瀬戸キリスト教会牧師 西風の会代表 堀 俊明  精神障害2級 (躁鬱病,アルコール依存症)

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2006/10/17
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カテゴリ: 牧師の視点
 根津医師が祖母が娘の代理母になり、孫を出産したと発表しました。50歳代の祖母は既に閉経していましたが、治療により子宮の機能を回復させたそうです。30歳代の娘と夫による体外受精卵を祖母の子宮に戻し、出産させました。

 根津医師は確信犯ですから、彼と生命倫理を議論しても無意味でしょう。彼は医師免許を所持し続ける限り、より高度の先端生殖医療技術を取り入れた手術をし続けるでしょう。彼のクリニックを尋ねる患者もなくなることはないでしょう。
 医師が患者の求めであればどのような治療をしても構わないのならば、医師は単なる技術者に堕落してしまったと言えます。売買された腎臓の移植手術を求められるままに施し、臓器売買も時には必要だといった医師と同じレベルです。
 生殖医療は加速的に発展しています。原理的には精母細胞と卵母細胞さえあれば、それらを基にして精子と卵子を創り、体外受精させれば受精卵ができます。受精卵を人工子宮に受胎させれば、赤ちゃんを出産させることができます。
 SFで描かれている未来社会が現実となる可能性があります。赤ちゃんは工場で出産されるので少子化は克服されます。総てが計画的にコントロールされる世界ですが、その様な世界に人間が果たして適応できるかが先ず問題になります。
 「赤ちゃんは天からの授かり物」というのが日本人の生命観です。人間が顕微鏡下で精子を卵子に受精させ受精卵を創ることからして日本人の生命観に反しますが、さらに赤ちゃんを工場で育てる発想は日本人の生命観とは相反します。
 キリスト教的な倫理観からすれば、生命の主は人間ではなく神様ですから、西欧諸国では生殖医療に厳しい制限が掛けられています。向井さんがアメリカで代理母により双子を得ることができましたが、州により法律が違うからです。
 人間は自然に不用意に手を加えると環境破壊が起こり、人類の存続にも拘わることを学びましたが、生命に手を加えることは人間社会を破壊する一歩に繋がるかも知れません。科学技術万能主義は既に過去の遺物となっているからです。

 生殖医療を人間の善意、使命感で判断してはならないのです。自分の遺伝子を残したいのは生物としての本能ですが、人間は養子を迎えることもできます。子供を欲しい夫婦の要求を社会が無制限に許容するのは根本的に間違っています。
 生命倫理の確立は現代文明が環境破壊を引き起こした過ちを繰り返さないためにも必要なのです。無原則な生殖医療の普及は社会を根底の部分から破壊するかも知れないからです。厚労省は世論に迎合し、政策判断を誤ってはいけません。

瀬戸キリスト教会 HP





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最終更新日  2006/10/17 11:18:30 PM
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