていくしかない」という言葉でした。これだけ謙虚な人がいる一方、あの首相はなんですか!缶首相は仲間である鳩山某を誤魔化し「ペテン師だ」と怒りを買う。そして結果的に仲間の民主党議員をだまくらかし、国民を愚弄する。今日の産経新聞で阿比留さんが「例える状況は違うのだが」と断りつつ、こんな人間は「死して屍拾うものなし」とかつての人気ドラマ「大江戸捜査網」の決め台詞を投げつけていましたが、まさに使命に殉じた隠密同心に失礼でしょう。今週の金曜日、宮崎さんがマット安川さんのラジオに出演したのを聴きました。中国の政治、経済情勢などを中心に縦横無尽に語ってくれたのが面白かったですね。宮崎さんのブログを読んでいるので、話としては初めてというものはありませんでしたが、中国は張りぼて国家と言う辺り、表通りには高層ビルが林立するが、一歩裏通りに入るとボロボロの建物、数千円で一か月を暮す人たちが殆どというところは実感がこもっていました。共産党は上から下まで、自分の役職で得られる利権を利用して利殖に励む、その結果、国家や同朋がどうなっても構わないという人間で一杯です。そこにはとても日本のような、譲り合い、助け合いの精神はありません。それなのに、日々日本のほうが衰えていくのはどうしてでしょう?自立しようという国家意思が発揮されていないから、としか言いようがありません。国民の希望は、普通の人々の連携、覚醒の中にしか残されていないと感じました。ではまた。
2011.06.04
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何週か飛ばしましたが、今週のゲストは元警視総監の米村さん。今年の1月にも登場されています。今回は危機管理の専門家として、まずオサマビンラディンの殺害について問われて答えます。これは継続する戦争行為の中で起こったことで殺害もやむなし。9.11当時は日本にもテロの危険はあった、と言われます。アメリカはオサマビンラディンの偶像化を防ぐために死体をイスラムではなじみのない水葬にしたり、アジトにはポルノがあったなどと情報リークしている。どこまで真実かはわからないが、極力、アサマビンラディンを矮小化する意図をもって情報を流しているのは確かであり、ある程度成功しているのも事実。あれ以後、大規模なテロはまだ起きていない。(米)後半は震災、津波から福島原発事故の対応について、名指しは避けながらも官邸など政府の中枢に対して厳しいことを言います。危機管理、情報管理が無茶苦茶で発表される情報がコロコロ変わりますから、非難は無理もないことです。米村さんの先輩である佐々淳行さんは危機管理という言葉を生み出した危機管理の第一人者。昭和50年代に書かれた「危機管理のノウハウ」は非常に面白くて参考になった、とも語りました。実は僕もこの文庫版をずっと以前に買って読んでおり、その面白さは同感です。しかし、現場は違う、と後輩は言います。危機管理ほど傍で見ているのと自分が当事者になることの落差が大きなものはない、とつぶやきます。きっとそうなのでしょうね。危機に当たっては最悪を想定して準備、対処しろと言うがなかなかそうはできない。また危機管理の第一条は「第一報は信じるな!」ともいうそうです。間違いようのないことですら、様々な情報が飛び交い、第一報がまるで事実と違っていた、ということはよくあったそうです。そこには、少しでも希望的なことを聴きたくなる、という人間の心理も入るから。そういう時は覚悟して決断するしかない。危機において、失敗が起こるのは当然、肝心なのは致命的な失敗を避け、失敗を修正しながら状況を修めていくか、これしかない。そしてそれには普段からの準備しかないのです。(米)現在の事態に関して「全力でやっている」とすぐ言いますが、全力でやるのは当たり前。「政府の決断、処置について後世の歴史が判断してくれると思う」とも言うが、これもいいわけ。日本人が本来持っていた美学に反する態度。どうしても言いたいなら、自分の日記にでもこっそり書いておくこと。言い訳したくなるのはわかるが、それではだめ。トップとはそんなものではない。厳しいけれど、当たり前のことを語って今週は終わりです。
2011.05.29
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国会ではまた缶首相が海水注入をやめろと言ったとか言わないとかで不毛のいい争いをやっています。でもユルユルの谷垣さんの追求ではどうしようもなし。彼らは中国と同じく、まったく自分の言動に責任を取らない、嘘を恥じない輩だから、いくら言っても認めないでしょう。それにしても、驚くのはこれら様々な会議の議事録を一切取っていないということです。我々の会社の普通の会議でも議事録を取るのは基本的なルール、ましてや国家の重要な会議で優秀な官僚たちがたくさん並んだ会議で誰も議事録を残さないなんて信じられません。きっとどこかにあると思います。実際、多くの人は携帯やポータブルボイスレコーダーで記録を残しているはずです。公式にではなくても秘かに。その人たちがボイスレコーダーの記録をネットに公開して、缶首相の罵声や脅しの声を公開すれば、一気に世に真実が伝わるのではないでしょうか。尖閣列島漁船衝突事件の真実が一色さんの勇気あるビデオ公開で明らかになったように、第二の一色正春氏が出さえすれば、日本は変わります。東北の被災者たちも救われます。出でよ、第二の一色正春!
2011.05.24
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今日のゲストは先週に続いてレブロン社長の浅見隆さんでした。先週も二人で「今回の震災で、日本の製造業の強さ、世界中の企業に対する部品供給での重要さなどを再認識させた」と語りますが、今後は日本もグローバル化していかなければならないという話になりました。今週は日本から海外に発信する情報力の弱さ、戦略性のなさから始まりました。幸田さんが「福島原発事故のレベルは7である、と突然発表したが、これによって観光客が減るなど、どれだけ国益が損なわれたのか」と嘆きます。浅見さんも「世界各国はそれぞれ国益をかけて外交、宣伝を行っており、国益をベースにしたコミュニケーションをしなければならない」と同意します。日本は国際発信力が徹底的に弱い、外国と国益をかけた議論、ディベートのできる政治家はいないのか、と嘆きが続きますが、そうですね。先日のG20でも「日本の経済復興をどうするか、みんなで協力しようというのがメイン議題だったのに、日本の財務大臣がポツンと一人座って誰とも話をしていない映像が流れたが信じられない」と浅見さん。中国は、いいか悪いかは別にして国際社会にはっきりしたメッセージを送る。日本以外の国はディベートの論法でコミュニケーションをしてくる。日本も事実に基づいた明快なコミュニケーションをすべき。日本の政治家にそれができないのは、本当のグローバルな世界を見ていないからではないか、とも言われます。(浅)ただ、ここは僕にはやや疑問で、毛沢東時代の中国などほとんど世界の国々と付き合いがない中でも国益を考えた、自己中心的な発信力を発揮できたのですから、必ずしも外の世界を見る必要はないと思います。要は国内外を問わず、コミュニケーションの仕方が違うのではないでしょうか。中国は国内でも自己主張しなければ埋没する(世界の国々も同じ)、日本は自己主張するのではなく、お互いが察し合いコミュニケーションをするという根本的な違いがあるのでは。さはさりながら、多数がそういう国であれば、日本も自己主張的コミュニケーションの得意な人間を訓練してある程度備えるしかないのかもしれません。単に国を開いただけでは無理だと思います。浅見さんもレブロン日本法人の社長として世界中のレブロントップと話をしますが、喧嘩をするように言い合わないと相手に伝わらない、現実にそうしている、と語ります。日本人は言葉が足りない、そこまで言ってはいけないと思っている。このマインドを大きく変えないと日本はどんどん衰退していく気がする、と心配します。普通景気の動向にあまり左右されない化粧品業界ですが、今回の震災とそれに続く自粛ムードの中で20%程度の業績ダウンを余儀なくされている、と浅見さん。でも女性が化粧をすると気分も変わる、全体も明るくなるんです。(幸)「外装整えば、内装自ずから整う」といいます。化粧をすることで気分も変わるのです。レブロン創始者の言葉として「我々はボトルに入っている夢を売っている」というのがありますが、まさにこれです。ボトルに入っているのはマニキュア液という物質ではなくて、きれいになるという夢であるということ。これが化粧品の力。(浅)化粧品やきれいな衣装はmustではなくてwantな商品。持つと心の安堵感、心地よさが出るのではないでしょうか。(浅)日本人は相手を思いやる気持ちが強すぎて、こんな時に自分だけ普通の生活はできない、と考えてかえって萎縮してしまいがち。でもそうなるとお金が回らず、どんどん経済も悪化してしまします。(幸)まさにこれはデフレスパイラルですね。「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せになるのだ」という言葉もあります。こういう時だからこそ、あえて笑うことが必要。(浅)被災していない人は普通の生活をして消費を支えることが必要。女性は本来、タフなんだからこういう場面で景気回復、気分回復の牽引役になってほしい。(幸)浅見さんはいつも明るく見えますが、困難や大変なことをどう乗り越えているのですか。(幸)第一にポジティブ・シンカーであること。「過去と他人は変えられない」と割り切って、未来を見て、自分を換え、状況を切り開いていくことです。そのために100%エネルギーは未来に向けていきます。(浅)リーダーの条件は楽観主義であること、ポジティブであること。下の人に希望を持たせることのできる人でないとだめなのです。(浅)ここで今週は終わりです。リーダーと言えば、また缶首相はやってくれました。浜岡原発を停止する!という唐突な発表です。これは新聞の書き方かもしれませんが、これを読むと浜岡原発も停めなくてはならないほどだめなのか、と暗い気持ちになります。確かに津波対策など必要だと思いますが、その場合「対策を早急に打つ」ということで強調すべきであって、「原発を止める」というメッセージを強める必要はないのです。まさに悲観的なリーダーです。民主党政権、缶首相は望ましいのリーダーの正反対、彼らはリーダー失格です。「私は国民のことを考えています」という人気取りを狙っただけ、と産経は書いていますが、これもまだ甘い。「日本の国民は何が大切か、今何をすべきかもう知っている。粛々と原発の安全策をすすめることであり、思いつきの原発停止では人気取りにはならない」と指摘すべきです。もし首相の唐突発言で支持率が上がるとすれば、日本人の堕落が想像以上に進んでいる証明でしかないでしょう。さてどうなりますか?ではまた来週。
2011.05.07
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昨日の幸田さんのゲストはサンデーモーニングコメンテーターのお仲間(だと思います。実はしばらく番組を見ていないので不確か)の岸井成格(しげただ)さんでした。・岸井成格さん;http://kishii.info/このたび(去年の6月でした)毎日新聞社の主筆になられたそうですが、このポストは新聞の紙面すべてに責任を持つ、非常にえらい立場のようです。テレビでの物腰、喋り方から現在フリーの評論家のような印象を持っていましたが、ずっと毎日新聞社社員で今は役員待遇のようです。今日の話題は岸井さんが理事長をしているNPO法人「森びとプロジェクト委員会」の活動についてでした。・「森びとプロジェクト委員会」:http://www.moribito.info/岸井さんのお話は「日本の森は今3つの危機を迎えている。1つめは針葉樹林の枯死、2つめは広葉樹林の枯死そして3つめが外国資本による、水源地森林の買い占めである」ということです。江戸時代から植林を進めるなど極めて先見性を持った政策を進めていた日本ですが、戦後、経済の効率性を優先するあまり、安い外材の導入を進めた結果、国内の林業が立ちいかなくなり、後継者不足もあり間伐などの手も入らず、その結果、針葉樹林が弱ってきているのです。本来、針葉樹林は間伐することで1本1本が成長できるのですが、現在はすべてが成長しきれぬまま、寿命を迎えていると言われます。たとえば、間伐材は割り箸にも有効活用できるなど工夫はいくらでもあるようです。個人的には、今回の大震災で破壊された家の復興には国内木材を使うと決めて材料費補助をだし、秋田杉など東北の森林を切り出せば、雇用の創出にもなるし跡地への植林によって山の再生もできると考えています。2つめは広葉樹林の枯死で、これがここ数年、ものすごい勢いで進んでいると語ります。これについて以前テレビでも見ましたが、ブナやナラがとくに激しくやられており、この結果、熊や鹿なども餌が不足して村里に出没するなど問題が広がっているそうです。原因は複合的なようですが、岸井さんの話では土中のリン濃度が上昇しているから、と言われます。以前見たテレビではナラに寄生する害虫、カシノナガキクイムシが原因と説明していました。これも里山などに人の手が入らなくなり、巡り巡って寄生虫の大繁殖につながっているようです。岸井さんも「日本人は戦後、土から離れてしまった、森に入らなくなってしまった。自然が豊か、当然いつまでもそのままあり続けるもの、と思っていたがそれではだめ。まず森に入ろう」と訴えます。3つめの問題は外国資本による森林の買収です。日本人は山や森などを売買の対象、利殖の対象と考えていないが、2050年問題と言われる人口100億人に達するとき、水、エネルギーなど資源の調達が不可欠となるのに対してまったく無警戒、一方外国は必死で資源囲い込みを図っており、日本の水も外国に奪われてしまう、と警告しています。ようやく地方自治体なども動き始めていますが、国内でしかも海岸線から離れた山中となればいざとなれば自己中な法律を作って勝手な真似はさせないなど、政府さえしっかりしていれば対応できるでしょう。(某国は立場が逆なら、まずそうするでしょう。だからこそ自国への投資はウェルカム)そのあと、岸井さんの経歴と環境問題とのかかわりなどに話が移りました。岸井さんは入社直後、熊本支局に配属となっていきなり水俣病を取材したのが強烈な印象、きっかけとなってこの方面に目覚めるきっかけになったそうです。40年前、これらの行政をつかさどる省庁ができることになって名前を決める際、まだ「環境」という言葉が一般的でなかったときにこの言葉を推して、環境省(当時は環境庁)の名付け親の一人になったと自負されていました。実はわが社も創立40周年を昨年迎えましたが、当時、水処理設備の設計、建設、運転管理を業務の中心に据えた会社として社長が社名を「環境エンジニアリング」に決めたということです。現在、環境関連の仕事をする「○○環境エンジニアリング」という名前の会社は日本国内にあまたあるも「環境エンジニアリング」という一般名詞を固有の社名として持つことができたのは、先達の先見の明のおかげです。(現在では、別の理由もあってわが社名にも○○がくっついています)直近、岸井さんたちは足尾鉱山跡のはげ山に植林するプロジェクトなども展開しており、日本での植林事業の第一人者、横浜国大の宮脇教授のお話なども出ました。宮脇さんは、新日鐵君津製鐵所が建設される際も鎮守の森構想をもって緑化計画の指導をされ、その成果として見事などんぐりの森が製鐵所を覆っています。・君津の町に森づくり;http://www.nsc.co.jp/kimitsu/eco/green.htmlまったく今日の話とは関係ありませんが、先ほど「花うさぎ」さんのブログで、今回の大震災に対して莫大な義捐金を送ってくれているにもかかわらず日本政府からの感謝広告が出されていない台湾に有志で感謝の広告を出そうという活動をしている女性のことを知りました。デザイナーをしている木坂さんが「日本人として何か台湾の人に対してお礼が言えないだろうか」とツイッターでつぶやいたことから始まり1週間少々で3000名以上、1000万円以上の寄付が集まり5月3日に台湾の主要2紙で感謝広告を掲載するそうです。・「謝謝台湾計画」http://blog.livedoor.jp/maiko_kissaka-xiexie_taiwan/archives/2011-04.html?p=2#20110422まだ間に合いそうなので僕も気持ちだけでも参加したいと思っています。それにしても、ネット、ツイッターの威力を改めて知った次第です。どうしようもない政府を補って余りある(本当に余りあるかどうか確信はまだありませんが)素晴らしい活動です。ではまた来週。
2011.04.24
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先週からの続きです。リスナーから、復興財源として日銀に国債を直接引き受けさせることの是非について質問があり、幸田さんが答えています。国債の日銀直接引き受けにより、政府はいくらでもお金が刷れるようになると財政規律が失われ、インフレが進行、モノの値段が何倍にもなるのでだめ、というのが回答です。現在、国債市場は安定しているので、そこで資金を調達すべき、マーケットのその信頼を失わせる日銀引き受けは反対とします。しかし、いかに安定しているとはいえ、国債市場だけで復興財源をすべて引き受けることはできないのではないでしょうか。国債の大量発行は幸田さんの心配する国債の暴落、金利の高騰に跳ね返り、日本政府を苦しめる懸念が大きくなります。さらに現在、国内でほとんど消費できている日本国債を海外の投資家にゆだねることにもなり、今後の日本の金融市場の不安定要因になることも間違いないでしょう。1000年に一度と言われる大災害からの復興対策に通常の市場原理の中だけで対応しようと考えるところにそもそも無理があるように思えてなりません。200兆円程度のお金を1回きりの緊急対策として発行し、それを使って、被災者の住宅建設、雇用対策からインフラ整備、大きな意味での災害対策である自衛隊の増強、とくに空母や揚陸艦の建造などに使うべきだと思います。もちろん、原発対策にも使います。国民に対しては「200兆円の復興資金を発行しますのでその分、しっかりみんなで働きましょう。しっかり働き、需要を満たす供給を行えば、インフレは発生しません」と宣言すれば、必ず日本中が覚醒し、東北は自力復興、その他の地域がそれを支えるという体制が整うのです。政府紙幣発行宣言が遅れれば遅れるほど、世界各国の理解を得られる可能性が減り、日本復興の最高の手法が失われるのです。この話の後に、これからの投資はどうなるか、という話題もでますが小さいこと。一応書きますと。今後は自分の投資が何の役に立つのか、日本の復興に役立つのか、という視点で考え始めるだろうと伊井さん。現在のマーケットの変動の中で火事場泥棒的に儲けている人もいるが、ちゃんとやっている人もたくさんいるので、信頼してほしいと幸田さんも語って終わりです。最後はどうもマーケットの擁護論でしょうか。よくわからず今週も終わりです。ではまた来週。
