瀬戸キリスト教会牧師 西風の会代表 堀 俊明  精神障害2級 (躁鬱病,アルコール依存症)

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2007/03/06
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カテゴリ: 医療
 万波医師の病腎移植に対してい宇和島徳洲会病院の調査委員会は肯定的な調査結果を、移植学会などは否定的な見解を発表しましたが、第一線の現場で働く臨床医と学界の権威者との見解が相反したのは予想されていたとおりでした。
 学会は病腎移植を不適切と決め付けました。厚労省も学会の見解に沿った規制をすると予想されますが、人工透析で苦しんでいる患者の声に応える姿勢が見られません。死体腎移植は希望者15000に対し150例、100人に1人だそうです。
 日本では死体腎移植の可能性がないに等しいので外国で生体腎移植を受ける患者が増えてくるでしょう。フィリピンでは生体腎移植が国を挙げて制度化されそうです。日本では生体腎移植ビジネスが闇の世界で活況を呈しているそうです。
 患者には腎臓移植が究極の治療です。人工透析患者30万人の多くは糖尿病の合併症から腎不全になった人たちですから、週3回の人工透析を受けに行くための肉体的な負担は想像を絶します。国の経済的な負担も少なくありません。
 経済的なゆとりのある患者だけが国外で生体腎臓移植を受けられるとすれば、2重の意味でモラルハザードが起きます。富める者だけが生体腎移植を受けられるとすれば、日本の皆保険制度、平等主義が根本的に否定されるからです。
 さらに富める国が貧しい国から生体腎臓を買い上げるのは倫理、人の道に反します。日本でもかつて売血制度がありました。売血がウィルスに汚染されていたことが問題になりましたが、医療倫理からも許されない行為とされました。
 中国では売血によりエイズが拡がっています。汚染された医療器具による採血がその原因です。地方の権力者が住民から強制的に血を集めているからです。生体腎臓が表のマーケットに載ればこの様な様々な弊害が出てくるでしょう。
 日本人はアジアの国々から吸血鬼だと非難されかねません。お金さえ出せばリスクは貧しい国負担の生体腎移植は札束で頬を叩く式の買収であり、かつてのエコノミックアニマルを連想させます。自己努力なしには許されない行為です。
 臓器移植の機会を増やすためには死体腎臓移植を増やさなければなりませんが、臓器提供者を増やすための努力がなされていません。病腎移植を否定するのではなく第3の道として活用できるように論議を積極的に積み重ねるべきです。

 移植学会の主張は正当でしょうが、移植の現場を無視した暴論です。例えば2つの内の一つ腎臓にガンが発見されたら摘出を望む患者は少なくないでしょうし、ガン細胞を除去した腎臓の移植を望む患者も少なくないでしょう。
 前者はガンの転移のリスクを避けるためですし、後者はガンのリスクよりもQOL、生活の質の向上を望む患者です。リスク管理は自己決定、自己責任です。QOLが低下した患者がリスクを冒して病腎移植を望む場合もあり得ます。
 移植学会、厚労省は病腎移植を健康者の論理で裁こうとしていますが、患者の論理で裁かれるべきです。医者や行政が患者の自己決定権を侵すのは許されません。病腎移植によるQOLの向上に伴うリスク管理の決定権は患者にあります。





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最終更新日  2007/03/06 10:23:25 PM
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