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October 16, 2005
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立川談志遺言大全集(11)
立川談志遺言大全集(11)


1985年初版の『あなたも落語家になれる』を若干の再編集を行ったもの。
三遊亭円生の落語協会脱会の真相。
ついで談志師匠自身の脱会と立川流立ち上げの真相が語られている。
それだけではなく、談志師匠による落語史や、落語に対する考えも述べられている。


談志師匠の持論として、「落語とは人間の業の肯定」というものがある。
何も落語に限らず小説でも映画でも全てのフィクションについて、「人間の業の肯定」というものが当てはまると思う。
つまり、人間が本来持っている業、分かりやすく言えば、本音、本心、悪心を芸人が芸という形で体現することで、一般人の持つフラストレーションを解消してきたのだ。
つまり、「あいつの腕時計、いいなぁ、盗っちまおうか」だとか、「先輩の奥さん綺麗だな、俺のものにしたいな」だとか、「あいつ、俺に酷いことしやがった。殺してやろうか」だとか、そういった一般人の持つ願望を芸という形で実現して見せるのが芸人(この場合は、演技をする俳優も、文章を書く作家も入るだろう)の芸の一部なのだと思う。
それらの願望は法律によって、窃盗、殺人、婦女暴行といった罪に問われるからしないし、もっと言うと、モラルというものがあったから、できなかった。



ちょっと親に注意されただけで親を殺してしまうし、欲しいものは殺してでも手に入れようとする。
全ての人間がそうだとは言わないが、人間が業を剥き出しにする時代となった。
業を剥き出しにする人間を演じるフィクションの芸よりも、実際に起こったノンフィクションの事件のほうがおもしろいから、TVではそんな事件のオンパレード。
「昔はこんな事件は少なかった」と聞くが、事件の量・質は現在に及ばないとしても、事件自体はゼロではなかったのではなかろうか。
ただ、「報道されなかった」もしくは「報道できなかった」というだけ。
今はバンバン報道する。
事件が低年齢化、残酷化、意味不明化していのは、そういう需要が増えているからだという気もする。
「誰が残酷な事件を好きこのんで見ようか」という人もいるが、人間の(日本人だけかもしれないけど)野次馬根性により、ワイドショーという番組は成り立っている。
興味があるから垂れ流すし、見たいから見る。
犯罪者にも、妙な功名心があって、そういった需要を肌で感じて、次々と犯罪をエスカレートしていくから、ネタに困らない。


話が逸れた。

よく「最近の芸人はつまらない」という意見を耳にする。
全体的な芸人の質については、長くなるのでここでは省略する。
仮に質は変わらないとしても、現在の「フィクションよりもノンフィクションを面白がる」風潮からすれば、実際に起こった事件よりももっと奇想天外なことをしないと客はウケないだろうし、納得しないだろうと思う。
でも、「事実ハ小説ヨリモ奇ナリ」。
そう事実(ノンフィクション)よりも面白い小説(フィクション)なんてないよなぁ。





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Last updated  November 12, 2005 02:38:10 PM
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