わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

August 15, 2007
XML
カテゴリ: 小説の話
■今日の名文。

今、空は悲しいまでに晴れていた。

■去年も書きましたね。今年も、これだけ暑いと読まないわけにはいきません。

昭和文学の奇跡と言われる梶井基次郎の短編小説「 城のある町にて


 峻はこの間、やはりこの城跡のなかにある社の桜の木で法師蝉が鳴くのを、一尺ほどの間近で見た。華車な骨に石鹸玉のような薄い羽根を張った、身体の小さい昆虫に、よくあんな高い音が出せるものだと、驚きながら見ていた。その高い音と関係があると言えば、ただその腹から尻尾へかけての伸縮であった。柔毛の密生している、節を持った、その部分は、まるでエンジンのある部分のような正確さで動いていた。――その時の恰好が思い出せた。腹から尻尾へかけてのブリッとした膨らみ。隅ずみまで力ではち切ったような伸び縮み。――そしてふと蝉一匹の生物が無上にもったいないものだという気持に打たれた。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  August 19, 2007 03:47:50 PM
コメント(0) | コメントを書く
[小説の話] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: