瀬戸キリスト教会牧師 西風の会代表 堀 俊明  精神障害2級 (躁鬱病,アルコール依存症)

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2006/11/08
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カテゴリ: 医療
 腎臓売買事件が起きた徳洲会病院で、万波医師が病気で摘出された腎臓を移植したケースが数十件もあることが明らかにされました。万波医師は「捨てる腎臓を有効に利用して何が悪い」と主張していますが、常識的に考えるならば生体移植が可能な腎臓ならば摘出する必要があったのかという疑問が湧きます。
 マスコミは医師の倫理に反すると万波医師パッシングに走っていますが、レシピエント、移植を受けた患者のコメントが報道されていません。腎臓移植は人工透析を受けているレシピエントを機械から解放する究極の医療です。QOL、生活の質を高めるために手段を尽くすのも医者の使命なのかも知れません。
 医療関係者のコメントは確かに正しいのですが、人工透析で苦しんでいる患者の苦痛に対する配慮が感じられません。腎臓の移植を受けなくても人工透析を受ければ生きていくことができるという主張は患者の苦痛を無視した主張です。
 万波医師は「脳死移植、生体移植に継ぐ第三の道だ」と主張していますが、レシピエントが充分なインフォームドコンセントを受けてなされた手術ならば、第三者が口を挟む問題ではありません。一方、腎臓を摘出する過程において医療倫理にもとる行為がなされなかったかを第三者機関で検証する必要があります。
 日本の医師の世界は保守的です。批判はするがリスクは負わないのが彼らの習性です。万波医師はその様な学会に愛想を尽かしたのだと思いますが、医師の原点である医療倫理に対する配慮が疎かにされていた側面は否定できません。
 例えば、ガンを除去した腎臓を移植すればガンが再発する危険性は高くなります。特に免疫抑制剤を服用していればその確率はかなり高くなるでしょうが、それでも、例えば高齢者などでリスクを伴う手術をあえて望む人もいるでしょう。
 現代の医師の倫理としては病腎移植は避けるべきなのでしょうが、臨床医の立場からすれば別の医師の倫理が成り立つのかも知れません。廃棄される腎臓を求めてネットワークができているのですから、万波医師を支持する臨床医もいます。
 腎臓移植の第一線に立つ医師の判断をマスコミや医事評論家の感情論ではなく、客観的な事実を積み上げて検証する必要があります。医師は患者の利益を優先しますが、それが他の患者の利益を犯すものであってはならないからです。
 腎臓を治療のために必要のないのに摘出されたと訴える人もいますが、マスコミに踊らされている証言のような気もします。廃棄される腎臓でも移植して欲しいという患者の声には、健康な人間には分からない切実なものがあるのでしょう。

 素人判断ですが、廃棄される臓器が有効に活用されるのならば、倫理委員会で審査を受けたケースに限って臓器移植を認めても良いのではないでしょうか。第三者の原則論では解決できない問題が今回の事件の裏にはありそうだからです。





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最終更新日  2006/11/08 08:54:03 PM
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