2011.04.17
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今朝のゲストはキャッシー中島さんでした。志の輔さんとは古い馴染みとのことで、和やか、和気あいあいと楽しい会話が続きました。特に愉快だったのはキャッシーさんが旦那勝野洋さんをつかまえた(まさにその通り)戦略?勝野さんの行きつけの店を調べてそこに行き、親しくなった後、いったん距離を置くも自分のことが勝野さんの口から出たら知らせて、とマスターに頼んでおいて、いざその時に大急ぎで出かける。酔っぱらった勝野さんを自分の部屋に連れて行き、そのまま過ごして、その夜のことをまるで覚えていない勝野さんに何かあったように思わせてその一週間後には結婚。マッサージと料理でしっかり愛夫をつかまえた、ということのようです。年をとっても肉、脂をとるほうが元気でいられる、ふっくらしていられる、というのはそうかもしれませんね。ガリガリで長生きするよりいいかも。今日の落語はめでたいものを、ということで四代目三遊亭円遊師匠の「松竹梅」でした。正直言って今一かな。志の輔ラジオはここまで。ついでですが。今日はネットで杉良太郎さんのボランティア活動の様子を本人の話を交えてやるのを見ましたが、本当に素晴らしいですね。(ここに貼り付けようとしたのですが、だめです。「我が家の食卓」ブログを参照ください)中国のレアアース危機でもベトナムに飛び込んでボランティア活動で信頼関係を結んでいるベトナム要人に掛け合い、日本向けレアアースを確保した!と森田実さん(政治評論家)が絶賛していましたが、この人のボランティアは筋金入り。国の内外を問わず、50年以上、投じた私財は30億円以上、というものすごいものでした。杉さんがこだわるのは、心のこもった食事、サービス、というわけで今回もカレー、豚汁などを手作りで5000食以上現場に持ち込んで喜ばれたとのこと。16年前の阪神大震災でもヘリコプターで物資を届け、いまだに当時の被災者たちの心に残る活動をされたそうです。どうしてここまで出来るんですか?の問いにもお互い様、とか自分にできることをやるだけ、と全くの自然体。その杉さんが声を大きくするのも政府の対応についてです。被災者のための仮設住宅なんてもったいない、やめちまえ。被災者たちには温泉か何かに移ってもらってその間に全員に本物の家を建ててあげろ、と言います。仮設はしょせん仮設、阪神大震災で終わり。本物の家を建てれば無駄になるんだからもったいない。家が建って初めて被災者たちも希望が持てるのです、という言葉にはこれまでの活動の重みがあります。僕も政府が前例にこだわらず、「被災者の家を全部立ててあげます。希望者は全部自衛隊隊員に採用して、自宅の片づけもすべて隊員としての活動として給料を払います」といえば一気に復興に向かうと言っていますが、思いは同じです。辻本なんかと比べ物にならない。大体彼女、今どこで何をしているのでしょうか。
2011.04.10
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先週まで原発関連の話が続き、さて今日は、と思っていたらコモンズ投信代表取締役社長の伊井哲朗さんでした。聞いたことのあるお名前でしたが記録にはありませんでしたが、この番組の常連のようです。・伊井哲朗 代表取締役社長 ・山一證券で営業企画部に約10年間在籍。マーケティング、商品戦略などを担当、その後、機関投資家向け債券セールス。メリルリンチ日本証券、三菱UFJメリルリンチPB証券にてミドルマーケット及びウェルスマネジメント業務を約10年間経験。2008年9月にコモンズ投信代表取締役社長に就任、現在に至る。お二人で震災が日本経済に与える影響、今後の復興の見通しなどについて語られました。いずれにしろ大きな打撃を受けるのはやむを得ないが、これによって製造業での日本離れが加速するという心配はないだろう、というのが伊井さんの見立てです。すでに海外に出せる部分は出てしまっていて、今国内に残るのは心臓部の部品なので容易に代替はできない。逆に重要な部品は日本製が多い、アイフォンも中国製といいながら半分くらい、特に中枢の部品は日本製であり、これが調達できないと作れないなど、改めて日本の製造業の強さを世界が認識している状態、と語ります。そして現場の責任者たちが自分自身被災しながらも、工場の復旧に努めており、予想以上の速さで生産を再開しようとしている、と讃えます。震災後の被災者たちの冷静、秩序だった対応も含め、自分たちの国が同じ災害をこうむっても日本のような対応はできない、というのが世界の共通認識です。現場はとにかくしっかりしている、でも上が、というのが日本です。結局は上がだらしなくても何とかしてしまうので、いつまでたっても上はよくならない、というところでしょう。為替についても震災直後、日本のマーケットがしまった後で仕掛けられたという面もあって急騰したが、日本の非常事態に先進国が協調介入して円安を容認したので一気に戻った、と伊井さん、普通なら円は売られるところだが、まだ日本は復活すると信じられているのだろうと幸田さん。株価は一気に下がった後、まただいぶ戻して来て落ち着く。そんな中で一番安定していたのが国債。震災後も通常通り入札をこなして日本国債の信頼は揺らぎもしなかったとも伝えてくれました。こんな中で震災復興の資金をつくるために復興国債を発行して日銀に引き取らせようというのは、せっかくの日本の財政規律、信頼を失いかねないので絶対にダメ、と幸田さんが力説します。でも僕の単純な疑問として、どうしてここまで平時の財政規律にこだわるのかな、と思います。いかに日本の国債の信頼が厚いとしても(ほんの少し前までは国債の暴落が心配、と言われていたのは横におくとして)数十兆円の復興国債が簡単に市場で消化されるとも思えませんし、第一これこそ暴落のきっかけになりかねません。それよりどうしても国家紙幣発行権を行使させるのがいやなら、復興国債として日銀が引き受け、永久に塩漬けするという案をとるのはこの1000年に一度の国家危機のなかでやむを得ないし、世界の了解も得やすいでしょう。もちろん、了解を得る必要は全くありませんが。ではまた来週の続きを楽しみに。
2011.04.09
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今日の志の輔ラジオ落語でデートのゲストは家族問題、夫婦問題などのアドバイスをしている東京家族ラボの代表池内ひろ美さんでした。池内ひろ美さんHP;http://www.ikeuchi.com/離婚経験者で「リストラ離婚」などという物騒な本を書いている、ということで最初はバリバリのウーマンリブ(古ッ!」の闘士かと思いましたが、実際はその逆。ジェンダーフリー教育の危機を叫び、夫婦仲がもっとうまく行くようにアドバイスしている女性と分かり、ほっとしました。なかなか面白い話もありましたが、詳細は省略。ただ、いまや「草食系男子」から「植物男子」になっているというのは衝撃です。日本人はこのまま人口減少で絶滅してしまうのでしょうか?そんな日本人の家庭、夫婦生活を正常に戻してくれるかもしれない?今日の落語は「短命」です。ほんのりエッチで思わず想像してニヤリとしてしまい、最後でプッと噴出すような艶笑落語の傑作?でしょう。さて、そんな日本人ですが、世界では改めて見直されているのではないでしょうか。震災被災者のみなさんの節度ある行動、互いがいたわり合い、困難を一緒に乗り越えていこうという姿は外国人に改めて日本人の素晴らしさを知らしめています。今回たまたま被災を免れた僕たちにも「いざと言うときは多分同じような態度がとれる、自分の周りの人々も東北の人と同様、日本人らしい行動がとれるだろう」という漠然とした自信?があるのではないでしょうか。こんなことを思って最近読んだ「東京に暮す」が頭に浮かびました。これはイギリス人婦人キャサリン・サンソムが1928年から1936年まで日本に滞在して接した日本人、そして日本の社会、風習などについて親愛の情を隠さずに書き綴った本です。そこに登場する日本は信じられないくらい今風、今とほとんど同じです。電化は既にイギリスより遥かに進んでいると彼女は断言します。「日本は東西世界の優れたところを併せ持つ強力な国です。きわめて保守的な人が望むようなあらゆる保守主義を持つ一方で、西洋のもので必要だと思うものは何でも採り入れています。しかしなんといっても日本人の最大の特徴は、自然と交わり、自然を芸術的に味わうことです。……」日本の若い娘は社会の中でとても華やかな存在であり、おばさんたちは大阪のおばちゃんのごとく恐れ知らずに行動し、家庭を取り仕切っています。職人たちは自分の技に絶対の自信を持ち、その点では誰にも譲らず、驚くべき手腕を示します。日本ではどんな安物の製品にも作り手の芸術性が表れているとも述べ、西洋の大量生産品とはまるで違うとも紹介します。「日本では産業主義の発達によって商品の質が低下したということはなく、鉛筆、ノート……包装紙や紐といったささいなものにもちゃんと作り手の個性が現れています。一般大衆の趣味がいいから、センスのよい商品が求められ、生産されるのです」ここに登場する昭和初期、これまで日本では軍国主義の暗い時代と一括りにされていた社会はそうした観念とは全く違う、まさに現代の我々の直系のご先祖さまがイキイキと過ごしていた社会です。長くなりましたが、最後に一節だけいかにも日本人だなあ、と感じさせる出来事を記して終わります。以前、ある日本人の紳士が私に「どんな宝物をお持ちですか。ご主人様は日本に長く住んでいらっしゃるから、美しい屏風を始め、いろいろな美術品を収集されたでしょう」と尋ねたことがありました。私は主人が収集したもののほとんどが、1923年の大震災で焼けてしまったとこぼしました。私があれも、これも、それも……と嘆くのを、紳士は同情しながら聞いてくれました。続いて私が「そのときは東京にいらっしゃいましたか、失われたものはありませんか」と尋ねました。紳士は微笑を浮かべながら「妻子をなくしました」と答えました。私は愕然とし、紳士を慰めようとしましたが、彼のほうは、私たちが楽しい話をしているかのように微笑み続けていました。実際、紳士は悲しみに浸っているわけにはいかず、思いもかけぬ不幸を知って動揺した外国人女性の気持ちを何とか鎮めなくてはならなかったのです。私たちはそんな国民です。
2011.03.20
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先週は地震直後の特別番組で飛んだのでしょう、今朝は高田創(たかたはじめ)さんの後半でした。とくにいきさつの説明もなく始まりましたが、やはりこれは今の状況を反映した議論ではありませんね。対談は先週の継続で国債の残高が大きいことは問題、現在は国内でほとんど消費されているので金利も上がらないが、今後、国内資産も限られ、海外からの調達比率も増えるでしょう、と続きます。かつて日露戦争時には高橋是清が外債の募集で世界を回り、そのときに得た資金で勝利しました。このときに借りたお金もコツコツと返し続けて完済したのはずっと後と読んだことがあります。日本は海外から借りたお金をデフォルトしたことがない、というのも日本国債への信頼が続く理由でしょう。さらに過去に日本の国債を買った外国人は、金利は安いながらも一貫した円高で儲けている、とも語っていました。しかし、このままではいけない。やはり、財政規律をきちんとすべき、財政再建への道筋を示す必要があると続けました。これは幸田さんも同じ意見。でもこれらは東北・関東大震災以前の話。大震災で全ては変わりました。この国難とも言うべき大災害で災害復興のためにすでに日銀が引き受ける前提で震災国債10兆円の発行も検討されているのです。個人的には日銀で引き受けると言っても借金は借金、それより国家紙幣発行でまかない、個人補償をすべきと言う考えは先週も書いた通り。これが国難を日本復興の機会に変える唯一の方策だと思います。缶内閣には決断する能力も気力もやる気もないでしょうが。もう一つ。谷垣さんが缶内閣から提案された副総理、災害復興担当としての内閣への参加の打診を断ったそうですね。沈没寸前のぼろ舟に乗り込んで道ずれになるのは最悪の選択、普通の政治家としては当然の選択でしょう。でも誰か真の力量ある政治家であれば、政策には一切賛成しない、ただ震災復興それだけのために主導権をとると宣言して全部の権力を握り、どんどん仕事をしていくこともできるのですが。谷垣さんにできる最良の選択は、自分ではなくて佐藤正久参議院議員(もとイラク派遣自衛隊隊長)を復興担当として入閣させることではないでしょうか。ただし条件として、現在出動している自衛隊員10万人の指揮権をくれるなら、と言うのです。佐藤さんはイラクでの復興支援の経験もありますし、第一、自衛隊との意思疎通も抜群によくなるでしょう。北沢なにがしではダメです。そして見事に復興を成功させる、そのあと10万人を指揮してクーデターを起こして民主党を追い出す、というのはどうですか。ちょっと冗談が過ぎるかも。とにかく自民党は復活への劇薬を飲み損ねたのかもしれません。
2011.03.19
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東北・関東大地震の報道番組を見ながら、自分のパフォーマンスだけの缶首相に怒り心頭。これでは被災者の皆さんが可哀想、ということで、缶内閣の最善の対応を考えました。缶首相は国民、諸外国に対して以下の宣言をして実行するのがベストだと思います。まずこの内閣を1年間限定の震災復興内閣と宣言する。つまり缶は来年の3月12日、震災から1年目の日に辞任すると表明。そしてそれまでの間、全力で被害者の救済と復興に専念する。(つまりそれ以外の改悪法案は一切進めない)復興には資金が欠かせないが、重要なのは絶対に増税すべきではないということ。直ちに丹羽春喜教授を招聘し、国家紙幣発行の具体的検討に入る。そして世界各国に向かって、この国難に対して日本は国家紙幣を発行し、復興に入ると宣言する。断じて許可を求めるという態度はだめ。今であれば、各国も日本の自力復興の方針を認めてくれる可能性がある。こうして調達した資金はまず個人の家屋の復旧について2000万円を限度に全被災世帯に支給する。10万戸として2兆円。被災者のうち動けるものは希望者全員男女、年齢を問わず自衛隊隊員として採用し、復旧作業に従事させる。もちろん、不明家族の捜索、自宅の清掃、避難所での自活も全て復興業務とする。(自分で生活してくれるだけで十分な貢献)これに30万人が応じるとして給与300万円/人年(夫婦で応募すれば600万円/年となり暮らせる)としておよそ1兆円。合わせて3兆円だが、これに同額のインフラ整備費を加えても6兆円あれば足りる。つまり、国家紙幣の発行は10兆円あれば足りる。現在の日本のデフレギャップは少なくとも10兆円以上、丹羽教授の試算では百兆円のオーダーであるとのことなのでインフレは起きない。これにより財源が確保され、将来の不安が減った被災民たちは給料をもらいながら自力再生ができるので、それ以外の国民、自衛隊などへの負担が大幅に減り、インフラ整備にまい進できる。東北地方の産業は設備面、人員面のパワー低下により大幅に生産量低下を起こすが、これは残りの地域で増員、増産で対応する。失業率は劇的に低下する。繰り返すが、きわめて大きなデフレギャップがあるのでインフレが起こる可能性は少ない。これにより若干円安になるかもしれないが、それも望むところ。日本の経済はより強く再生し、必ず世界にも貢献できる。また、過去の対応との不公平についても「今は問わないでほしい。復興したあとで何かを考えたいが、いつの時代にも不公平はある。阪神・淡路大震災の被災民たちが不幸だったのは、そのとき、缶内閣でなかったことだ」と胸を張る。この最善の案の最悪なところは、これを実行できれば、缶内閣の評価が高まり、最悪内閣の継続があるかもしれないということ。しかし残念ながら、この究極の回復策は実行されないだろう。なぜなら缶内閣の第一の目的は日本という国家の弱体化なのだから。
2011.03.14
