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「公務員の給与を下げろ」と叫んでどうなるのか
最近、テレビに出演して消費税増税について論争する機会を何度かいただいた。つくづく感じることがあったので書き残しておきたい。
私は増税には大反対だ。ただし、それとこれとは次元がやや異なっている。「増税の前にやるべきことがある。まずは税金の無駄遣いを改めよ」という意見が出るのは当然だ。一般論として私も相手方の増税派も大いにうなずき、その場は収まる。
ところが視聴者の反応がすさまじい。「そうだ、公務員なんか全員クビだ、でなければ給料をドカンと下げちまえ」のオンパレードなのである。
懸命に話した消費税そのものの本質論など、まともに聞いてもらえないのかと思うと悲しい。それは確かに、就労人口の圧倒的多数を占める民間のサラリーマンや派遣労働者より、公務員の方が安定しているのだろう。だがそう思うなら、どうして自分たちにも公務員並みの待遇や権利をよこせと叫ばないのか。
まだしも比較的には恵まれている職種の人々を罵倒し、引きずり下ろすのに成功したとして、何かよいことがあるとでもいうのか。それでいて、まさに最悪の条件で働く労働者を搾取して、何億円もの上前をハネている企業経営者や株主らに対しては、皆さん、ジッとガマンの子なのだった。
公務員の給料が下がれば、民間はさらなる人件費削減の好機と捉えよう。経営者や官僚や政治家や、要は世の中を支配する側から見たら、これほど都合のよい国民も珍しい。今やこの国の多数派は、上に搾取される以外の生き方を認められなくなっているのではないか。
(中略)
連帯して抗わなければならない時なのだ。虐げられる側の人間が反目し合うように仕向けられている現実に、いいかげんに気づこうよ。