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January 19, 2006
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立川談志遺言大全集(1)
立川談志遺言大全集(1)


<白井権八>
浪曲師・広沢瓢右衛門師直伝の噺。
よって、もとは浪曲の演目なのだろう。
浪曲・講談の類いを文字にしても、修羅場の切迫感が伝わるかどうか。
と言う私に、この噺の面白さが伝わってこない。
浪曲のリズムを知っていれば、それなりに脳内再生によって楽しめることができるのだろうが。
この『白井権八』自体も、これから幡随院長兵衛(バンズイインチョウベエくらい、一発で変換しろ!)との本格的な絡みがあるらしく、長い噺のほんの一部分らしいのだ。
ちなみに、浪曲・講談の類いはダイソーに行けば100円でCDを買える。
興味のある方は是非。

そういえば、100円ショップに売ってたのと同じCDがパッケージだけ変えて書店で1000円弱で売ってたっけ……。


<竃幽霊>
「幽霊が出る」と評判のへっついを道具屋から引き取った熊公。へっついが割れたところから300円の大金(当時)が出てきた。その晩現れた幽霊、もとは左官でバクチで儲けた金をへっついに塗りこんだはいいが、フグに当たって死んでしまったという。熊公と幽霊は、150円づつ分け合い、バクチをすることに……。
へっついというのはかまどのことね。
いいへっついで、すぐ売れちゃうんだけど買ったその晩に幽霊が現れ、翌日の朝にはまた道具屋にひきとってもらい、店頭に。
商品自体は良いから、また売れる。そして幽霊が出て、また引き取る。
売っては引き取り、売っては引き取りの繰り返しで「あの道具屋の商品には幽霊が憑いている」と噂がたち、店の評判はガタ落ち。
そこで、熊公に1円を付けてへっついを引き取ってもらうのだ。
談志師匠の解説にもあり、私も疑問に思っていることに、
「道具屋には幽霊が出ないのか?」
いつ、どのような経緯で道具屋がこのへっついを入手したのか?が、まづはっきりしていない。

談志師匠は解説にて独自の見解を述べているが、勝手ながら私の考えも付け加えて発表したい。

第一日目昼:道具屋がへっついを入手。店頭に並べる。最初の客が買う。
第一日目夜:客のもとに幽霊が出現、夜中に客、道具屋に駆け込む。
第二日目昼:道具屋、最初の客からへっついを引き取る。店頭に並べる。次の客が買う。
第二日目夜:次の客のもとに幽霊出現。

   ・   (以下、売る→幽霊→引き取るの繰り返し。)
   ・   (この間、へっついは昼間は道具屋、夜は客の家)
   ・   (十日の間に、悪い評判がたつ)
第十日目昼:道具屋、客からへっついを引き取る。熊公、へっついを道具屋から引き取り、300円発見。へっついは運ぶのを手伝った若旦那の家。
第十日目夜:見つけた金で熊公はバクチ、若旦那は吉原。若旦那の家は不在。よって、幽霊を見たものはいない。
第十一日目昼:熊公、若旦那、朝帰り。
第十一日目夜:若旦那の家に幽霊出現。若旦那、怖くなって熊公の家に駆け込む。
第十二日目昼:熊公、若旦那の実家に行き、300円を貰ってくる(幽霊に返すため)。
第十二日目夜:熊公、幽霊と対面、バクチをする。

↑上のようなタイムテーブルなら、道具屋に幽霊が出なかったことが説明できる。
道具屋に幽霊が出なかった理由は説明できるものの、今度は道具屋がへっついを入手した経緯がわからなくなる。
とある客から買い取ったものなのか、市で入手したものなのか。
いずれにしても、「幽霊が出る」という謂れは無かったはずは無い。
ここで談志師匠の解釈が生きてくる。以下、それを要約。
幽霊、閻魔さまの順番待ちをしていたが、「地獄の沙汰も金次第」ということを聞き、へっついに隠した300円が惜しくなる。そこで幽霊となってあのへっついを探索。道具屋で発見したが売られてしまい(上記タイムテーブルで言うと第一日目昼)、幽霊は夜にしか出られないから、その夜(第一日目夜)、最初の客の家に現れた。
これでスッキリしませんか?
……ナニ?「落語だから適当でいいじゃないか?」
ハァ、それも一理ありますな。


<猪買い>
もとは上方ネタで、原題は『池田の猪買い』。
猪の肉を買いに、江戸から秩父の山奥まで出かける男の噺。
当時の道中の地名の言い立てが聴きどころなのだろうが、活字だとよくわからない。
加えて、九州の田舎者、関東の地名を出されてもチンプンカンプン。
田舎で道を尋ねたところ、「左が葱畑で右が菜畑、それを右へ行くと桑畑に続く。左が麦畑、その先に芋畑。右が茄子の畑で左が南瓜畑で……」
と、男「こっちは実がなって初めて何の畑かわかるんだ。何も無いのっぺらぼうでわかるか!」(以上は要約)。
ごもっとも。





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Last updated  January 22, 2006 12:17:18 PM
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