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今週のゲストはアキバ系女王と呼ばれる桃井はるこさん、もちろん今日まで名前は知りませんでした。アニメ系の歌のシンガーソングライターとしてご活躍、とのことです。最初、志の輔師匠がものすごい歳の差、といいましたのでどんな子だろう?と思っていたら本人が「こんな格好をしていますけど33歳です」と発言してアレッという感じ。確かに声も相当若い、いわゆるアニメ声、という感じでしたから。彼女がアキバ系の女王と呼ばれるのは、当時、まだ電器の町として有名だった秋葉原の路上で初めて歌ったからだそうで、渋谷、原宿には既に先客がいたので、新しい場所を開拓したかった、からのようです。もう10年以上前のお話。そして今の秋葉原はアキバ系と呼ばれる若者たちの聖地。まさに彼女は先駆者ということですね。しかしその秋葉原でも、かつてはミニライブなどで賑わった石丸電気のCDショップが閉店になるなど、世の移り変わりは激しいようです。ネット配信のせいでCDが売れないからでしょう。今や彼女の活躍の場は日本の枠を飛び越えて海外までも広がっているそうです。最近ではメキシコに行って、そこで日本アニメファン数千人のイベントで歌ったそうです。その熱気は日本人には想像もつかない、彼らは日本語でアニメを見て、アニメソングを覚えている、だから桃井さんにも日本語で歌ってもらいたがり、それに合唱するそうです。海外でのアキバ系、ロリータ系、アニメなどの人気は驚くほど、世界中に熱烈な日本ファンがいて、彼らの夢は日本に来ること、そして秋葉原、渋谷でショッピングをすること。そんな日本への片思い的な愛情に日本人はまるで気づいていないといいます。これらの状況は櫻井孝昌さんの一連の著作「ガラパゴス化のススメ」「日本はアニメで再興する」「アニメ文化外交」「世界カワイイ革命」などで知りました。櫻井さん曰く、世界にこれだけ日本を求める若者たち、マーケットがあるのにこれに応じないのは巨大なビジネスチャンスを逃している、自動車や家電にいつまでもこだわるのではなくて、他国に追従できない日本文化をもとにしたビジネスに注力すべきだ、と熱く語ります。ついでと言っては何ですが、櫻井さんの著作を読んでいて、中にあったロリータ系の少女を主人公にした映画と原作小説「下妻物語」を知って読んでみました。これが漫画チックというか漫画そのものの展開ながら結構面白くて楽しめました。そんな背景があったので今日の桃井さんの話は実によくわかりました。桃井さんの公式サイトを見るとまさにそれ以上の活躍ですね。・ 桃井はるこさん公式サイト;http://rg-music.com/momoi/今週の落語は六代目三遊亭円生師匠の「やかん」でした。前も書いたことがありますが、僕は円生を生で見ています。感動するほどうまい人とは思えませんでしたが、今では昭和の名人です。「やかん」は横丁の先生がものの言われについて知ったかぶりをして次々珍説を唱えるというもの。「嫁入り」は何で「よめ」というのか。「新郎に目が二つ、新婦に目が二つ、二人合わせて四つの目でよめ」という知ったかぶり。「かかあ」も「家」と「家」がくっついて「かか」で長くいて欲しいから延ばして「かかー」など。あとはこれらの繰り返しで17分もたせますから、すごいといえばすごい。最後はやかんのいわれを聞かれて「戦国時代、不意打ちを食らった武者が兜の代わりにやかん(当時は水差し)をかぶって戦場に出たら、そこに矢が当たってカーンとなる。これでやかん、という毎度のお笑いです。桃井さんも素直に感心していますが、彼女らしく「おたく」のいわれを紹介してくれます。ゲームの新発売を並んで待っている間に隣の人と会話を始めるとき、失礼でなく、親し過ぎもせず、そこそこの呼び名として「おたく」が始まったとのこと。僕も聞いたことがありました。ではまた来週。
2011.03.07
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今週のゲストはみずほ証券投資戦略部長チーフストラテジストの高田創(たかたはじめ)さんです。お二人とも専門が同じということで、国債の話で盛り上がりました。・高田創;みずほ証券投資戦略部長チーフストラテジスト(日本証券アナリスト協会検定会員)。1982年東京大学経済学部卒。1986年オックスフォード大学開発経済学修士課程修了。 1982年日本興業銀行に入行し、日本興業銀行市場営業部、審査部、興銀証券投資戦略部を経て、2000年より現職。 <主な著書>『国債暴落』(共著、中央公論新社)、『日本のプライベート・エクイティ』(共著、日本経済新聞社)など。直近では「世界国債暴落 日本化現象」を発行。つい最近、S&P社、ムーディーズなど海外格付け機関が日本の国債の格付けを引き下げました。そのわりには日本の国債は下がらない。マーケットは冷静ですよね。(幸)これをどう考えるのか。海外が警鐘を鳴らしたことで、日本政府も財政規律を正すだろう、財政再建に舵を切るだろうと期待してのことでしょう。(高)そういうタイミングで首相の「疎い」発言には驚きました。日本の政治家は経済に詳しくないところをクリーンさのアピールになると自慢する傾向がありますが、これではダメじゃないですか。しかし(日本ではもともと政治に期待していないのか)マーケットも反応が鈍いですね。(幸)国債の調達力は国力そのもの。金利に影響がなかったのはなぜか、というと昨年の段階からS&P社もずっと言っていたので、折込済みというところもあったのでは。難しいのは、今回の問題は日本だけではないということ。10年前は「日本国債暴落論」を言ったが、現在は世界中の問題になっているのです。それが国債の日本化現象と言うこと。日本の国債だけの問題ではなくなっています。だからこのままどこまでも格付けが下がるかというとそうともいえない。日本の国債の格付けを下げるとほかの国の国債も格付けを下げざるをえなくなるので、難しいのです。(高)資金調達力という意味ではアメリカのほうが問題ですよね。お札を刷って国債を売りまくっています。一時期は日本や中国がたくさん保有していましたが、現在、最大の保有者はFRB、中央銀行になっています。タコが自分の足を食べているようなもの。(幸)世界には二大「狼がきた」発言というのがありますが、「アメリカのドル」と「日本国債」の暴落です。「暴落するぞ」といわれ続けていながらここまで何とかきたのです。(高)ところが、自民党も暴落を想定して対策を考えるようなことをし始めています。「Xデイプロジェクト」などと言っていますが、現状には自民党にも責任があるはずなのに、何とか暴落を防ぐ、そのために財政規律を正すという気持ちが見えません。(幸)ここで中間です。これまで何とかやってきましたが、突然、国債が暴落したら金利は急騰するし、ずっと低金利でやってきた企業も銀行も慣れていないのでうまく対応できないだろうというのが心配です。(幸)メガバンクの資産が大きく目減りするということになり、日本の金融機関の損害も大きいですよね。ただ、暴落の議論をあまり軽はずみに言ってはいけないと思います。同じような危機を抱えながらもこれまで何とかやってきました。これがある種の国力というものです。(高)日本の場合、莫大な対外資産を持ち、外貨準備も持っていますからね。(幸)金融機関も売りたくても売れない状況の中で、どういう風にしてリスクを管理していくのか。Xデイに備えておくのか、それしかありません。それより、政治として財政の規律をどうもっていくか、が大事です。(高)ヨーロッパ、アメリカ、日本では国債に対する感覚が違うように思えます。ヨーロッパではかなり厳しく財政再建にシフトした政治に向かっており、日本とアメリカはまだそこまでいっていません。(幸)基本的に、日本の場合は国際収支がプラスだからでしょうね。(高)今は国債のほとんどは国内で消化されており、資金を国内で借りている段階。でもあまり先行きが不安になるとお金は外に出て行くようになります。これがつまりキャピタルフライトという問題です。(幸)それが起こっていますが、増えすぎると問題です。でも外に出て行ってもこれまではずっと円高できているのでうまくいっていない、為替差損がでているという状況です。(高)でもこれからはどうなるか分からないのでは。だからこそ、政治家も金融に疎いとはいえないし、財政規律を守ると表明して、キャピタルフライトを防がねばならないのです。高田さんは前回の仕分けも参加されましたよね。政治家の本音はどうなんですか。(幸)実は前回は、仕分けによって削減した金額より、仕分けの姿勢を見せたおかげで金利が下がって、国債の調達コストが下がった効果のほうが大きかったのです。だから一応、私の参加した仕分けは効果があったと思っています。(高)姿勢を示すことが重要なんですよね。出て行くものをいかに削減するか、さらにいかに需要を喚起するか。日本は財政再建に取り組むという姿勢を示すことです。これが大事と語って今週は終わりです。来週も高田さんの話が続きます。ではまた来週。
2011.03.06
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今週も引き続き、三好徹さんでした。それにしても本当に80歳とは思えないお声と声量、次々と出てくるお話はさすがの幸田さんも口を挟むのに苦労するほど豊かです。内容は前半、海外取材時の様様なトラブルの話でした。中東、アフリカの取材での恐怖、本物の銃を持った警備兵に問い詰められたり、立ち寄ったイギリスでは今度は持っていたPLOのビラから過激派と疑られて入国を拒否されそうになった、など本当に修羅場をくぐっていますよね。日本の大使館に自分がどういう人間か聞いてくれ、と弁明し、イギリスの入国係官が確認しても三好さんを知らなかった、というところはなぜかな、と思ったらどうやら電話に出たのはイギリス現地で雇われた人間だった、ということで日本人の三好さんを知るはずはありません。でもそんないい加減な応対で人の運命が決まったかもしれないとなると怖いですね。小説に書く場合、内容はフィクションだが、背景は真実を書かないと物語にリアリティがでない、と言われますがその通りでしょうね。後半は一転してゴルフの話。三好さんは囲碁も相当に強いということでしたが、ゴルフも若い頃はかなりの腕前だった様子。かつては文壇ゴルフというのが盛んで、各新聞社、出版会社が競ってゴルフ大会を催していたようです。「作家の皆さんは坐業なので、運動不足になりますから」というのが理由のようですが、バブリーなあの頃、自分たちも作家をだしにゴルフを楽しんだのでしょう。三好さんは伝説の名プレーヤー、ジーン・サラゼンともゴルフをして勝ったことがある、と言われていました。まさにそれ自体が伝説ですよね。そんな話で楽しく終わりました。僕もちょっぴりゴルフを復活したい気分になりました。では今週は簡単ですが、また。
2011.02.26
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今週のゲストは女優のもたいまさこさんでした。結構インパクトのある名前で、聞いたことはありましたが、顔や代表作などは思い浮かばず、です。この「もたいまさこ」という変わった名前は、実は本名で「缶尊(もたい)真佐子」だそうです。(本当は缶と尊がくっついて一つの字なのですが、それが表せませんでした)所属していた劇団では芸名をつける、という雰囲気はなく、本名でいましたが、なかなか読めない名前なのでひらがなにされたようです。もたいさんは小林聡美さんなどと仲がいいようで、本人は無趣味ながら小林さんに連れ出されて、落語も聴いたことがあるそうです。今日の落語は三代目桂文朝師匠の肥瓶(こえがめ)でした。肥瓶とは昔のトイレ、いわゆるボットン便所でトイレの床下に埋めてそこに大小を溜めていたものです。落語では、仲間の新築祝いに持参するものを買いに古道具屋に寄った男たちが、お金をほとんど持たないため、買えたのは建替えの家の床下から掘り出した肥瓶だけ。それを水瓶と称して新居の台所に持ち込み、ばれないように水を張ってしまいます。そして早々に引き上げるつもりだったのが、兄貴に酒を呼ばれついつい座り込みます。そして酒の肴として出てきた冷奴などを頂きますが、これらはいずれも男たちが持ってきた肥瓶の水で冷やしたもので自業自得の苦行。最後はご飯をご馳走になりますが、そのご飯も肥瓶の水で炊いたもの、ということでジ・エンド。このあとには大変な人間関係の修羅場がやってきそうですが、そこは落語ではやりません。それにしても、こんなひどいことをする友人関係って一体何なのでしょうか?肥瓶なんていう言葉から、子供の頃、我が家もボットン便所だったし、近所の畠のあちこちにも肥溜めがあって、遊んでいて落っこちてしまった仲間が何人もいたことなどを思い出しました。また肥塚などという苗字の子もいましたが、誰もそれで冷やかすという風でもなく、まだ肥の存在が身近な時代だったのだと思います。水洗便所の普及した今の子供には信じられないことでしょう。さらにもたいさんは「Always 三丁目の夕日」の第三弾「Always 三丁目の夕日‘64」に出演される、ということで作品の紹介もありました。今度の作品は3Dで撮っているということですが、もたいさんは「なぜ3Dなのかわからない」と呟きます。・「Always 三丁目の夕日‘64」;http://www.always3.jp/肥瓶の話に1964年(昭和39年)などが出て、頭の中はすっかり昭和モード。冷蔵庫に入れる氷を売りに来るおじさんを覚えているし、七輪で魚を焼いた記憶もあります。近所の小川で母親が弟のオムツを洗うについて行った覚えもあるのです。その川ではウナギやドンコを獲っていました。あれから30年近くが過ぎましたが、本当にあっという間、でも何てたくさんのものが変わってしまったのでしょうか。二度と帰らぬあの時代。全てを経験している僕らの世代はある意味では今の子達よりずっと幸せではないかと思います。
2011.02.21
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今週のゲストは作家の三好徹さん。お名前は聞いたことがありますが、作品を読んだことはありませんでした。読売新聞の記者を経て作家になったということですが、驚いたのは三好さんの年齢、読売新聞では渡邉恒夫、なんとあのナベツネさんと同期と仰られました。正確に言うと1931年生まれ、ということで今年80歳になられます。・三好徹;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%A5%BD%E5%BE%B9しかしラジオでお声を聴く限り、50歳から60歳代としか思えません。記憶もしっかりしており、言語明瞭意味明快でとても80歳ではありませんね。三好さんはもともと社会部か外交関係をやりたかったようで、地方修業の後、本社に戻ってさあ、これからというときにまた地方、水戸支局に飛ばされてしまったそうです。番組では言われませんでしたが、ネットで調べるとこの水戸支局行きは、本社で上司と喧嘩したから、とありました。ナベツネさんはどうしても本社に残りたい、と頑張って関連の読売ウィークリーに回ったそうですが、ここで過激派とのインタビューをものにして名を上げ、現在に至る、ということのようです。入社試験で三好さん主席、渡邉さん次席、ということでお二人とも優秀、世が世なら三好さんも読売新聞の大物になったのかもしれませんけれども支局回りが続いたこと、本人の興味も変わってきたこともあって、次第に物書きに流れて行ったようですが、新聞記者と小説家の二束のわらじは嫉妬を受ける、ということで大変だったとか。でも記者の先輩で芥川賞を取った菊村到などからもアドバイスを受けながら文筆活動を続け、のちに作家になったそうです。ですから、幸田さんの二束のわらじ(作家活動とテレビ、ラジオの両立)を最初から支持してくれたそうです。後半は三好さんの代表作「チェ・ゲバラ伝」の話題になります。チェ・ゲバラとカストロの友情の話、貧富の差、階級差などのある社会で比較的上流階級に生まれた者が、差別をなくすために戦うということへの共感などを語られます。その流れの中で、ある会議のなかでリビアの独裁者カダフィ大佐に会った話をされます。わずかのボディガードとともに静かに会議に参加され、回りもことさら意識せず、カダフィも大物ぶらない、と褒めていたような気がしますが、これはどうでしょうか?これこそが独裁者の演出のような気がします。とにかく僕は三好さんのお年を感じさせない声に感心して、自分もあの年になったら斯くありたい、と感じ入ったひとときでした。一日遅れで幸田真音さんの番組をフォローしました。という音で、「志の輔ラジオ落語でデート」はまた明日。
2011.02.20
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今週のゲストはシャンソン歌手のクミコさん、初めて聞く名前でしたが(これが多すぎますね)昨年の紅白歌合戦に「INORI~祈り」で出演されていたそうです。実はわが娘も紅白に出演していました、と言ってもバックコーラスとして、でしたが。・クミコさん;http://www.puerta-ds.com/kumiko/profile/index.html最初の話題はこの紅白の舞台裏、前日まで初出演の連絡は入らず、本当に驚いたそうです。秘密厳守なのですね。紅白は昔であれば歌手の一世一代の晴れ舞台、でも出演後、全てが変わる、誰も彼もから声をかけられる、というほどの変化はなかったそうです。それでも紅白出場歌手、としての自覚、みたいなものが生まれてきたとか。やはり何かあります。紅白はリハーサルが大変、と思われているようだが、歌手自身のリハーサルはそれほどではなく、全体をうまく進行させることにスタッフは全ての精力を注ぎ込むようです。だからその流れに歌手は乗っからないといけない、極端を言えば、歌手が一人歌わなくても番組は進んでいく、とそんな感じのようです。応援シーンなどでみんなと一緒に出て行くときも番組の進行を妨げることのないよう、30分くらい前から袖で待っていた、とかで離れている楽屋との往復も含めてとても大変だったそうです。それ以外にも番組が終わっても語れないような秘密?守秘義務もあるようで、本当に大変ですね。でもこれだけの苦労をしても、紅白に出場した、ということでこれまでお世話になった方々、松本隆さんやえいさん(永六輔さんのことだと想像しますが)にもいっぺんで恩返しができた、ということで紅白歌合戦の偉大さを思い知る、と語ります。志の輔師匠は、落語にはそのような大きなイベントはないなあ、と一言。今日の落語はお酒好き?のクミコさんにうってつけ、と五代目古今亭志ん生師匠の「親子酒」を紹介します。僕も久しぶりの志ん生師匠に思わずにんまり。噺の筋はどうということもないもの。息子の深酒、悪酔いを叱って酒を断たせた親父さん、自分も酒を断ちますが、まあ1杯くらいいいだろうと女房にねだり、1杯が2杯、2杯が3杯となってすっかり酔ってしまいます。そこに息子が帰ってきますが、息子も実は出入り先の旦那に強いられて飲んでいる様子。父親に酔っ払いにはこの家はやらん、と怒られた息子が、ぐるぐる回るような家なんていらない!と言い返してオチです。これだけの話ですが、どうして志ん生が演じると面白いのか、その場面が眼に浮かぶのでしょうか?志ん生が演じているのは、酔っ払いの親父ではなくて、酔っ払っている志ん生自身、つまり自分で自分を語っている、そんな気がします。いつでもどこでも志ん生の演じるのは、様様な場面に遭遇しておかしなことを言ったり喋ったりしている志ん生自身、なのではないでしょうか。クミコさん、これまで僕が聴いた中では一番の落語通のようで、同じように志ん生の面白さについて志の輔師匠と語り合います。そして何か、どこか1本突き抜けた面白さ、ということで同意します。クミコさんも老化防止に落語を覚えて喋ってみたい、と言って今日はお終いです。ではまた来週。
2011.02.13
