electric light pole

electric light pole

PR

×

Free Space

周りがつまらなくなったのではなく
私が変わったのだと思う。

Calendar

Archives

2026.10
2026.09
2026.08
2026.07
2026.06
2005.12.11
XML
テーマ: 鬱病(2271)
カテゴリ: リスカ
あの時。

そう、夕暮れ時
まだ蒸し暑い 残暑の夕暮れ

君はいきなり泣き出した。
商店街
パチンコ屋の前
行きかう人ごみの隅っこ

君はいきなり
顔を両手で覆って


ぽろり ぽろり
細い腕に巻かれた包帯
白い肌
君はいきなり
震えて
小さな吐息を漏らしながら

泣いてた。


僕はどうしていいかわからなかった。

大丈夫 なんて声をかけていいものか。
君を泣き止ませるべきか。
それともいち早くその場から立ち去るべきか。




あの後君は、友達に連れられて
僕と別れた。

僕は
何も出来なかった。しなかった自分が疎ましかった。

君は泣いてるだけで、何も言わなかったけども。



「なんでそんなこと平気で言うの」
「なんでそんな悲しいこと言うの」
「貴方の所為で私傷ついた」


アナタノセイ ワタシ カナシイ


バスの座席に、だらりと自分の身体を埋める。
たとえソレが人間の肉体でなくても
何かに自分を包ませていなければ
凍えて死ぬんじゃないかと、自分で思った。
バスの冷房はきつかった。
僕の心なんてあっという間に冷まされていく。

君が呪文でも唱えたんじゃないかと思うほどぴったりに
外から雨が降り出して、窓が曇った。

なきたいのは僕のほうだ。

少しそう思ったのは事実だ。
込み合うバス。隣の人に迷惑が掛かりそうなほど深く腰掛ける。
目を閉じて、泪を流すのをこらえた。


君を連れてった友達は
僕なんか邪魔なんだという風に
君の背中をさすりながら僕に
後は任せて。といって商店街の中に消えた。

「お前にコイツは救えない。」

スクエナイ キズツケル

君がいなくなる光景が僕の頭で堂々巡りを繰り返す。
目を開いても閉じても見えるのはその光景だけ。

救えない 傷つける 傷ついた 邪魔

場の空気が僕にそんな単語を押し当てる

申し訳なさそうに、携帯電話をまさぐる。
本当は、本当に申し訳ないのは僕ではないかもしれないけども。

そう、僕のせいで傷ついたのではないかもしれない。
だってそれは僕の推測でしかない。


 でも僕の推測 面白いくらい
    外れたことがないんだ。
 面白くもなんともねぇよ。ド畜生。


一生懸命、大丈夫を振舞う僕とふてくされる僕が会話する。

指は震えないけど、心臓は震えてた。
明らかにいつもと同じじゃない鼓動。
ビリビリと痛む肺。大きく吸って思い切り吐く。

メールをさっさとうってしまおう。
これでホントにいいものか。
そう考えないように、読み返さずに送信する。
これでいい。

たった1通打つだけなのに。
僕はまるで長いゲームを終えたような気分になった。

思っていたよりずっと早く君から返事は帰ってきた。


今日は迷惑かけてゴメンね。
君のせいじゃないよ。


ここで

そう、ここで君がメールを打つのをやめてくれたらよかったのに。


「君とはもっといい友達でいられると思ったのに。」


ひねくれた僕はいう。

ほら見ろ。やっぱりだド畜生。
なにが「イイ友達だ」そんなのこっちから願い下げだ。畜生。

声が裏返って、声になっていなかった。

大丈夫に振舞う僕も言う。

・・・本当に当たったよ。うーん。どうしたものだろうね。

決して大丈夫そうには聞こえない声で。


泣きたいのは僕のほうなのに。
土砂降りの雨は夕立ですぐにやんだ。
バスを降りると、ジメジメした蒸し暑さが僕を守る。


僕はそっと
携帯の電源を切った。


雨の音、耳に焼き付けて。
文章を目に焼き付けて。
新しい傷を心に刻み付けられて。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.12.11 15:54:59
コメントを書く
[リスカ] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: