わたしは価値を創る

わたしは価値を創る

February 19, 2012
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カテゴリ: 小説の話
■「坊っちゃん」に続く、夏目漱石の青春小説の傑作です。

熊本からやってきた純朴な青年三四郎が東京で体験するあれこれを楽しげに、またセンチメンタルに描きます。

■冒頭が衝撃的です。

上京する電車内で知り合った女性に旅館に誘われて、同じ部屋に泊まる羽目になった三四郎青年は、一晩何もせず、その女性から「あなたは余程意気地のない方ですね」と捨て台詞を吐かれてしまいます^^

田舎者の青年が初めて出会う化物ですね。

■大学生になってからの生活も楽しげです。当初勉強熱心だった三四郎青年も、友人に感化されて、徐々に堕落(?)していきます。

友人の何某が、相当いい加減なやつで、笑いをとります。このあたりは、坊っちゃんにみられるユーモア小説のテイストありです。

■ところが、列車に轢かれた若い女の死体を見る場面などに、小説は暗い影を持っていることが分かります。

その後、三四郎の前に、美しい女が現われます。これが第二の化物です。



この女の描写が秀逸です。着かず離れず、下品にならず、善でもなく。そういう女の行動を描く漱石の筆が冴えわたっています。

■三四郎も相当慎重な青年ですから、行動を起こすわけではありません。それでも内面で振り回され、周りの評判となってしまいます。

劇的な場面はあまりないものの、内面中心のドラマで、物語を引っ張る筆力は流石です。

■それにしてもこの小説のラストは素晴らしい。

切なさ、感傷性と同時に、女の怖さ、それに翻弄された三四郎の成長を一気に見せてくれます。

青春小説の傑作と思う所以です。

三四郎池





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Last updated  February 19, 2012 11:05:53 PM
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