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今週のゲストは先週に続き、読売巨人軍球団代表の清武さんです。清武さんは社会部の記者から球団代表になりましたが、社会部出身ならでは、というものはありますか?社会部とは人間観察部的な感じがあって、人との付き合いしかないところ。選手と接したり、話をしたり、叱ったりするのが楽しいので務まるのかもしれない。(清)それがこの「こんな言葉で叱られたい」という本にもなっているのだと思いますが、これだけは言ってはいけないという言葉はありますか。いろいろありますが、プロは一般的に言って言葉は丁寧です。新聞記者は叱る場合も二語か三語、バカとかあほうだけでしたが、プロはもともとアマチュア時代に徹底的に鍛えられているので、少々のことを言われても、殴られてもめげないですよ。(清)今の若者はきつい言葉には弱い、といわれるけど。プロに入ってくる人は東大以上の狭き門を潜り抜けてきた人たちなので、そのような人をさらに鍛え上げるには乱暴な言葉や殴るだけではダメ、そのために言葉があるのではないか、と思います。(清)昔は確かに相当殴られてもいました。原監督は学生時代、監督である父親貢さんに頭の形が変わるくらい、ノックバットが折れるくらい殴られていたそうです。別の選手の親も、練習を見に来て、息子はまだ殴られているから見込みがあるのだ、と納得して帰ったそうです。でもこれは昔の話。今は殴れないから、代わりに言葉の鉄拳を使うのです。監督やコーチは常に考えて、言葉を選んで、叱っています。(清)野球界に入って驚いたことは選手がよく泣くこと。いい大人が実によく泣くのです。たいていの選手、そして監督の泣くのさえ見ています。監督は喜怒哀楽をはっきり出すタイプなので特に感動したときに泣きますが、選手が泣くのは、監督やコーチから真っ直ぐな言葉で叱られたときですね。(清)それは嬉しいからでしょう。一番のポイントを愛情、リスペクトを持って叱ってくれるから。講演に行って時々、私は叱られたことがないのです、上司から素晴らしい言葉で叱られたことがありません、と言う人もいますが、上司はこれではダメ。叱られた言葉というのは長持ちする。なかなか忘れないのです。最近は褒めろというが、この風潮は好きではない。褒められたら次ももっと褒めて欲しいとなってくるだけ。(清)ここで中間です。ジャイアンツといえば常に優勝しないといけない、というプレッシャーもあるのでは?それほどのプレッシャーはありません。ただ、毎日勝敗を気にするような人生というのはあまりないと思います。試合中は手に汗握って、終わればまた翌日の試合のことを考えて、そんな風に日々が過ぎていくのです。(清)幸田さんは清武さんと初めて対談した頃のことを話します。あの時は肩に力みがあったように見えたが、今は楽しめているようです。大変なときに担当されて、3年連続の優勝をもたらす、改革も着実に進んでいるということなどで自信も出てきたのでしょうか。まだチャレンジをしている気持ち、過渡期だと思っています。ちょうど今、球場に夜間照明をつけていつでも試合ができるように準備していますが、こんなことばかり考えていて肩に力が入っている暇がなくなってきたのではないでしょうか。これまでやってきて分かってきたのは、思うとおりに生きるしかない、ということ。周りの言うことを気にせず、やりたいようにやるようになってきた、と思います。(清)ジャイアンツには常に紳士たれ、という言葉があると聞くが。それが大変なのです。常にネクタイをしなくてはいけないし、コンビニに行くときもジャージではいけない。正装していかないといけない。こちらから一方的にというのではなくて、お互いに「紳士たれ」と言い合いながらやっているところ。窮屈だなあ、と思いながらも制約を守りながらやるのがいいのではないでしょうか。育成選手(高卒)の場合、門限は21時半などさらに厳しいのです。(清)人は頑張ることはできるが、頑張り続けるのは難しい。だから仕組みを作れ、というのです。周りから刺激し続けて、頑張らせてあげることが必要。(清)今後の清武さんの夢は。3つ目のチーム(第2二軍)を完全なものにして、4つめ、5つめを作りたい。宮崎、仙台などに巨人のチームがさらにあってもいいじゃないですか。第2二軍、三軍を作って成果を出すには、試合をやらせてあげないとダメ。試合=チャンスなのです。だからこのチャンスを作ってあげないといけない。選手はそこでアピールできるし、自分で自分の力、成果を確認することもできる。彼らにチャンスを与えないと納得させられない。やれるだけやらせてチャンスを与えてやるのが我々の一番の仕事。(清)選手にとってもそれが一番嬉しいこと。それが球団の仕事なんですね。そろそろ時間です。その続きは清武さんの「こんな言葉で叱られたい」を読んでください。リスナーにもプレゼントします、という幸田さんの言葉で今週は終わりです。メールでもいい、ということなので早速申し込んでみたいと思います。あて先はmain@joqr.netだそうです。われも、と思われる方はぜひどうぞ。
2011.02.12
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今回のゲストは僕のあまり興味ない野球関係、巨人軍球団代表の清武英利さん、ということで軽く聞き流しました。もちろん清武さんの名前くらいは知っていましたが、読売新聞の社会部記者、編集委員などを務めて球団代表に就任、育成選手制度など様様な改革で巨人を立て直した人ということまでは知りませんでした。三連覇のあと、昨シーズンは惜しくも中日に敗れましたが、あと1勝していたら勝っていたのですよ、と清武さん。育成選手制度では多くの若手が育ちましたが、今は一軍、二軍に第二二軍というものを作って雪辱を期すそうです。第二二軍としたわけはあくまでも一軍を狙うモチベーションを維持して欲しい、三軍という名にすれば二軍を目指す、ということでレベルが下がってしまうことを心配しているようです。もう一つはとにかく試合をたくさん組んで選手にはつねに実戦を意識させることを考えている、と言われました。やはり練習と実戦、本番、試合ではまるで気持ちが違う、そうで、これは幸田さんも証券業界にいたとき、初めてディーリングに参加するとそれまでとまるで違った、やはり実戦が全て、儲けて何ぼの世界だった、と述懐しました。最初の取引で買った株が下がって呆然とする幸田さんに上司は一言「Have fan!」と言っただけだそうです。誰もがくぐらねばならぬ実戦の重みでしょうか。そういえば、今大騒ぎの大相撲、初場所をやめることになりましたが、力士たちは実戦の感を失うのではないか、と産経新聞に気にする記事が出ていました。スポーツ選手にとって、実戦とはそれほど大切なもののようです。清武さんは本も書いていて、「こんな言葉で叱られたい」はなかなかのベストセラーだそうです。「チャンスは準備をしている者にしか見えない」など、まあ当たり前ながら大事な人生の教えも一杯ありそうです。最近野球人気も落ちていますが、その盛り上げにももっともっと魅力ある選手が出てきて欲しい、ということですが、必ずしも大リーグに人材が引っ張られていくことも恐れません。その穴を生める選手をドンドン育成していけばいい、大リーグを経験して戻ってくる選手もいるし、日本のチームに骨をうずめるという一流選手もたくさんいる、と語り、そんな選手をもっと評価して欲しい、とも言います。こんなところで来週に続きます。続いて、今朝の志の輔ラジオの紹介です。志の輔ラジオ落語deデート「吉田真由子さん」今週のゲストは何でも鑑定団アシスタントの吉田真由子さんでした。と言っても僕もごくたまに、それも偶然TVをつけてやっていたら見る、程度の番組ですから、そのアシスタントさんのことなど知りませんでした。今、ネットで調べたら島田伸介から「日本で一番やる気のないアシスタント」と言われたこともある、とありましたが、なるほど。今日の番組でもなんとなく乗りが悪いと言うか、志の輔さんに話題を考えさせ、それに最低限の受け答えで済ます感じがあって、なんだ?と思っていましたから。落語も吉田真由子さんにちなんで骨董品を扱ったなにか、志ん生師匠の「火炎太鼓」などを期待しましたが、この季節ということで、八代目春風亭柳枝師匠の「節分」でした。大晦日の次の掛取りの時期がこの節分、ということのようで、何とか借金逃れをしようとする夫婦のおかしさを演じてくれました。それにしても、落語の登場人物たちは一体いつ、借金を払っているのでしょうね。実に不思議。
2011.02.06
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今週のゲストは先週に続いて商品取引の専門家、株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー代表取締役の新村直弘さんでした。先週も話されていましたが、先物取引のもつ悪いイメージは定着していて、幸田さんが紹介したのは、リーマンショックの頃、テレビで偉い先生(何とか評論家というものでしょうか)が「先物取引なんて全部やめてしまえ」と放言されたとか。これは先物取引の本来の目的、意義を知らずに表層的な価格の暴騰、暴落だけをみた思慮、知識のない発言、ということになります。世界で最初といわれる、大阪堂島の米相場も米本位制であった江戸時代、どのようにして米相場を安定させるか、から始まったと言われています。商品市場がなければ何を持って適正な価格と判断するか、ユーザーである製造業の皆さんに判断のしようがなくなる、と新村さんは言います。特に日本の製造業では血のにじむようなコスト削減が日々積み重ねられており、その中で原材料費が簡単に10%、20%変動するとしたら、先の事業計画は立てられない、それほど厳しい環境になるのだとも言われます。日本の企業は原材料費の変動をなかなか価格転嫁しない(幸田)、出来ない(新村)ということで両者は同意。だから「いつ買っていつ売るか」ではなくて「当初の予算をどうすれば達成できるか」それを手助けするのが我々の仕事であり、将来に存在する不確実性をより確実なものにしていく手助け、そのアドバイスを商品マーケットに特化して提供しているのが自分たちである、とは新村さんの自負。企業の調達コストのリスク低減をしているというのが新村さんの会社だ、ということですが、こういう会社は多いのですか?と幸田さん。実は日本では初めて、ヨーロッパに2、3社あると聞くがそれらも「いつ買うと安い、いつ買うと高い」ということだけで、経営のアドバイスまではしていないのです。そういう観点で言うと世界で初めてかもしれません。(新)企業としてどういうことがしたいのか、どういう夢があって企業活動をしているのか、それに対してこうすればそれが実現できる、ということを調達コストなのか、販売コストなのかなど幅広い形でアドバイスできるのが自分たちだと考えています。(新)それらを去年、独立して会社を作って始められたというわけですが、感触はいかがですか。(幸)こういうことにニーズを持った会社が多い、と分かってきました。銀行などとは違って、中立的な見方が出来るということで相談していただける企業も増えてきています。スタートするとき何が大変だったか、という問いに対して、新しいビジネスを始めるに当たって、日本には規制が多いということは承知のうえ、と答えます。日本のビジネスにおける資金調達など銀行の役割の重要さもわかるし、外資系の分かりやすい目標設定、単純明快であれ、という基本思想もわかっている。そこで我々はその中間の立ち位置を確保するためには独立するしかなかったということです。独立するとき、協力を申し出てもらうこともあったが、独立性を維持するために断らざるを得ない部分もあったそうです。ここで中間です。安定した職場にいた新村さんが独立するに当たっては家族のサポートが大きかった、特に妻が背中を押してくれたそうです。やりたいことがあり、それが意味あることならやればいい。失敗したらまた一から出直せばいい、と言ってくれたとのこと。(新)商品相場の情報で製造業をサポートすることに特化した会社はないということですからね。日本人は本当に頭がいい。人を感知して起動するエアコン、笑顔を感知して写真を撮るカメラを作るなんて世界の誰もできない、そこまでやっている日本人が相場にかく乱されているだけのはずはない。相場をうまくコントロールして相場に踊らされないようになればすごく強い国になると思うのです。(新)本当にすごいことになると思いますね。我々は単に相場の上昇、下落を追うだけでなく、それをどうやってコントロールするか、そこを企業の皆さんにアドバイスしたい。(新)番組を聴いてくれている人へのメッセージは。本当に汗水たらして出した利益が相場のひと吹きで消えてしまうのはつらい。その対応策をアドバスさせてもらいたい。解決の方法論はあるのです。このアドバイスをやらせて欲しい。(新)これまで1年間の成果は。成果は上がっているが、簡単ではないということもわかってきました。その自覚が増えてきたことが大きいと思います。(新)銅や大豆など特定の商品の専門家はいるが、商品相場全体を見て総合的な視点でのアドバイスは重要。今後の夢は。出来るかぎり多くの企業の役に立ちたい。日本の企業がみんな、こうした考えてやれるようになると日本はすごくよくなる。もっともっと楽しい国になる。自分の子供の世代、日本がよくなることが最大の夢です。(新)日本を元気にするように頑張って欲しい、と幸田さんが語って今週も終わりです。商品相場の仕組みや具体的なリスクヘッジの仕方についても聴きたかったのですが、そこまでは時間的にも無理かな。でも新村さんが日本を少しでもよくしたい、日本人にはそれが出来る、と信じて頑張っている姿には感動しました。成功を祈りたいと思います。ではまた来週。
2011.01.30
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今週のゲストは元アナウンサーでタレントの深澤里奈さん、現在は子供の頃から始めた茶道を生かしてヨガと茶道を合体させ、形式にこだわらずにお茶を楽しめる「Tea journey(ティージャーニー)」を主催する方でした。・深澤里奈さんHP;http://blogs.glam.jp/rinafukazawa/about/深澤さんは江戸千家という茶道の家元に直接、入門するという特殊な形で茶道を習っているそうで(普通の人は家元の弟子の弟子というような師匠さんに習う形)その分、茶道の形にがっちりはまるというより、わりと自由に茶道の本質に思いをめぐらせ、また家元に問いただせる立場のようですね。そこでヨガにも通じる呼吸法が茶道でも大事、ということを知り、それらを組み合わせ、椅子に座って洋服でお茶を楽しみながら心の中で日常を離れリラックスするような集まりを主宰しているそうです。深澤さんはさすがにアナウンサーだったからか、それとも茶道の師匠だからか、とにかくお喋りがきちっとしていて、志の輔師匠を手玉にとっているような印象を受けました。志の輔師匠が殊勝に思えたのは今回が初めてでした。茶道はここまで極めたら終わり、ということはなくて生活の中で茶道的な生き方ができるようになるのが目的でどこまでも修行、と仰っていました。また今回の落語は茶道がテーマの三代目三遊亭金馬師匠の「茶の湯」で、長屋の大家さんに茶の湯に呼ばれた店子たちが、作法を知らないことを恥じて引越ししてしまおう、とまで思いつめるお話です。江戸時代から、それほど茶の湯は上流階級の常識として一般人は崇め奉るような存在だったのかもしれません。3人の店子が恥をかくくらいなら引越ししてしまおう、とそろって考えてしまうおかしさ、不味いお茶菓子をみんな同じところに処分していた、という最後のオチに笑ってしまいました。簡単ですが、今日はこれで終わりです。ではまた来週。
2011.01.23
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今週のゲストはコモディティ商品取引の専門家、新村直弘さんです。東大工学部を卒業後、銀行、証券会社に勤務してデリバティブ商品の開発などを手がけたのち、2010年5月に独立、マーケット・リスク・アドバイザリー代表取締役として企業や個人にリスクマネジメントの提案をしている、と紹介されました。・株式会社マーケット・リスク・アドバイザリー;http://www.marketrisk.co.jp/expert/コモディティとは訳せば「日用品」、食料、金属、エネルギーなど日々の生活、経済活動に欠かせない商品をいい、その取引をコモディティ商品取引と言うようです;・http://commodity-fund.net/CommodityToha.html最近は金や原油の価格変動なども報道され、少しはなじみも出てきたかもしれませんが、まだ「小豆相場で失敗して財産をなくした」とか負のイメージが多く、十分に内容が知られているとは思えない、ということで商品相場とは何か、コモディティ教室といったものをやりたい、という幸田さんの言葉でスタートします。商品相場というのは大きくはエネルギー、金属、穀物の三つ。世界の重要な取引市場も三つで主にエネルギーを扱うニューヨーク、金属のロンドン、そして(理由は説明しませんでしたが)上海だそうです。繰り返しになりますが、商品相場といえば、価格変動率が高く、投機色が高いイメージ。でも実際は自動車メーカー、ビールメーカーも昔から使っているもので、日本の製造業は間接的には必ず関与しているといえます。それは後でも出ますが、相場の上昇で儲けようというより、変動リスクをヘッジして安定した製造活動を行えるようにしたい、ということからです。最近ようやく実態が知られるなど、個人の参入障壁が低くなってきたとも言えます。為替、株式などの一般の市場との違いは、それらと比べてマーケットが小さく、価格変動が大きいということ。また実物の供給量の増減でも変動することです。価格変動の激しいところに面白味もありますが、いかにリスクを減らすのか、が重要でここで新村さんの会社の出番となるようです。これらの動きは、サブプライムローンの破綻に始まる金融危機からペーパーマネーへの信頼が揺らぎ、その分、実物である商品、特に金など認識されてきたからでは。金の価格が上がったのは金の知名度が上がったから、という言い方を新村さんはしているそうです。結局、紙のお金が当てに出来なくなり、何かのときは金、と認識する人が多くなってきただ、と新村さん。同時に様様な手段で個人がこれらの商品を買いやすくなってきた、と新村さん。もともと新村さんはエネルギーが専門でしたが、今ではベースメタルである銅、アルミニウムの専門家とも思われているそうです。ベースメタルの価格が上がると電線、アルミ缶などの原料の値段が上昇、また電気自動車、携帯電話なども影響するそうです。一般の人がほとんど気づかないのは、メーカーが変動を商品価格に転嫁しないで済むようにリスクヘッジをしているからだ、とも語ります。もちろん、為替変動の影響も受け、直近の円高も大影響があります。もっとも円高で商品価格の高騰の影響を抑えている、というプラスの面が大きいので、円高は何でも悪いとは思わないで欲しい、といいたかったのではないか、と僕が勝手に忖度。先ほども言ったように商品相場はマーケット自体が小さいので、取引の80%を一つの業者が抑えるようなことも起こります。かつてロンドン市場で世界の銅取引の5%を一人で行って「ミスター5%」と呼ばれた商社マンがいたように。結局この人はどうなったのでしょうか?基本的には投資して差額で儲けるというより、急変動するときのリスクを押さえるため(ヘッジする)、相殺できるものに投資するということです。これについて、新村さんは「一般の人もリスクとそのヘッジを考えないといけない時代。円安に変わったらどうするか。ヘッジの観点から円を買う可能性もある。実際のところ、日本企業のヘッジ努力はすごい、そうです。これだけの円高を価格転嫁しないようにしているのは世界に類を見ない、と日本の会社を褒め称えます。将来の為替変動、商品市場の変化などで製造コストがどうなるか分からない中、どう対処するか。つまりはリスクの管理の問題として捉えてください、と続けてほとんど終わりです。何と言っても、世界で始めて商品先物相場をスタートしたのは大阪の堂島米市場、これはアメリカも認めてシカゴの穀物市場にそれが書かれているそうです。「商品先物取引」ときくとどうも嫌なイメージがあって、知り合いが一時期やったことがありますが、儲けているときに売って利益を確定しようとしても業者が絶対に売らせず、下がったときには追証を出さないとだめ、と言って金を払い込ませたのです。本当は取引などしていなかったのではないか、と疑っています。それはそれとして、僕も株、投信まではきましたが、ここらで勉強してみましょうかな、とも思いました。ではまた明日。
