くれーじーくえいる ぶろぐ

くれーじーくえいる ぶろぐ

2012.09.09
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 去る7日、防衛省の平成25年度予算の概算要求が公表されました。
 来年度の防衛関係費の要求額は約4兆5,677億円で、前年度より約1.7%のマイナス。また、東日本大震災からの復旧・復興に関わる経費(東日本大震災復興特別会計)分として約1,607億円を要求しています。
 例によって、今回も概算要求に盛り込まれた項目の中から気になる点をいくつか・・・
 なお、先日官製談合疑惑が取り沙汰されたUH-X次期多用途ヘリコプターについては、来年度概算要求では予算等は盛り込まれていません。

*装備品調達関連
・新型護衛艦
 来年度概算要求で1隻が要求されている海上自衛隊の新型護衛艦。巷では3,000t前後の沿岸警備向け小型護衛艦になるのでは等々と噂されていましたが、蓋を開けてみるとあきづき型の準同型と思われる5,000t型汎用護衛艦でした。資料に載っているポンチ画を見る限りでは、新型護衛艦はあきづき型では前後の上部構造物に分けて設置されているFCS-3A射撃指揮装置のレーダー類を前部構造物に集約しているようです。また、推進形式として電気推進とガスタービンを併用するCOGLAGを採用するようで、海自でこの推進形式を採用するのは試験艦『あすか』(ASE6102)以来です。
 しかし、現在の4個護衛隊群隷下の汎用護衛艦はむらさめ型9隻、たかなみ型5隻、あきづき型4隻(2隻建造中)という構成になるので、そうなると新5,000t型の建造は2隻だけということになります。あるいはむらさめ型2隻を練習艦籍に編入するなりして4隻作るのか・・・
・690t型掃海艦
 現用のやえやま型掃海艦に替わる次期掃海艦として690t型掃海艦1隻が要求されています。新型掃海艦はやえやま型より若干小型化するものの、えのしま型掃海艇に続いてFRP船体で建造され、深々度機雷への対処能力を引き続き確保する予定です。えのしま型では予算不足により実現しなかった30mm機関砲も今度こそ採用されるかな?
・水陸両用車両
 先月下旬、陸上自衛隊が島嶼防衛の強化の一環として水陸両用車両の導入を検討中と報じられましたが、来年度概算要求でその配備の検討のための参考品として4両の購入が計上されています。性能確認や運用の検証等を行い、導入の可否について検討するようです。

 米軍ではAAV7の後継として開発していたEFV(遠征戦闘車輌)が国防予算削減の煽りを受けて中止されましたが、日本は果たして水陸両用車輌の独自開発に踏み切ることになるのでしょうか。
・"多用途ガン"改め・・・
 本年度予算で"多用途ガン"の名称で調達が開始された、恐らくカールグスタフM3と思われる新型火器ですが、来年度概算要求では 84mm無反動砲(B) として17門が要求されています。"多用途ガン"という自衛隊らしからぬあやふやな名称が気になってましたが、結局現用の84mm無反動砲の改良版として調達する形になるようです。
・スナイパー狩りシステム?
 国際活動関連装備の整備の一環として、射撃位置探知装置1式の取得が盛り込まれています。従来、敵からの狙撃に対しては大雑把な方向と位置を見当付けて火砲で辺り一帯ごと掃除するくらいしか対処法がありませんでしたが、昨今では敵の発射位置を音響装置や光学装置でより精密に探知するシステムが各国で開発されています。資料には機材の画像も載っていますが、海外製なのか国産化するのか気になるところです。

*装備品開発関連
・火力戦闘車
 現用のFH-70 155mm榴弾砲の後継として開発予定の火力戦闘車(装輪自走砲)の開発費として64億円を計上。03式中SAM等に使用されている重装輪車輌に99式自走155mm榴弾砲の砲部を組み合わせる形で開発費の低減を図るようです。
 ちなみに、同じく重装輪車輌をベースにした新規装備として、今年度に続いてISO規格コンテナを搭載可能な輸送用トラックの取得も1両分が計上されており、こちらは"10tトラック(PLS付)"が正式な呼称となるようです。
・新艦対艦誘導弾
 来年度概算要求では陸自の88式地対艦誘導弾の後継として12式地対艦誘導弾4両が計上されていますが、新たに海自の90式艦対艦誘導弾の後継として射程延伸や誘導精度の向上等を図った新艦対艦誘導弾の開発に着手するようです。かつて空自の80式空対艦誘導弾から88式や90式等を派生させたのと同様に、新艦対艦誘導弾は12式とのファミリー化により開発費用の低減を図るようです。

*組織・編制関連
 組織関連では、防衛省・自衛隊の情報通信ネットワークに対するいわゆるサイバー攻撃への対処能力を強化するため、中核組織となる"サイバー空間防衛隊"(仮称)の新編が大きな目玉となっていますが、その他にもいくつかの組織・編制改編等が計画されています。
・第7師団の即応近代化改編と第1戦車群の廃止
 陸自北部方面隊第7師団および中部方面隊第10師団の即応近代化改編が予定される一方、かねてから予定されていた北部方面隊直轄の第1戦車群の廃止がいよいよ本決まりになるようです。

・第6高射特科群の廃止および第15高射特科連隊(仮称)の新編
 MIM-23ホークおよび03式中距離地対空誘導弾を装備する陸自の8個高射特科群のうち、唯一師団・旅団単位(第15旅団)の隷下部隊となっている沖縄の第6高射特科群ですが、来年度に同群を廃止して第15高射特科連隊(仮称)へと改編し、名実共に第15旅団の番号を冠する隷下部隊となります。同群には今年から03式中SAMの配備が始まっていますが、現状の部隊規模のまま改編されるとしたら、師団・旅団隷下の高射特科部隊では唯一中距離地対空ミサイルを擁し、6個高射中隊編制の第7師団第7高射特科連隊に継ぐ規模となります。
・空自航空総隊に航空戦術団(仮称)を新編
 航空自衛隊の戦闘機部隊と高射部隊・警戒管制部隊を統括するメジャーコマンドである航空総隊の隷下には、同司令部飛行隊・警戒航空隊・偵察航空隊・飛行教導隊・高射教導隊・基地警備教導隊等の直轄部隊がありますが、現在各機能ごとに運用されているこれらの直轄部隊を一纏めにした航空戦術団(仮称)を新編し、複数の機能を連携させた部隊運用へと移行させる模様です。


 相変わらず厳しい予算状況の中で盛り込まれた今回の防衛省の概算要求ですが、果たしてどこまで通るのか・・・





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Last updated  2012.09.10 23:00:52
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