真弓定夫先生の著書『子どもたちに贈る12章』、今回は第2章をご紹介します。
真弓先生はこう問いかけます。
同じ症状が出た時、それを「元気」と考えるか「病気」ととらえるか。この違いで、その後の経過に大きな差が出てくる、と。
我が国には「鼻たらしは達者」という言い伝えがあります。寒い時にうす着で戸外を飛び回っている元気な子どもが鼻水をたらすのは当然のこと。ところが病院に行けば「かぜ」と診断され、対症療法の薬を飲み続ける…。
聖路加国際病院の日野原重明先生は「知識は健康にしない」と言われたそうです。病気の知識よりも、病気にならないための生活環境全般の知恵を身につけ、それを次世代に譲り渡すことが大切だという意味です。
真弓先生は明確な判断基準を示しています。
外に表出する症状は、自分で治そうとしている姿
体内に貯め込む症状は要注意
ただし、外に表出する症状でも、次の5つのいずれかが崩れた時は受診しましょう。
この3つ―食事・睡眠・排便は健康を保つ三大要素なのです。
症状が出たら、身体から何が失われているかを考え、それを補給します。
まず水分補給
そして本来の「薬」を
真弓先生は漢字の成り立ちを示します。「薬」という字には上に「草」があり、下に「木」があります。
家庭の台所は薬局である――この考え方を子どものうちから身につけることが、病気から身を守る何よりの要諦になるのです。
排気ガス、冷暖房器具、化学繊維の衣類、欧米化した食生活、夜型の生活リズムなど。これらには国民も関心を持つようになりました。
日本人の免疫力、つまり自然治癒力の著しい低下。これにはほとんど目が向けられていません。
なぜ免疫力が低下したのか?
戦後わずか60年余りで、連綿と受け継がれてきた日本の伝統文化が急激に欧米化してしまったことが最大の原因だと真弓先生は指摘します。
中国・周の時代の医者のランクづけ:
今の日本では、これが逆になっていないでしょうか。
古代ギリシャの聖医ヒポクラテスも言いました。
「食で治せない病気は医もこれを治せない」
そして、こうも言い残しています。
「人は食べものを1/4は自分のため、3/4は医者のために食べている」
身体に合わない食べ物を食べて病気になり、病院と薬屋を儲けさせているという意味です。終戦後の日本の現状にあまりにもぴったりと当てはまります。
真弓先生が最も大切だと説くのは、病気への向き合い方です。
病気は自分自身でつくったものという自覚を持つこと。
「病気に対してすらも、現在表れていることの中からよい点を見出して、それが自分に対して何かを教えてくれているのだと思い感謝する謙虚さがよい結果をもたらす」
この言葉に、医師としての真弓先生の深い洞察を感じます。
日頃、調剤薬局で働いていて思うのは、薬に頼り過ぎると内面的な成長がスポイルされるということです。
症状が出た時、すぐに薬で抑えるのではなく、「身体が何を伝えようとしているのか」に耳を傾ける。そして生活環境や食事を見直す。そんな姿勢が、お子様の健やかな成長につながるのではないでしょうか。
次回は第3章をご紹介します。
治療より予防。薬に頼る前に、まず健康的な生活習慣を。
子どもたちの未来のために、今できることから始めませんか。