2011.01.22
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幸田真音さんのマインズルーム28(米村敏朗さん)今週のゲストは元警視総監の米村敏朗さんでした。先週聞き逃してしまいましたが、先週に続く2回目だそうです。今週は米村さんの経歴から話が進みましたが、警察官になったのは父親が警察官だったからで違和感なく決断することが出来た、というように語っています。自衛官の子供が自衛官になり、警察官の子供が警察官になる。だんだん身分が固定してきて、江戸時代のようになる、なんてアイデアも面白いかな。その後、ユーゴスラビア大使館勤務などを経て、小渕総理大臣時代には秘書官をされていたそうです。ここで小渕さんの有名な「ブッチホン」などの裏話を聞かせてくれました。ブッチホンには政治家としての計算もあっただろうが(と幸田さん)なかなかできることではなくて、相手の心を一気につかんでしまうものであったとか。小渕さんはユーモア、気配りもあった人で自分のことを「冷めたピザ」といわれてもそれをネタにするような人でした。最悪の支持率で出発しながら、様様な政策と人柄を武器に徐々に支持率を上げていたので、病で倒れられたのは本当に残念です。面白かったのは、小渕さんの作った川柳。自分の人気が徐々に上がってくるのを読んだ「小渕さん 人気が出てきて さあ大変」ですが、本当に愉快。後半は東京都の安全の話など。先日、見事に失敗した東京オリンピック招致活動では、東京の安全性を訴え、好感触は得ていたようですが、カタールの札束攻勢には勝てなかったようです。警視総監時代に犯罪の発生を防止するキャンペーンを行って東京都で30万件あった犯罪を20万件に減らした、というような話もありました。これは日本の治安が最もいい、と国民が考えていた昭和40年代の件数だそうです。もっとも、凶悪犯罪が増え、また検挙率も下がったので、国民の不安を解消するにはいたらなかったようですが。このまま志の輔師匠の番組を続けます。志の輔ラジオ落語deデート和希沙也さん今週のゲストは和希沙也(かずきさや)さんです。これまた初めて聞く名前ですが、番組の中でミスマガジン2002になった、とあり、これを書くために調べたら、同じ年に中川翔子さん、安田美佐子さんなどを押しのけてグランプリになっているんですね。その後の活躍ではこの二人に少し差をつけられているのかな(僕が知らないだけかもしれませんが)とも思いましたが、映像で見るとなかなかかわいい子です。と言っても声の調子は中川翔子さん似のアニメボイス(と書いてありました)ながら、1983年生まれの28歳(昭和58年生まれ、師匠から昭和ギリギリですか?と問われて、余裕で昭和です、と答えるところは面白い)そろそろアイドル生き残りの分かれ目、健闘を祈ります。足壺マッサージ、茶道、料理(和食)が得意ということで、可愛い姿とともに結婚相手探しに最強の武器を持っている、と志の輔師匠も太鼓判。和食は魚や筑前煮、ひじきの煮物、肉じゃがなど何でも作る、毎日作るということで本物でしょう。こういう人には幸せになってほしいものです。アイドル以外にも「占い×探偵」という児童向け推理小説を書いているそうで、なかなか多彩。ひょっとしたらこちらのほうで大成するかもしれませんね。今週の落語は五代目桂文枝師匠の「米揚げ笊(いかき)」という僕も初めて聴く噺でした。簡単に言うと、笊(いかき=ざる)を売るアルバイトを紹介された男が道を訊き訊き何とかその笊屋さんに行き、売り物の笊をもって堂島に出かける。堂島は米相場で有名で、験担ぎの商売人が多い。そこの主人は笊を売る男が「揚げる」とか「上がる、高い」などという言葉を使うと機嫌がよくなって、笊を買ってくれ、しかも小遣いを渡そうという。ところが最後に下がるというような言葉を使ったために小遣いがおじゃんになる、といったものです。・ 米揚げ笊(いかき)http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakugo24.htm最初はアホかと思ったこの男が、商家の主人の験担ぎを読んでいいことばかり言うので実は鋭い男かも、と聴いていましたが、最後でやはり全く知らずにそういう言葉を使っただけとわかります。男の言葉に喜んで小遣いをドンドン上げる主人の気持ちがおかしい話でした。相場を張るような人は験担ぎが多い、という今と変わらぬ情景です。ではまた来週。
2011.01.16
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昨日はうっかり幸田さんを録音し忘れ。実は今年の初めにMDウォークマンが壊れてしまい、急遽買ったのがデジタルウォークマンとでもいうのか、ミュージックプレイヤーです。ラジオから直接、録音するのですがタイマーがないので結構大変、ラジオ英語の録音も失敗続きで、そのバタバタから幸田さんを忘れてしまいました。今日は何とか成功、ということで始めます。今週のゲストはしばらく前、ハイレグの女王?として一世を風靡した岡本夏生さんでした。今日のお話ではブームが去ったあと、仕事が全くなくなり(彼女は事務所に所属せず、何から何まで一人でやっているそうですね。それで一度忘れられるとサッパリ声が掛からない、ということのようです)、自宅でテレビを見て過ごす毎日が10年間!!その暇に任せて自分の裸?を自分で撮ってブログに載せたら翌日のヒットが60万件/日となって、そこから復活のきっかけをつかんだそうです。全く知りませんでしたが、昨年中旬くらいから忙しくなって、まだその勢いは続いているとか。でもいつブームが去るか分からないので無駄遣いはせずお金を貯めていて、「ゴミ屋敷」と呼ぶ今の部屋も引っ越さないそうです。仕事を少しでもするためには掃除をする間も惜しい、とかで掃除はまた暇になったとき、だそうです。10年間の間にきれいにしていたらよかったのに、とは思いましたが、まあいいでしょう。とにかく何でも思ったままズバズバ喋る、ということで今のご時勢、人気が出るのかもしれません。それにしても45歳の今、高校2年生のときの服が着られて47kgの体重を維持している、というのですからこのプロ根性は立派。今週の落語は八代目春風亭柳枝師匠の「高砂や」でした。町内の立派な商家の祝言の仲人を頼まれた男がご隠居にこの「高砂や」を教わるが、なかなかうまく覚えられず、豆腐屋の「豆腐~い」の調子でやればいい、と聞いてそれでなんとかする、というお笑いです。時代劇の祝言シーンで謡われることの多い謡曲ですが、僕もいわれを知りませんでした。調べてみたらこんなもの。・高砂や;http://homepage3.nifty.com/nue-nohgaku/takasago.htmそれにしても岡本さんの自分を全て晒したようなトーク、ある種の迫力もありなかなか愉快です。あとでその60万アクセスというブログで覗いてみましょうか。うらやましいですね。ではまた来週。
2011.01.09
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今日のゲストはジャズシンガーの中山うりさんです。やはり初めて聞く名前でしたが、「配信の女王」「アコーディオンを抱えたシンデレラ」など数々の異名を誇る、音楽好きにはある程度有名な人のようです。低音がなかなか魅力、ややため口ですが、カラッとした喋り方が耳にも心地よく、厭味にはなりません。ネットで写真を見ると、ほぼ声からイメージした通りのお顔でした。音楽、とくにジャズとのきっかけは父親が聴いていた歌謡曲、ジャズのCDを聴いていたから、とか。サッチモが好きだそうです。ここで、志の輔さんの声がサッチモに似ている、と盛り上がりました。言われてみれば。小学校でエレクトーン、トランペットを始め、ある程度、音楽をやりだしたあとで何か独自のものを、と探してアコーディオンに行き着いたようです。同時に落語との関係も父親が落語も好きで、頭を刈ってあげる時(うりさんは美容師でもあるそうです)寝ないように聴いているのを自分も耳にしている、と語ります。・中山うりさん;http://news.livedoor.com/article/detail/4390771/・中山うりさん;・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E3%81%86%E3%82%8A今朝の落語はお正月ということで、三代目三遊亭金馬師匠の「初夢」でした。中山さんは落語を聴いた後の感想でも、金馬さんの江戸弁や声に興味を示すなど、さすがにジャズシンガーということでしょうか。「初夢」自身は特定の登場人物が何かドラマを演じるというより、「初夢」にまつわる当時の雑学を次々とつないで、世相を楽しむというものでした。最初に「今の子供は遊びが増えました」と言ってキャッチボール、映画、ラジオにテレビを上げますが、演じた昭和38年の時代が思われます。昔の子供は女の子ではお手玉、鞠、羽根つきくらい、男の子は竹馬に凧揚げ。「竹馬の友」とは子供の頃一緒に遊んだ仲、というのもここからきている、とは今の若い人には分からないかも。鞠も凧揚げも大空を見上げて大きな夢を見させるもので、特に凧は風にも強く、天まで上がれ、ということで男の子に好まれた、と続けます。人と生まれたからには身は死すとも名を残したい、ということで職人なら左甚五郎、農民なら佐倉惣五郎、商人なら紀伊国屋文左衛門などが有名なところ。ところが、人にも徳不徳というものがあり、技ではもっと上手な人もいたであろうに名工といえば左甚五郎だし、祖師は日蓮、大師といえば空海弘法大師、義士は赤穂浪士、関白は豊臣秀吉、名奉行といえば大岡越前守、黄門様なら水戸光圀公となってしまう。だが宗派の開祖となった人は本来みんな祖師であり、関白、中納言もたくさんいたのです。この違いが徳不徳ということ。さらに偉人が生まれる前には特別な夢のお告げがあったとして、日蓮、秀吉、家康、菅原道真の逸話などをあげてくれます。家康の話は知らなかったですね。山岡荘八の「徳川家康」を昔読んでいますが、記憶にはありません。家康の母親は妊娠中に「是」の字を夢に見たが、家康が生まれてくるとその左手の中に是の字が書かれていた(手のしわがそういう風に見えたということでしょう)そうで、これをえらいお坊様に判断してもらうと「この子は天下を取る、なぜなら是の字は、日の下の人、と読め、天下の人をその手に握るということは天下を取ることだ」といわれたのです。「初夢を二日にするは得手勝手」という川柳も紹介されましたが、初夢はもともと、大晦日から元旦の朝までの間に見る夢だったのが、大晦日は忙しいので元旦から二日にかけてみる夢を初夢というようになった、いう薀蓄が語られます。夢判断についてもうひとつ。刀で切られるもよくない夢かと思いますが、実は「カネが入る」ということで喜ばれるそうです。「邯鄲の夢」という中国の故事もでましたが、南天の葉を赤飯のうえに置く風習のいわれでもあるそうです。「一富士ニ鷹三茄子」は縁起物、というより徳川家康の好みを並べただけ、というのはまあ常識の部類。「売る人もまだ味知らぬ初茄子」という川柳はなかなか意味深長。最後で初夢にとても大きな「茄子」を見た、という相手にその大きさを聞いていくのですが、カボチャよりも畳よりさらには家より大きいと言われ、「では一体どのくらいの大きさなんだ」と問うと「闇の晩にヘタをつけたような茄子」とちょっとシュールに落として今週は終わります。今年一年、よろしくお願い申し上げます。
2011.01.02
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あけましておめでとうございます。今年が皆様にとりまして、素晴らしい一年となりますように。さて今週は先週に続いて年末年始特集ということで、倉津さん、伊井さんとロンドンの加藤さんによる世界経済、日本経済への明るい展望を語る、というものでした。前回と同様、アメリカ、新興国、そしてイギリスという風に続きました。さてアメリカは、オバマ大統領の何でもありのドルジャブジャブ政策で金融危機は何とかカッコウをつけたが消費、雇用が戻っておらず、底割れはないだろうが、今後しばらく低迷が続くというもの。実際、リーマンショックに始まる世界経済危機からの脱出は、アメリカ国民の消費拡大によってなされたもの、この消費拡大がこのまま、中国につながれば一息つけるということでしょう。続いて伊井さん専門の中国、インド、ブラジルなど新興国市場はまだしばらくは世界経済の牽引役となりうる存在である、中でもやはり中国だろう、と語ります。日本は発展するアジアに近いというメリット、ラッキーポジションを活用すべきだ、実際に好調な会社というのはこの辺り、しっかり海外で稼いでいると伊井さん。既に上海にも15万人以上の日本人が働いており、これは外国人として最も多い数だとか。なんとなく、戦前の日本人の大陸進出を思い出します。結局、彼らが人質になる形で日本軍は大陸に引き寄せられ、とんでもない敗北を喫したのですが、その教訓を得ていないのでしょうか。少々効率は悪くとも、海外、特に中国にはあまり進出せず、外からコントロールするやりかたのほうがいいと思います。今度は救出に向かえる軍隊はないのですから。それにしても中国と日本が仲良くやる(引き合う)のは、万有引力のようなもので、相手が大きければ大きいほど、距離が近ければ近いほど強力になる。いい関係になるのだから恐れるな、ということですが、これも相手によりけり。そのまま取り込まれてしまうつもりならともかく、近づきすぎるのは禁物です。そして後半、最初は先週同様、ロンドンから加藤さんがロンドンの様子を知らせてくれます。先週の話を除けば、「イギリスはチャールズ王子の結婚を受けて結婚フィーバーが始まっている」とか「素人主体のタレント発掘番組が月曜日の大衆紙一面を飾るほどすごい人気である」などどうでもいいことに騒ぐイギリス人の意外な面も見えます。そう言えば、先週、イギリスの交通機関は軒並み大幅に遅れて大変だ、と言っていましたが、昨日か一昨日の新聞には日立がイギリスから総額一兆円にもなる鉄道車両の受注をまとめそうである、その理由はこの冬、雪の影響で交通機関の乱れが多く発生する中、日本製車両だけがほとんど遅刻無しに職務を全うしている、と評判になったからだとか。くれぐれもこれは勤務員の真面目さではなくて、車両の優秀さを示しているのですから、誤解のないように。それ以外、イギリスは失業率が相変わらず高いが、学生に聞いても日本のサラリーマンのような仕事をするくらいなら、勤めなくてもいい、というとか。国に寄りかかる姿勢がまだあるなんて不思議だね。今後の日本の景気をよくする策としてでてきたのは、いかにアジアの需要を取り込むか、とくに中国人の買い物客、観光客を徹底的に取り込め、というだけで今一。学生の学力も落ちていまや留学生に就職競争で負けているほど。特に英語が出来ないとダメ、とこれまた常識的な状況説明だけ。新年ということで明るい話題、元気の出る話をして欲しい、とお願いしたそうですが、現実はそのような魔法はないということでしょうか。新聞には今年の後半は株価も持ち直すだろう、とありましたが、これも外国人投資家頼み、ということかな。それより何より内需を拡大する一番の政策は軍備の近代化、自衛隊要員の増強ではなでしょうか。これにより国内産業に対する需要が増え、また南西諸島の防衛力を強化しつつ、若者の雇用拡大策になるのですから最高の政策だと思います。ただし今の政府に出来る政策ではありませんが。ではまた。
2011.01.01
