EX-FAX-CEのブログ

EX-FAX-CEのブログ

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ex-fax-ce

ex-fax-ce

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

フリーページ

2026.01.20
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類



ロスジェネ脱線学 #16 立ち止まるたび、少しだけ遠くなるもの
階段を上るのが、少しだけ億劫になった。
以前なら
今は、手すりに軽く指を添えながら
一段ずつ上る。
息が切れるほどではない。
だが、確実に昔とは違う。
体が先に教えてくる。
時間が進んでいることを。
ロスジェネ世代は
社会の変化には慣れすぎている。
制度が変わる
雇用が変わる
景気が変わる
価値観が変わる
外の世界が変わることには
ずっと適応してきた。
だが
自分の身体が変わることには
案外、無防備だった。
鏡に映る白髪
腰の鈍い痛み
夜中に目が覚める回数
どれも大事件ではない。
それでも
確実に
以前の自分を遠ざけていく。
若い頃は
未来は前にあるものだと思っていた。
頑張れば届く
走れば追いつく
積み上げれば上がれる
そう信じていた。
だが今は
未来は
追いかけるものではなく
迎えに来るものになった。
気づけば
前ではなく
横に並び
そして
少しずつ
背後に回ろうとしている。
それでも
不思議と恐怖はない。
焦りは減り
苛立ちも減り
無理に前へ出ようとする衝動も減った。
代わりに
「今日も歩けている」
という感触が残る。
階段を上る速度は落ちた。
だが
止まってはいない。
ロスジェネ世代は
望んでいない脱線を
何度も経験してきた。
レールを外され
予定を狂わされ
安定を失い
計画を描き直してきた。
だから
身体の変化という
もうひとつの脱線にも
案外、静かに順応していく。
これは諦めではない。
長い年月で身についた
「折れない曲がり方」だ。
若さは
戻らない。
だが
無理に戻す必要もない。
速く走れないなら
ゆっくり歩けばいい。
高く登れないなら
低い場所の景色を見ればいい。
階段の途中で
ふと振り返ると
夕焼けが思ったより綺麗だったりする。
ロスジェネ脱線学は
勝利の物語ではない。
変わってしまった身体と
変わらない世界の間で
それでも歩いている記録だ。
立ち止まるたび
何かは少し遠くなる。
だが同時に
今まで見えなかったものが
少し近づく。
脱線は終わらない。
歩き方が変わるだけだ。
そして
今日もまた
自分の速度で
階段を上っている。
─────────────
EX-FAX-CE | NOTE執筆家
「ロスジェネ氷河期的視点 ― 情に生き、言葉で立ち上がる」
「ゆるぎなく、まっすぐに」
「言葉は、再起動ではなく継続の証」
▶ EX-FAX-CEとは▶ ロスジェネ脱線学 ▶ 一瞬永遠 ▶ 笑いの臨界点
X:@zdocomo / note:/exfaxce
─────────────





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2026.01.20 07:19:58
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: