Pathetic Sky
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気がつけば、開設から四年目突入ハレです三周年ですよ。■この一年中三のときにHPを開設して、もう三年がたっただが、この一年ほどHPを更新していないときはない詩も、小説も、この日記もずっとほったらかしだそれでも、まだ、このサイトが残っているのは、楽天さんに失礼だよなぁ…というわけで、しばらく止めていたものを再開、再生したいと思いますといっても、また疎かになったり、更新が遅かったり、やれ勉強が、やれ受験が、やれ学校が、やれ塾が……なんて言い訳するかもしれませんそれでも、まだ、このサイトに訪れる方たちが、何か感じていただけるのなら、活動を続けたいと思います■再生→暗闇のダンデライオン「0:prologue」「ハァ、…ハァ……ん…ハァ、……」草むらを駆ける一人の男。「ハァ、ハァ……クソッ!…」ただひたすら、木々の隙間を駆けていく。「ハァ……ハァ……ハァ、」季節に似合わぬ薄手の男。「ハァ……何なん、だ…アイツは……!」暗闇を掻き分けて走る。時刻は深夜。森の中。五十歳ぐらいの中年の男が息を切らして走っている。男の纏っている布はきわめて薄手のものばかりで、とても今の季節に合わせたものではなかった。とは言え、息を切らすほど走れば自然と汗も出てくる。しかしそれには恐怖の色がにじみ、体中を濡らす冷や汗となっていた。何故男がそのような薄手の服装なのか。何を必死に走っているのか。何に恐怖し、冷や汗を流すのか。男は逃げている、『アイツ』から。やがて男は限界を感じたのか、周りの木々より少し幹が太めの木に手をつき、そのままそれを背にして座り込んだ。乱れた息は一向に収まらない。鼓動は加速してゆく。体は恐怖で震えているのに、とめどなく汗は流れる。しかし、時間が流れれば自然と収まってくる。恐怖心はいまだ震えるばかりだが、死体のように固まっていた筋肉も、今はだんだんと弛緩してきたらしく、三角座りから足を崩すほどになっていた。――――何が起こったのだろう…つい数分前のことがフラッシュバックする。しかし、理解は出来ていたはずだった。何故そのようになったのか、心当たりは山ほどあった。それでも、どうしても先ほどの事件が飲み込めないままだった。いつもと同じことだ。命を狙われることなんて、日常の一つのようなもの。だが、いつもと違っていた。遠くから狙撃されたり、近づいてきた不審者に襲われたり、従者がスパイだったり。そんなことならいつでもあった。それなら当たり前のように付き人が命をかけていつも守ってくれた。だから、今日の事件は違っていた。唐突に襲われるのではない。襲撃に来ているのは正門の監視が『アイツ』にやられた時点でわかっていた。『アイツ』は屋敷の人間を次々に殺め、静かに近づいてくる。何人もの人間が殺されていくその地獄絵図は、赤々と鮮明に脳裏に焼きつく。今まで多くの血を見てきたのに、比べ物にならないくらいのそれが屋敷中に流れていた。『アイツ』が男のいた部屋に来る前に付き人たちは男を裏の森に逃がした。それからどれだけの時間が過ぎたのであろう。逃げる途中、遠くから銃の音や叫び声が聞こえてきていたが、今はそれもやんで森は静けさを取り戻している。今の男にはそれすら恐怖心を駆り立てる要素となるのだが。落ち着いてきたのか、それとも体内の水分を使い果たしたのか、男の汗が止まっていた。その汗を持っていたハンカチで拭うと、自分にまだ体があると気付かされた。――――生きているのだ、私は…。そう、思ったときだった。ザアァ…と少し強めの風が正面から吹いてきた。木々は揺れ、草花も音を立てているが、それとは別の風だけで出せない音が、小さく響いた。ごくごく小さな音だった。しかし無機質なそれは男の体の芯に大きく響いた。鼓動が早くなる、足が再び震える、搾り出すように汗が噴出してくる。そして風上にある目の前の闇から、闇が浮き上がってくる。男は声を失った。叫べない。しかし、叫んでも誰も来ないと気付いてもいない。「会津靖彦(あいづ やすひこ)…だな?」闇からの問いかけに、男、会津は答えられなかった。その無言の震えを肯定と捕らえたのか、闇は銃口を会津の額に突きつけた。「ヒッ…」とやっと出てきた悲鳴をかき消すように再び風が吹いてきた。だが吹き消されたその声を取り戻そうと会津は必死に口を開いた。「お、お前は、…いった」そこまで発言した途端、銃口は口の中にねじ込まれ、芯に響く大きな音を立てた。口内から銃を引き抜かれた会津はその支えを失い、そのまま横に倒れこんだ。それをただ見つめていた闇は、闇に包まれた男は、銃をしまい通信機を取り出した。少し雑音が目立つそれから、女の声が聞こえてきた。「『ダンデライオン』、報告を。」「『ターゲット:会津靖彦』は始末した。」「ご苦労様。じゃあ、そこから離脱。形跡は残さないように。」「了解。」強く吹いた風は通信状況を悪くさせ、ノイズが耳元で響いている。通信機を切った彼は、再び闇の中に消えていった。
October 23, 2006
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