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今週のゲストは元モーニング娘の吉沢ひとみさんでした。番組でもメインの話題になっていましたが、彼女はスポーツウーマンでサッカー、バスケット、バレーボールをやっており、最近はフットサルに熱中しているそうです。彼女で記憶にあるのは、偶然見た「これができたら100万円」という番組でサッカーのボールを蹴って1から9の的を抜くというチャレンジを見事のクリアしたことでした。フリーキックのコントロールがよくなくては不可能ですから、感心しました。どちらかというと短距離タイプだった吉沢さんは、長距離にもチャレンジを始めており、高橋直子さんのチームのサポートから始めてハーフマラソンを完走し、来年の東京マラソンにもエントリーしている、ということでした。アイドルがマラソンで頑張る姿はテレビでもよく中継されており、今回もそのような狙いがあるのかもしれませんが、いずれにしてもきついもの、頑張ってください。今日の演目は年末ということで、八代目三笑亭可楽師匠の「尻餅」でした。大晦日の借金取りを何とか誤魔化した夫婦が、ご近所への見栄もあって餅を付いているように見せかけるという噺です。・「尻餅」http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/62757/60017/2601776可楽師匠の熱演を聴いて吉沢さんは、全く分からないと一言、志の輔師匠は日本が貧しかった時代のことだから分からなくても当然かも、とフォローしていましたが、基本的に国語能力と想像力が不足しているのでしょう。ただ志の輔師匠を「うまいな」と思ったのは、この話のおかしさは人間が誰しも持っている見栄を笑うというところで、現代でもI-Podを手に入れられない子がヘッドフォンだけして、持っている振りをするようなもの、と説明したところ。落語は現代にも通じる、人間の弱さ、おかしさを見せてくれるものであるということ、登場人物を笑った後で、自分も同じではないかと省みることができる絶好の人間学の教材かもしれません。この「尻餅」ですが、僕は以前、三遊亭円生一門の落語会で三遊亭圓窓さんの熱演を見たことがあります。本当にお餅を搗いているような亭主の熱気とおかみさんのお尻が真っ赤になっていく様子が目に浮かんで感動しました。ではまた来週。
2010.12.26
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本日は年末恒例、金融経済のスペシャリストをお招きしての座談会でした。登場したのは、国際金融アナリストでRPテック代表取締役の倉津康行さん、コモンズ投信代表取締役社長の伊井哲朗さんそしてロンドンから電話出演は東短リサーチチーフエコノミスト加藤出さんと幸田さんの仲間のような方々で、金融や世界経済、日本経済を振り返って、語ってくれました。順番はおおむね、アメリカ、中国、ヨーロッパそして日本の順です。アメリカではオバマ大統領の金融緩和政策により、一服した感があるが、効果はあるのでしょうか、という話から。両方の見方があると倉津さん。効果があるという人と副作用のほうが大きいのではないかという人があってサイコロを振ってみないとわからないような綱渡りの状況。アメリカだけでなくヨーロッパもかつての日本と同じくゼロ金利、金融緩和をやって、世界が日本化している感じ。金融機関だけは何とか息を吹き返したが、この経済状況がこのまま持続するかどうか。雇用が改善しないし、住宅などの実体経済も戻っていないなど不安要因が大きい。(倉)アメリカがドルをドンドン刷って自国の景気対策に突き進んでいることについて、新興国などはどんな風に思っているのでしょうか。(幸)短期的にはドルが商品相場に大量に入って、新興国の物価を上げています。金、石油、食料の値段まで上がっているということで、新興国は利上げモードに入っています。日本、アメリカなど先進国はデフレが心配、ブラジルや中国など新興国はインフレが心配と両極端の様相を示している。いつのまにか、金は最高値を更新、石油も再び100ドルに達しようとしている。資源全般はまだまだ上がりそうなムード、ということに三人同意します。ひょっとして、これが今、ロシアが元気になっている理由でしょうか。中国でもインフレが心配ということで、利上げをするのかどうか。(幸)中国は既に小刻みな利上げをしているし、不動産の取得規制などをやっているが、国が大きく人口が多いのでなかなか効果が出ない。2020年くらいまではなんだかんだ言われながらも成長していくだろうが、これから社会保障をきちんとする必要がある、地方財政が厳しい、など問題は大きい。(伊)中国は沿岸地域と内陸部の経済格差など国内にいろいろな波乱要因があるのに加えて、もともと共産主義を維持しながら資本主義経済を導入しているというところにいびつな構造を持っている。(幸)中国は世界経済成長の機関車になることを期待されているのに問題を抱え、逆に波乱要因。過熱気味な経済をもう少し抑えるべきだが、抑え過ぎると破綻する懸念も出るし、非常に難しい。その中国に依存しなければならない我々はつらいものです、と弱音が入って中間です。後半は、ロンドン在住加藤出さんの登場。EUの様子が語られます。イギリスの話で驚いたのは今年の冬の寒さ。毎日冷蔵庫の中にいるような寒さで交通機関の乱れが激しいそうです。ヒースロー空港は欠航に継ぐ欠航で、列車でヨーロッパに向かう人々が列車に殺到、ユーロスターに乗るには厳冬の戸外に7時間も待つ必要がある、というのですから驚きです。それでもデパートの人出はものすごいなど一服感はある感じ。ただ厳しい経済政策に、仕方ないと冷静に対応していたイギリスでも徐々に人々の怒りが盛り上がっている。来年はもう少し厳しくなって反対の大きくなるだろうが、大陸の国々よりはまだまし、と思っている様子。ポルトガル、アイルランド、スペインを回ってみたが、アイルランドは報道されているより冷静。落ち着いている。スペインは危機感がにじみ出ている感じ。本来、アイルランドの混乱がより大きな国であるスペイン、イタリアなどに波及するのはおかしいことだが、通貨が統合ざれているので仕方の内面もある。結局、EUの中で経済のいいドイツがどこまで負担を受け持つかに掛かっている。アメリカ、イギリスはやや冷ややかな見方をしているが、大陸の国は案外協調している。ギリシアがユーロから離脱する、という話も噂されているがどうか(倉)自分から出ることはないでしょう。それは事実上の自殺行為になる。ただ、問題国が出るのも自殺行為、ドイツが出るのも負担が多くて難しい。(加)通貨統合は一度入ると出るのは難しいということ。(幸)今の危機をどう乗り越えるかは難しい問題だが、ユーロ安定化の仕組みはこの一年で格段に整備されたので、今後、見方は変わると思います。もちろん今の問題は手前の障害をどう乗り越えるか、ではあるが。エコノミスト紙も冷ややかな見方から、破綻してもらっては困る、歯を食いしばって耐えろ、という論調に変わってきました。(加)ここで加藤さん退場です。サブプライムローンからヨーロッパの問題が世界を揺さぶった一年でした。そうした中で中央銀行の役割が注目されてきたが、日本はどうだったのか。円高に苦しめられた一年、という気がするが。(幸)実は日本の企業はメディアが言うほど困っていないのです。会社を訪問してみても、いい企業ほど為替のことは言わない。(伊)日本は1990年代からずっと円高なのですから、ここで少し円高になったとしても、急に困るということはない。いい会社は円高対策をちゃんとやっているのです。円高になると確かに株は下がるが利益は変わらないというところが多い。でも、うまく行っているところ、儲かっている会社は声を挙げません。言うとまたメディアに叩かれる、と思っているようです。国際競争力のある企業はまだたくさんあります。最近は高速鉄道、原子力発電所の受注などがでている、日本はそんなに悪くはないのです。だからあまり暗くならないように、と幸田さんがエールを送っておしまいです。来週は同じメンバーで来年の動向を議論されるそうです。乞うご期待。
2010.12.25
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今週のゲストは女優の片桐はいりさんでした。もちろん僕も知っています。最近、テレビでは見かけないようですが、舞台などで大忙しのようでした。今回は「もぎりよ今夜も有難う」という著書の宣伝を兼ねてのようですが、映画および映画館への片桐さんの温かい思いが感じられて気持ちのいいひとときででした。彼女は映画が大好きで、仕事をしながらただで映画が見られる、これほどいいアルバイトはないということで長くもぎりをされていたそうです。・「もぎりよ今夜も有難う」・http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20101101-OYT8T00347.htm今でも地方にいくと仕事の合間に土地土地の映画館を訪ね、最近は閉鎖されていることも多いのですが、かつてそこに映画館があった、という跡地を訪ねても、当時に思いを馳せて幸せな時間を楽しめる、というほどの映画館ファンです。話の中に出た春風亭昇太さんは大のお城ファンで、遺跡とも呼べないほとんど何もないような場所を訪ねてそこにかつての城の姿を想像して興奮していると語っていましたが、片桐さんも映画館跡地(もちろん、現存するほうが嬉しいのでしょうが)で同じような感動を味わうそうです。僕もお城探訪は大好きで、北は弘前城、多賀城址から南は熊本城まで日本全国、旅行、出張で行くたびに城を散策していますので、気持ちはよくわかりました。さて今日の落語は三代目三遊亭金馬の「キョウカイヤヌシ」と聞こえて、最初は謎でした。教会の何か??話の途中で狂歌に凝った大家さんの噺と分かって「狂歌」は分かりましたが、イヤヌシは何か??最後の最後で家主(イエヌシもしくはヤヌシ)と理解できて「狂歌家主」と納得。噺は大晦日になって家賃の払えない店子が狂歌好きの大家のところに行って狂歌でゴマをすって待ってもらおうとするもの。狂歌合戦がなかなか面白かったです。・「狂歌家主」http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2006/10/__b4b5.html片桐さんは、ここで語られる言葉を気にして、トイレを意味する「こうか(後架」が分からなかった、とか落語で笑うためにはそれなりの知識、教養が必要などと感心していました。さすがに舞台の女優ですね。ではまた来週。
2010.12.19
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今週のゲストは先週に続いて田中均さんです。今週はかなりズバズバ個人の思いを話されて、同意することが少なくなかったような気がします。まずは政治家と外務官僚の関係はどうなのか、との問いに対して、本来、役割分担ははっきりしているが、今の民主党政権ではそれがそうなっていない、といいます。官僚は知識、経験を持つプロフェッショナルであり、過去からの連続性も考え最も適切な意見を提供できる。政治家はそれを受けて自分が判断、決断して外交を進め、万が一うまく行かなかったときは政治家が責任を取る、それが民主主義ということです。そのなかで最も大きな責任を持っているのは総理大臣なので、大きな外交をする場合は総理大臣を中心とした外交をせざるを得ない。北朝鮮との外交をやったときは、88回官邸に通って総理大臣小泉純一郎に直接全てを説明し、望ましい案を提案して承諾をもらい、交渉をした。しかし最終的な段階では総理が判断せざるを得ないことがある。それは、国交のない国に総理大臣が行く、主要民主国家の総理が始めて国交のない国に行くという決断であり、その結果に対しても責任を取らざるを得ない。これが官僚と政治家の役割分担であり、今のように何でも外務政務官が間に入らないといけない、というようなやり方は間違い。政治家は外交に関して経験がないのだから、そこで物事を進めるためには官僚の専門的なサービスを受けるのは当たり前で、これは官僚依存でもなんでもない。国家のために知見を使うということ。だから今のような民主党の政治主導は間違っている、とバッサリ切ります。無駄なところに無駄なエネルギーを使ってそれが国益にもつながっていない気がします、と幸田さんも同意。民主党は野党にいたとき、官僚の独善性を感じたのであろうし、ムダがあったのも事実。でも外交に関しては、相手の国とコミュニケーションを持たねばならないが、それにはそれなりの知識を持たないと出来ないのです。外交の場においては弱みを見せるわけにはいけない。日本のほころびを見せてしまうのは絶対に避けなければならない、と幸田さん。著書「外交の力」のなかに、「大学で教えていて、官僚の力は制限されるのか、という質問が学生からあった」と書かれているがその辺りはどうなのですか。(幸)「これから官僚の力は衰え、政治家や民間の力が強くなっているのではないか。それなら官僚になっても意味ないのでは」という質問を受けたが、私は、「プロフェッショナルな知見を持つのはあなたが将来、政治家になるにしろ民間で活躍するにしろ必ず役に立つもの。外交官の仕事は国際的に目を開くということであり、短期間でプロフェッショナルな力を持つには外交官になるのはとても素晴らしいこと」と答えました。外交官という仕事はとても好き。生まれ変わってもまた外交官になるでしょう。交渉というのはトータルの人間の問題。ありとあらゆる知識を持ち相手の立場、相手の国のプライオリティを考え、こういうことを言うと相手はどう返してくるのか。4時間の交渉の最後に何を言うか、など全てのことを計算しながら、決して弱みを見せることもなく、相手を誘導していく必要がある。大変にエキサイティングな活動。こういう仕事をしている外交官を若い人はぜひ志してもらいたい。(田)ここで中間です。ここからは幸田さんが最近の主な課題に対して田中さんの考えを聞いていきます。まずはTPP交渉と農業問題について。田中さんの意見はハッキリしており、ある意味で常識的な考えです。日本は外国との通商無しにやっていけないのだからTPPに参加すべきであり、その中で内向きに農業だけを守るのではなく、必ず優秀な日本の農業は海外でも評価を得られるので、その方向に、農業を強くして外に出て行けるようにすべき、今がチャンスと答えます。これは実態が分からない中での感想ですが、国内で保護した産業は弱くなっていき、荒波、寒風にさらされた産業は鍛えられ、強くなり、外国との競争にも打ち勝ってきた、という歴史があります。日本の農業も少数の専業農家が、海外との勝負のための基盤強化をしなければならないと覚悟を決めているのに対して、兼業農家が実際は農業収入に多くを依存していないのに、弱さを訴え、補助を求めているような気がしてなりません。農業人口が減っている、と嘆きの論調が新聞にも出ますが、農業人口が減るのは大いに結構、その分、大規模化できて効率があがり強くなるとは考えないのでしょうか。農業と建設業はもっと産業人口を減らして、効率を上げるべき、と思います。次にウィキリークスなどネット社会が直面する情報流出についてどう考えるか。これは二つあって、一つは秘密にすべきでないことを秘密だ、と言って隠すのはやめるべき。一方、交渉事ですから相手もある中で秘密も当然あってしかるべき。それに対して情報管理はきちんとすべき。日本は戦争中に軍が正しい情報を国民の目から隠して方向を誤らせた、という思いがあって何でもかんでも公開すべき、国民の知る権利が全て、と考える傾向があるが、これにより大事な情報が関係国から入らないというような弊害もあり考え直すべき。言論の自由は大事だが、これを履き違えて混同した議論が起きている。(幸)公益を守ることと情報公開することのバランスをとるというのは政治の仕事。日本人はディベートが苦手、とされているが、こんな若者への話を伺いたい。(幸)相手の言うことを聴く、というのが大切。ところが今の若い人は自分が一番大切で、人の話を聴くということに重点が置かれていない。ひとりよがりになっている。発信力はどうか。内向きになっているのでは。(幸)現実にそういう状況はあるが、必要がそれを変えていく、と思う。今後日本は一層グローバルになっていかざるを得ない。否応無しに世界のなかに押し出される。そこで生き残ってきた人が国内でも出世していく時代になる。日本人は基本的にシャイ。上手に喋ろうとするが、でも言葉は技術。メッセージがきちんと伝わるかが大事。発音や文法など周りの目を気にしなくていい。たくましくならなくてはならない。一般的に外国人は民間の違いに対して寛大、だからドンドン喋っていくべき。田中さんもいまだに自分の使う英語は稚拙と思っているそうですが、でも伝えたいことがあるから頑張って喋っている。今後若い人たちは間違いなく必要に迫られて英語をせざるを得ない。だからそれに向けて準備しておきなさい。今後さらに何をしたいか。(幸)国全体が質的に高い外交をしていかねばならない。今後は政治家や官僚だけでなく普通の人が世界と付き合っていく時代であり、その大切さを伝えて行きたい。民間の外交を強くしていかないといけない。座標軸とは官僚や政治家だけでなく、国民全体の座標軸。それを有識者がきちんと勉強して語らねばならない。そんなことを抗議して民間を強くして行きたい。しかししょっちゅうある選挙を意識した政治家が増えてくる中、大丈夫かな、と心配。(幸)最後に、田中さんはどこの国に行きたいか。答えにくいかもしれませんが、と尋ねます。それに対する田中さんの答えは「それは日本です。圧倒的に日本です。京都の静けさ、豊かさ、空気も」さらに、日本以外に済むことは考えられない、と続けます。正直言ってずるい答え、幸田さんは日本以外でどこを訪問したいのか、という意味で尋ねたと思いますが。でもこの答えを聞いて驚きとともにやられたな、という感じ。少し涙がにじみました。今後、外国と積極的に交渉し、意見を戦わせる時代が必ずやって来る。そこで活躍した人が国内でも出世し、国を運営していく時代が必ず来ます。だからそれに備えて自分を鍛えておけ、と若者へメッセージを送って今回は終了です。
2010.12.18
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日曜日の茨城県会議員選挙では民主党が大敗しました。ただ残念だったのは、かろうじて現状維持させてしまったこと。これは自民党や他の政党がまだ無党派の受け皿になっていない、ということでしょうか。それにしてもこれでますます民主党は選挙が出来なくなりましたね。100議席くらいに落ちるのではないですか。ここでもう一回、大きなちょんぼをやれば(いくら民主党を交代させたいと思っても、大きな失敗はだめか?難しいけど)お終いです。それにしても一年前、民主党に投票した人は何だったのでしょうか。まあ、日本がずっこけない程度に民主党に失敗してもらうしかないか。とりあえず、幸田さんを始めます。今週のゲストは日本総研国際戦略研究所理事長の田中均さん、というより小泉首相時代、北朝鮮外交で名を馳せた田中均さんと言った方が分かりやすいですね。一時は北朝鮮の代弁者のように言われ散々叩かれたのに、今では外交のプロとしてマスコミも意見を拝聴する立場、これも月日の移り変わりでしょうか。幸田さんはまず最近の外交問題について、誰がやっても大変なものだったと思うが、民主党政権の外交はどうか、と聞きます。それに対して田中さんは、外交には一貫性が大切、基本的な座標軸があって行動していかないと駄目。それさえきちんとしていれば普天間にしろ、尖閣にしろ、また今回の北朝鮮の砲撃など個々の問題には対処できる。ところが、民主党政権にはそれが見えない、だからその場しのぎの対応になっており、非常に残念、と厳しい評価。もちろん、座標軸も不変ではなく国際情勢に応じて修正していかないといけない。これまではアメリカの一強体制が続いたので、日本も同盟を結んでいるアメリカと共同歩調を歩んできてよかった、間違いではなかった。しかしこの5年で情勢ががらりと変わり、経済情勢を見ても富が西から東に移る、アメリカの国力が低下して中国やインドが台頭するという状況になったので、アメリカ一辺倒から重層的な東アジアとの関係を構築していかなければならなかった。それが自民党に出来なかったのは事実であるが、民主党も次々と起こる事件の処置に追われてできていない。さらに民主党は政治主導といいながら官僚を切り離すようなことをしているが、官僚の経験、知識を使うべきであり、それが出来ていない影響が今現れている。グローバリゼーションによって新興国が力をつけてきたが、この時代において、かつてのような自由経済、多党制民主主義が最も優れた政治体制といえるかどうかがあやふやになってきた。リーマンショックなどをみて新興国は、もう少し規制をすべきではないか、本当にいいシステムとは何なのかを考え始めた。新興国の制度はいわゆるステートキャピタリズム、このおかげでリーマンショック後も中国やインドは発展してきたので、このシステムについても自信をつけてきた。ここまでのことを一気に喋り、さすがの幸田さんも時々合いの手を入れるくらい。田中さんの言葉は柔らかいが的を射ているのでしょう。あっという間に中間です。外交の本質、外交の力とはどこにあるのか、の問いに田中さんは「ウィンウィンの関係をつくることに尽きる」と答えます。外交は戦争によらないで国益を達成することだが、現在はどの国も内向き、いわゆるナショナリズムの高まりがあって自分の国益だけを述べていては外交が成り立たない。相手にもよかったと思わせる必要がある。その際、日本とアメリカのような民主主義国同士ではお互いを考えて妥協することが出来るが、北朝鮮となると政治体制が違って交渉することが難しい。現時点だけをみて、拉致被害者を返せば援助をしてやる、というのは悪事に対してお金を渡すことになり民主主義国にはできない。その際、時間軸を広げて、今、拉致を認めて被害者を返す、核開発を中止して国際管理体制の中に復帰すれば将来、経済援助をしてもらえるというウィンウィンの種ができる。こういう方向に進むべき。ここまで田中さん。田中さんのこの言葉、聴いたときは何となく納得しましたが、よく考えてみるとこれこそ中国の「日中友好」外交に嵌ったのと同じことになるではないでしょうか。ウィンウィンの関係が目標化してしまうと、外交関係を続けるために相手にメリットを出さねばならぬというのが必然になり、自国の国益を譲らない相手には、一方的に譲ってしまうことになりかねません。北朝鮮は何とかアメリカを交渉のテーブルにつかせようとして核開発を明らかにしたり、韓国を砲撃したりしているが、民主主義国には原理原則があり、このままでは交渉のテーブルにはつけない。しかし北朝鮮はほとんどの国と関係断絶状態にあり、軍事行動による力の誇示以外に自分たちに関心を向けさせるすべを持たない。これらを分からせて北朝鮮に一連の行動を反省させたり、謝罪させることができるのは唯一中国だけ。今、援助をしているのは中国だけだから。ところが中国も最近はきわめて稚拙な外交をやっている。傲慢で強権的な外交、恫喝外交ともいえるようなことをして周辺の国やアメリカにも警戒されている。中国は国内に問題を多く抱えており、体外的に強い立場を誇示するしかないのでしょうか。中国が国内をまとめる唯一の手段は経済成長だけです。だからこれまで西側に対して低姿勢外交を続け、資本を引き寄せるなど努力してきたのが、リーマンショック以降自信を持って傲慢になってきた。これは70年代、日本が経済発展をしたときと同じである。その当時、日本は世界から非難され、結果として日本も変わったがこれと同じ状態に中国も直面しているということ。だから中国も変わらなければいけない。結局、田中さんは北朝鮮の体制の異質さは認めながら、中国を異質とは言わない。日本と同じ段階を踏んでいる、といって中国を普通の国と考えているようで同意できません。やはり田中さんについては完全に信頼するわけにはいかない、そんな感覚が残りました。来週も田中さんの話が続きます。
2010.12.13
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今週も幸田さんとアップが逆になります。幸田さんのゲストは田中均さんで、それなりに面白かったです。志の輔さんのほうは録音ミスもあり、まあ先にしました。今週のゲストは、土曜日の朝、徳光さんの番組にレポーターとして登場しているので知っていた、福島和可菜さんでした。喋っている様子ではまだ二十歳そこそこの感じでしたが、実際は28歳、まあそれでも十分若いですけど。福島さんのセールスポイントは元自衛官だということ、高校時代陸上をやっていた福島さんは自営業の実家がつぶれたので大学にいけなくなり、走って給料がもらえる、ということで自衛隊を進められ、決めたとのことです。最近はイメージがずいぶん変わった自衛隊ですが、北海道は何しろお膝元、10年前でも14倍の競争倍率のなか、厳しい試験に合格して見事女性自衛官になったそうです。最初は野戦特科連隊に所属、105mm自走砲を操作していたとか、それから広報の仕事をしていて、ミス自衛隊に応募して次点、ちょうど4年目だったこともあり、新しいことにチャレンジしようと考えて芸能界に飛び込んだそうです。今調べたら同じときにもう一人、豊島沙織さんという人もタレントになったそうで、同時に二人の自衛隊員がタレントを目指す、ということで話題になったようです。福島さんは志の輔さんにも感心されていましたが、内緒話が出来ないほどの大きな声、自衛隊で鍛えられたとのことですが、まあ声の大きな人に悪い人はいないということで、同類として応援しましょう。さて本日の落語ですが、ガーン、またやってしまいました。録画余力がわずかしかないMDを入れるというミスを犯してしまい、落語の紹介のところで切れてしまいました。しかも今日の演目が古今亭志ん生の「あくび指南」、ああなんということでしょうか。前も一度、志ん生の落語を聴き損なっているし、この番組では志ん生師匠は鬼門です。でも聴きたかったなあ。番組でも志の輔さんが盛んに強調していましたが、いまや自衛隊を悪く言う人はいない、何をやっているんだ!と言う人もいない。災害があると出動して助けてくれる頼りになる存在と認識されているのです。それにしてもなぜ14倍もの競争率なんだ。もっとたくさん採用すればいい、という志の輔師匠の言う通り。若者に職を提供するのが最大の景気対策であり、しかも日本人としての心を育み、さらに国を守り、世界にも貢献できる人材を増やせるのだから言うことなし。今、この経済情勢、社会情勢だからこそ、一石二鳥の自衛隊増強、ぜひお願いしたいと思います。
2010.12.12
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順番が逆になりましたが、土曜日の幸田真音さんをお届けします。ゲストは先週に続いて産経新聞東京本社東アジア室長の山本秀也さんです。中国の話を始めると停まらず本当に盛り上がる、と幸田さん。今週も加熱トークが続きます。幸田さんは日中関係のキーワードとして「戦略的互恵関係」を揚げ、どうしたものか、本当に互恵関係になれるのか、と問います。それに対して山本さんはさすがに産経新聞記者。「もともと言葉が実態に先行して使われ、おかしなものだった。互恵関係、友好関係はあくまでも両国の現実の付き合いの結果のはず。ところが70年代から言葉だけが先行して、友好という枠にはめられた二国関係になってしまった。日本人は違和感を持ちながらもそんなものか、と思っていたが、尖閣漁船衝突事件および政府の情報統制、ビデオ流出でこの問題が明らかになったのです」とズバリ。これは中国人についても同じで、どうしてこうなるのかと思っている、とのことです。幸田さんも両国の友好関係は言葉だけで実態とすごく乖離していると同意するのです。「友好は目的でなくて結果である」というのは日下公人さんも語っています。僕は両国が同じように困っているというより、中国人は「日中友好のために」とさまざまな要求を突きつけ、日本がその言葉にとらわれ、譲歩を繰り返すという枠組みではないか、と思います。ここで山本さんは、中国の問題には3つ柱がある、と解説します。経済で成功しよう。政治、軍事、国民感情の面で大国になりたい。三つ目は国内を安定化させたい、というもの。そして、最初の二つはそれなりにうまく進んだが、それが傲慢とも取れる中国の態度につながっている。しかし、三つ目の問題は取り残されたままで、国内問題には環境問題も重なっており、今後より大きな問題になっていく、と続けます。あれだけ大きく、多くの国民のいる中国は強制力のある共産主義でないとうまくいけないのか、と思っていたが、インターネットや携帯電話で情報が自由化され、内陸部の人などが国内の格差に声を上げるようになって来た、と幸田さん。それでも次期指導者、習近平のプライオリティに国内問題はないのではないか。ますます大国化のほうに行くだろうと山本さん。中国の動き、成長速度は早いが、逆に先進国の経済低迷、劣化はもっと早いので落差が際立っている。もしここで中国がおかしくなったら世界も無傷ではいられない。もっとよく見ておかないといけない、と幸田さん。人口の多さ=消費の大きさなど中国の強みは大きいが、反対に国内格差も激しく、これは危ない状態。中国の経済指標はどれも不透明で、実は失業者がどれだけいるかもよくわからない。あるとき「2億人いますから」とうっかり温家宝さんが言ってしまったが、これはほぼ正しい数字だろう。それに加えて、農村部から都会に流れ込む人も2億人から将来は3億人に登ると言われている。そうした中で(消費の中核となる)中間層がどれだけ育っているか、読み取れない。(山)中国の経済数字は信じられないのでは。と幸田さんも認めます。相当眉唾ですよ。(山)中国は日本の研究をよくしている。日本の失敗を繰り返さないようにということで、次の一手が早い。ソフトランディングしようとする努力は見える。(幸)ただ上が言っても下がぜんぜん聞かないという状況。(山)自殺が多いのも大問題。日本も多いが、年間30万人前後と桁違い。その80%が貧しい農村でその半分が女性。男の子を生まないといけないなど、家族のプレッシャーが大きい。男の子偏重でアンバランス、男子が余っている状態。少子化の中の可愛がって育てられ、精神的にも弱い。軍隊が一番困っている。(山)工場としての中国からマーケットとしての中国に変化しつつあるが、こんな中国とうまく付き合うのはどうすればいいのか。(幸)まずお互いの利益がちゃんと担保される関係をつくること。商品を出すときは必ずお金をもらうようにする。将来儲かるから今は無償でも、というのは駄目。日本式の「損して得とれ」というのは通用しない。また自分の知っている人脈を過信するのも駄目。(山)契約書を取り交わしても安心できない。契約の概念もまるで違う。契約したモデルが当日こない。もっといい条件がでたら全く反省無しに平気で乗り換える。(幸)近代化の過程でモラルの傷つき方が一番大きかったのではないか、とやさしい山本さん。でも中国の歴史や近世、清の時代の西洋人の本などからみてもこれは昔からのこと、中国人の血だと思います。基本中の基本くらいは守ってくれる国になって欲しいが、と幸田さん。しみじみ呟いて今週は終わりです。中国入門編としてはいいでしょうが、僕は正直言って物足りず。知っていたことがほとんどでした。ではまた来週。
2010.12.06
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土曜日は研修でバタバタしてアップできませんでした。幸田さんのラジオも聴いていますので、順番が逆になりますが、アップしたいと思います。志の輔ラジオ、今週のゲストはきゃんひとみさん、僕でも名前は知っている、ベテランのタレントさんです。今回初めて、きゃんさんが沖縄出身と知りましたが、よく考えてみれば容易に察せられることですね。旧姓は喜屋武ということから芸名の「きゃんひとみ」さんが生まれたのでしょう。声の様子がとても若かったのですが、今年で50歳とか。お元気です。TV界のスタートは琉球放送の契約アナウンサー、正式の女子アナ試験の最終二人に残ったが、採用されず契約という形になったそうです。ところが契約アナというのは即戦力で何も分からないまま番組、現場を持たされ、自分で取材して自分で放送するという厳しい上京に放り込まれたようです。ただそのおかげでスタッフとの付き合いの仕方、いかに気に入ってもらっていい車、機材を回してもらえるかなどを学んだと言われます。そしてどうせ何でも自分でやるのなら東京でやったほうがいい、と決断して飛行機のチケットを買ったのです。もともと、父親に沖縄に帰って来い、局アナになれるぞと呼び戻されたといういきさつもあり、ある程度の経験をつんでまた東京で勝負したくなったということでしょう。若いときは一升空けるほどの酒豪、また一緒に飲んで騒げば他人もまた知人、という暖かさの残る沖縄出身ということで、本日は三代目三遊亭金馬師匠の「寄り合い酒」が演目に選ばれました。町内の若い衆が集まって酒を飲もうとするがみんなお金はもっていない。それなら現物調達してこよう、ということになって底の抜けた徳利と枡を使って酒をせしめてくる奴、犬が魚屋からくわえて走り出てきた鯛を横取りする奴、鬼ごっこの鬼になって角の代わりに鰹節を2本手に入れる男など。ところが、せっかくの鰹節のだしに褌をつけてしまったり、酒はお燗の番をさせた男が全部飲んでしまうなど散々。そんなおかしな話を人物描写巧みに金馬師匠が演じてくれました。だしと褌のシーンでは僕も思わず歩きながら笑ってしまいましたが、何とものどかで愉快、みんなで酒を一杯飲むにも段取りと工夫が必要だった、今の物余りと正反対の、貧しいけれど人情味溢れる時代の情景でした。ネットで探しましたが、なかなか同じあらすじはありませんでしたが、以下のような雰囲気でしょうか。・「金馬の寄り合い酒」http://blogs.yahoo.co.jp/cavan_club1954/53513102.html・「寄り合い酒」http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/05/post_8a61.htmlきゃんさんも、東京にはもうないが、このような雰囲気が沖縄には残っていて懐かしくなるとも話していました。最後にきゃんさんの出演される「天国からのエール」の宣伝をしていましたが、阿部寛主演で、音楽を目指す高校生たちを応援しながら病に倒れる弁当屋さんの実話を基にした映画です。聞いていてなかなか面白そうだったですね。・「天国からのエール」http://eiga.com/news/20101020/1/ではまた、明日か明後日、幸田さんのアップまで。
2010.12.05
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今週のゲストは産経新聞東京本社東アジア室長の山本秀也さんでした。岡山出身で北京大学卒業後、銀行を経て産経新聞に入り、おもに東南アジアの各国で特派員をしながら、産経新聞の中国支局設立交渉でも活躍して現在に至るようです。産経新聞は中国に対して報道の自由を求めたために、日本の新聞でただ一社1967年に追放され31年ぶりに復帰する、という骨のある報道魂を貫いたのです。そして我が家の愛読紙。産経新聞では阿比留さんが(ネットでは)有名でしたが、山本さんの名前は頭になく、ネットで確認して分かりました。岡山出身ということで、出身の岡山朝日高校の同窓会サイトにも情報がありました。・ http://park16.wakwak.com/~dousoukai-asahi/Welcome/DousouNow/Now2004/NowMedia/Media1610.html山本さんは「本当の中国を知っていますか」という本を出すほどの中国通、幸田さんも「周極星」という小説を書いており、番組は中国の話で盛り上がりました。基本的にお二人の考え、感覚は同じで、中国は一筋縄ではいかない国、知れば知るほど分からなくなるといいます。日本とは比較にならない格差社会で、沿岸と内陸の格差は、国が違うほどのもの、先進国が安い労働力を求めて東南アジア、中国、インドと移って行くのと同じことが国内でできてしまうとも語ります。僕も中国が発展できたのは、国内に植民地あると言えるほどの経済格差があり、無限に安い労働力を調達できることに大きな理由があると思っています。そして中国はまさに人治の国、決して開かないと思えたドアが一瞬にして開いたり、1ヶ月前まで磐石と考えた経済関係が何かの拍子にひっくり返ってしまうと山本さん。中国人の交渉には原則として譲れない部分とネゴ代が必ずセットでついてくる、一旦テーブルに着いたときは落とし処と面子を考えればなんとかなると続けます。幸田さんも感心する上海の発展は、中国人の日本以上に国際標準についていく頭のよさ、切り替えの速さにも理由があるようです。講演会などでは、日本の企業がここで利益を上げるにはきちんとした出口戦略が必要、と話しているそうです。中国における反日デモも内陸と沿岸部では動機が違っており、内陸では政治不信や民族問題の批判にも反日が使われておりそうすればデモがしやすく、人も集まりやすいという面があると語ります。反日も方便、というところです。かつては反日デモが吹き荒れても、ある程度ガス抜きをしたあとは収めるシグナルを送ってくれ、という政権から言ってきて、それに対して答えも日本側にあったそうです。たとえば靖国参拝問題とか。ところが圧倒的に日本が強力だった経済上の力関係もドンドン変化して、経済と軍事力をバランスよく伸ばした中国は、日本を切っても平気と思うくらい強気になったと山本さんは語ります。本当に、日本はこの20年間くらい、中国というカッコウの雛にせっせと餌を運んだ小鳥のようなものです。いまや図体も逆転して、養い親の命も風前の灯、そんな悲惨な関係です。今週はここまで、まあ常識的な情報に終始しましたが、来週は日本のマスコミの中で唯一、中韓に筋を通す産経新聞の人間、どのような話が聴けるか期待して終わります。ではまた明日。
2010.11.27
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今週のゲストは女優の京野ことみさん。残念ながら今回も知りませんでしたが、中学生のとき、映画「七人のオタク」のオーディションに応募して審査員特別賞を獲得してこの世界に入り、一人で上京、下宿して学校と仕事を両立させたガッツのある女性です。親もそんな彼女を広島の田舎から一人で送り出すなど勇気ある家族ですね。番組の中でも志の輔師匠の落語をよく聴いていると語って盛り上がっていましたが、ネットで調べると志の輔師匠の大ファンとのことでなるほど。今回の演目は六代目三遊亭円生師匠の「三十石」ということで、今日から大阪に夜下る三十石船のなかで演じられる人間模様、京の人、大阪の人そして江戸っ子も加わってなんともいい風情、初めて知り合った乗客たちが暇つぶしに始める謎かけ言葉遊びの楽しさを演じてくれました。音源は昭和51年5月とのことでしたが、ちょうどこの頃、52年か53年に僕も北九州の小倉で、円生の高座を見ました。懐かしい思い出です。さて、枕のあとの言葉遊びの部分ですが、まず「数の一の字」をお題にします。出来なかったら相手に上げる。すると相手はもらって「感心な寺の小坊主」と解きます。その心は「心棒(辛抱)すると十字(住持)になる」です。一の字に縦棒を入れると十の字になりますが、これを小僧さんも辛抱して修行を積むと寺の住職、住持になるとかけているわけですね。すると熊さん的な男が、そんなのは簡単だといって「二の字」をお題にします。そしてこれをもらって「道楽者の寺の小坊主」と解きます。心は「心棒(辛抱)しても十字(住持)にならない」と落とします。そこでお題を変えてイロハの文字ではじめます。イの字とかけて茶の湯の釜と解く。こころは炉(ロ)の上。ロの字とかけて「上唇の下」と解く。その心は「歯(ハ)の上」こんな風に続きます。・言葉遊びの部分;http://www.pippo-jp.com/runde/spot/y03/nazokake.html最後は歌舞伎の長い科白で落としますが、それにしても今の世の中、旅の途中で知り合って楽しく会話を交わすということも少なくなったようです。江戸時代まで返らなくてもかつてはこんな交流がそこここであったのだろうな、と懐かしく感じられました。関西といえば花うさぎさんのブログなどに「尖閣列島侵略糾弾 頑張れ日本!全国行動委員会」の大阪集会、デモ行進(H22.11.20)の様子がアップされていました。3000名以上の普通の人が動員無しに集まり、日本の現在の危機を何とかしたい、という思いを表明しました。普通の人が日の丸を掲げてデモ行進して、最後は君が代を歌い、天皇陛下万歳を唱えるなどホンの一年前には考えられないことですようね。民主党政権下の政治の混迷にどうしようもない怒り(民主党は既得権として衆議院議席を握り続け、人気まで解散しないつもりのようです)の声を上げるようになったわけでしょう。これらの声がもっと大きく巻き上がり、政治の見直し行動につながることを願わざるを得ません。ではまた。
2010.11.21
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今週のゲストは阿刀田高さんでした。先週は山口に帰省したので聴けなくて、今週は2週目です。阿刀田さんは短編小説の名手として有名ですが、僕は以前「小説現代」のショートショートストーリィズ(読者の投稿作品を阿刀田さんが選者になって評価、優秀作品は雑誌に掲載されます)で2回、「倫理」と「エレベーター」を採用してもらったことがあるのでまんざら知らない仲でもない?「エレベーター」は登場人物の内面を書けば短編小説になる、と評価いただきました。結局、そのままでしたが。阿刀田さん曰く、長編と短編を比べると、長編はリアリズムが大部分であり、人間をじっと書き込むことになるが、短編はウソをついてウソだけで終わることが出来る、そうです。スタインベックにチューインガムを主人公にした短編があるが、チューインガムを主人公に上中下の長編は書けない、と例えます。小説の王道は長編、じっくり書く、短編はいろいろな技を駆使して創造の世界を求める、両者は車の両輪のようなもの、と語ります。幸田さんが「阿刀田さんの作品は、終わったところでもう一度物語が始まるようなところがある、余韻が大きい」と感想を述べます。短編小説は登山にたとえると、読者を8合目から9合目に連れて行き、準備はできたから後は自分で山頂を目指してください、というようなものと阿刀田さん。材料は調えてあげたのだから、山頂に到達できないのは読者の責任ですよ、と突き放しているともいえます。つまり短編をよく楽しむには、読者自身の力が必要ということでしょう。だからこそ最近の、本を読んでいない若者には短編は受けないのかもしれません。彼らは全部を与えて欲しいと思っている、それでないと分からない、感動できないということなのでしょうか。もう一つ、最近の若い人の作品は自分の半径100m内の話がほとんどで物足りない、短編は日常とは違ったところで冒険できるもの、とアドバイスします。阿刀田さんの日常は規則正しく、仕事はほとんど午前中から昼間で終わらせ、夕方から夜はゆっくりするといいます。作品の出来にもあまり深刻にならず、まずは締め切りを守る。出来が悪かったときは一ヶ月かそこら、その作品が市場にある間は下を向いて歩く、と冗談っぽく語ります。その対極は井上ひさしさんだったそうで、最後の最後まで作品の質向上に努めますが、一つで頑張ると次に影響をあたえて、どんどん仕事を背負ってしまいます。結局は回りに迷惑をかけますし、つらく切ない仕事の仕方は自分には出来ないときっぱり。そうですね。規則正しく暮らして優雅に小説家を楽しむ阿刀田さん、さすがフランス文学専攻の作家ですね。ではまた来週。
2010.11.20
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今週のゲストはお笑いタレントを目指す女性を募集したホリプロスカウトキャラバンの「美・笑・女」コンテストで優勝してデビューした浜口順子さんでした。声と喋り方から10代の少女を想像しましたが、実はキャリア10年、25歳の女性ということで驚きました。志の輔師匠との共通点が、二人とも文鳥を逃がしてしまった、ということで話が始まりましたが、師匠のほうは子供の頃、買ってもらってすぐに逃げられたのに対して浜口さんの文鳥は「ほたて」と名づけた白文鳥、大阪の実家に連れ帰ったときに逃げられてしまったが、近所に張り紙をして探していたら2ヵ月後に見つかったという今年の夏の話でした。お笑いを目指したということもあって話し方もなかなか面白い女性、でもデビュー5年で芽が出ず、悩んでやめようと思ったこともあったとか。ちょうどその時、ミュージカルのオーディションの話が来て、これが駄目ならあきらめようと覚悟して臨んだら見事に合格、もう一度頑張ってみよう、と思い直して今に至るそうです。志の輔師匠に落語を聴いた経験を問われたところから、上野広小路亭での出会いを語り(ここは立川流の定席で、志らくの「時そば」を聴いたそうです)、今週の「金明竹」も既に聴いているとのことでした。さらには自分自身、大学の落研のメンバーを事務所に招いて落語を学んでいると明かして志の輔師匠も驚きます。なかなか本格的で、さすがに「美・笑・女」コンテスト優勝者らしいですね。落語のほうは、店先にやってきた使者の長口上を与太郎とおかみさんがうまく覚えられずに旦那に問われて適当に答えるという「金明竹」、まあこんなものでしょうか。・落語「金明竹」http://ginjo.fc2web.com/113kinmeitiku/kinmeitiku.htm今朝は「尖閣諸島中国漁船衝突事故のビデオ流出」問題をどんな風にマスコミが報道するのかと思って、普段は見ない朝の報道番組を探しましたが、テレビ朝日は大学駅伝でお休みのようで「サンデージャポン」をちょっとだけ覗きました。流出ビデオは昨日、ネットで見ていましたがやはりテレビのほうが動きも滑らかで中国船が突っ込んできた様子、ぶつかった瞬間もよくわかりました。番組ではテリー伊藤さんが「流出問題より何より、中国が悪いことをした、ということを忘れてはいけない」とまともな事を言っていました。TBSでももう抑えようはない、ということでしょうか。それにしてもこのご時勢、隠しても隠し切れずに流出するのは予測されたであろうに、中国にいい子でいるために自ら公開しなかった民主党政権の危機管理能力のなさ、そのくせ変に官僚を信用している甘さを明らかにして国内的には結果オーライだと思います。自民党にも飛行機が台湾に緊急着陸した際、飛行機から出ずに中華人民共和国に忠義立てして褒められようとした河野大臣のようなのもいましたからどっちもどっちですが、党内の統制も取れず、官僚も管理できない政治家集団はもうたくさん、というところ。中国に毅然とした態度を取れ!という国民の集会、デモ行進も4000人以上を集めるなどますます盛んになってきますが、この報道はありませんでしたね。しかし多くの人が知っています、初めての人の参加が増えています、確実に変わっている日本を感じます。民主党は多数を頼みに後3年間、政権を握り続けるつもりでしょうが、4年の任期は4年間をまるまる任せた、というものではありません。どんなにいい政権でも4年したら一度見直しますよ、という意味であり全く逆の考えです。一刻も早く選挙をするべきでしょうが、それをいうマスコミはなく、受け皿となる政党も頼りなく、見通しは暗いです。さてどうなるのでしょうか。
2010.11.07
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今週は倉津康行さんの二週目、先週の続きで、金利の上昇が危機の第三幕になるかもしれない、というところから始まります。まずは先週のヨーロッパ、アメリカの金融問題の流れで中国の問題を語りますが、なんとなく中国については、甘い気がしました。倉津さんは中国の状況を、矛盾を抱えているが、先進国が落ち込んでいる状況なので、チャンスと思って無理をしているところもある、と語ります。そうした中で、中国は日本や先進国のことを反面教師としてものすごく勉強している。日本が円高を強いられ、経済活性化を目指した金融緩和から、バブル崩壊に至った道をみている。安易なドル安容認は問題と分かっている、と幸田さん。ある意味で金融戦争状態、為替介入をどの国もやっている。これは1930年代と同じようなことだが、まだ着地点が見えない。(倉)中国は共産主義下の資本主義経済を取り、貧富の差など国内に大きな問題を抱えるがそれを日本にみんなぶつけて解決しようとしている。これはよくないことだが、マーケットが大きいだけに大きなインパクトがある。(幸)こういうやり方は日本だけでなく中国にもマイナスが大きい。それを上層部は分かっている。反日は得策ではないとわかっているので、どこかで舵取りを変えてくると思う。(倉)今回は分からないが、前回の反日暴動が盛んだったときも、1万人もの人が参加する反日デモがある一方で日本製品を欲しがる人が多くいるなど中国内でも温度差があった。それを反日デモなど悪いほうだけを映像で流すなどしていると日本は反中になる。冷静にならないといけない。(幸)「大人の対応」というが、世界からより大人と見られているのは中国であって、日本ではない。経済を何とかうまくやりたいということから国益、原則を譲り続けるのは違うと思います。(剛)しかし倉津さんも「世界のどの国を見ても隣国とは仲がよくない。中国と日本もよくある隣国関係であり、大人の対応ができるかどうか」と同調します。でもヒステリックに反日を叫んで騒いでいるのは中国のほうです。さらに「何でも合わすのはよくないが、価値観が違うということを大前提として付き合うしかない。何があってもおかしくない、と覚悟して付き合うべき」と全てを日本側の譲歩としているようで納得感はありません。中国は利上げをどう考えているのか。なかなか過熱感が収まらないからといって何度も金利を上げていて、これが上げ過ぎとなると急ブレーキになる。一旦金利上昇という薬が利き始めると、大きな国なので方向転換は難しい。何かが起こる可能性がある、とあくまでも注意をしながら中国と付き合うことを勧めます。中国に依存しているのは日本だけではなくて世界的問題。(倉)これもだからどうだというのか分かりません。中国はやりすぎの面がある。何とかソフトランディングしてほしい、と幸田さん。経済界の希望を語っている気がします。ここで話題が変わって、世界のメディアと日本のメディアの違いを語ります。倉津さんは、日本のメディアは情報も狭く、発信力もない、ということで、90%は英語のニュースを見ているそうです。メディアに関して日本社会は鎖国状態。英語を自由に使えないということで、今の世の中の10%くらいしか分かっていない。英語を使って情報を仕入れると共に、英語で発信しなくてはいけない。中国の問題も堂々とこう思うと世界に向かって言っていけばいい、と倉津さん。メディアの問題はその通り。今後、来るであろう危機を乗り切るにはどうしておくべきか。(幸)どこが引き金になって経済危機が起こるのかはわからないし、どこから日本に入ってくるか、感染ルートは確定しにくい。(倉)株の上下動は分かりやすいが、金利はジワジワときてグンと上がる。きたときはドンといくので、もう止められない。言えるのは「分からないものには投資をしないほうがいいということと、分けておくのがいい、ということ。日本の富裕層はすでに海外に資金を移している。はっきりと表には出ないが、キャピタルフライトが起こっている。(幸)しかし、ブラジルやインドが調子いいといっているが、我々はそれらの国のことをよく知らないのです。(倉)決して金融危機を煽る訳ではないが、何かあると大変。そうした中で日本は800兆円が国債に行っている。これをもっとまわしていくべき。(幸)この「金利の急上昇が怖い」ということと「ほとんどの金融資産が国債に行っているのは問題」ということがどうつながるのか、よくわかりませんでした。これらの資金が株や他に移動すれば一気に金利は上昇するのではないでしょうか。最後はよくわかりませんでしたが、危機が近い将来にある、というのがお二人の考えのようです。本当にどうすればいいのか、不安になってまた来週。
2010.11.06
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今週のゲストは高校時代から落語にはまって自分のiPadにもCDを保存して聴いているという20歳の女優、南沢奈央さんでした。正直言って名前も顔も知りませんでしたが、落語、特に古今亭志ん生が好きとの紹介で、これはいい子だろう、と勝手に想像しました。さらに最も好きな落語が「柳田角之進」と聞いてびっくり。こんな若いこの口からこの名前が出るとは。僕も以前どこかで書きましたが志ん朝師匠の「柳田角之進」をTBS深夜の落語で観て感動して涙を流したことがあります。落語で泣いたのは初めてだったなあ。・柳田角之進;http://hp.kutikomi.net/tcue-bungei/?n=column8ということで、今日の落語は志ん生師匠の「粗忽長屋」です。昭和35年の音源、ということで若干聴き辛かったですが、何しろお客さんのよく笑うこと。僕は映像では志ん生師匠を見ていませんが、きっとしぐさも顔つきもおかしかったのでしょう。そしてあの独特の間と声、いいなあ。それにしても「行き(いき)倒れ」が何で死んでいるのだ?というくすぐりもいいし、自分が行き倒れて死んでいると聞いてその死体を抱き起こし、こいつが俺なら、俺は誰なんだ?と嘆く粗忽もののおかしさはまさにシュールな世界。やっぱり落語はいいなあ、で今週は簡単に終わりです。おまけせっかくですので、最近またやってくれたNHKの反日スタイルについて紹介したいと思います。今日の夕方、前に録画したNHKの「歴史ヒストリア」で日本とトルコの友情のきっかけとなった明治初期のエルトゥールル号の遭難のストーリィを見ました。さすがのNHKもこの素材では反日テーマは難しいのではと思っていましたが、やはり毒がたっぷり含まれていた、とある意味でNHKの見事なまでの操作、編集に感心した。・エルトゥールル号の遭難;・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AB%E5%8F%B7%E9%81%AD%E9%9B%A3%E4%BA%8B%E4%BB%B6最初は遭難したトルコの人々を救った大島の人々が世界をいかに知らないか、と常識や風習の違いに焦点を当てたこと。無償の愛として身の危険も顧みず救助から介抱まで行い、ほとんど国から費用の援助も受けずに済ました庶民のたくましさがアピールできていませんでした。次に最悪だったのは、トルコの人々に対する義捐金が、国威発揚の手段として新聞社の宣伝で行われたこと、さらに本国まで送り返す役目を海軍が担ったことについて、海軍からの多額の募金により海軍が行くことが一夜にして決まったなど、あくまでも軍国主義での救助、遭難者返還であり、人間の自然の気持ちに基づくものとしていないことです。さらには民間で義捐金を集めて、直接、トルコに持っていくことになった山田寅二郎を、海外貿易で一山当てる野望を持った山師のように描写していたのも腹立たしかったです。そして日本が日露戦争に勝ったことでアジア中の人々を勇気付けた結果としてトルコに「トーゴー」など日本語の命名が人気になったことをあっさり流した上で、日本はトルコに、自分がされて困った不平等条約を押し付けようとした、とか第一次世界大戦では敵味方に分かれて戦ったことを強調するなど本当に違和感がありました。僕が今まで読んだ日本国民の素直な気持ちとしての義捐金、山田寅二郎の素晴らしい行動力の話とはまるで違う印象を受けます。もしこちらが真実に近いとしても、なぜわざわざ過去の日本人の功績を減ずるような取り上げ方をするのでしょうか。それくらいなら取り上げないほうがいいと腹が立ちます。素直に先祖の素晴らしさを今の人々、子供たちに知らせてあげたほうがどんなにいいことなのか。やはりNHKですね。ではまた来週。
2010.10.31
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