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2016.02.12
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★★★
56歳でホラーサスペンス大賞受賞の「九月が永遠に続けば」で遅咲きデビューした沼田まほかるたが、大藪春彦賞受賞の「ユリゴコロ」以降パッタリ単行本が発表されていないのが気になるが、実に1年半ぶりに著者の未読作の中でAmazonの評価も高い本作を読んでみた。

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。(裏表紙引用)

前半から中盤までを読んで、主人公の十和子が一緒に暮らす陣治への数々の罵倒の言葉がこれでもかというほど延々と続くので、陣治がだらしなく最低だとは思いながらも、十和子への反感をもつ気持ちがふつふつと沸きあがり、これは最後まで読み進められるのかと心配になるほどだったが、なんとか最後まで読み切れたのは後半の十和子の前恋人であり、十和子を捨てた黒崎の失踪の真実が明かされていく過程や十和子の浮気相手の水島への陣治の執拗な嫌がらせの理由など考えさせられる部分が多く出てきたからだと思う。またクライマックスに向けては十和子が何故こんなに壊れてしまったのか?黒崎を殺したのは誰だったのか?とてつもない真実が一つ一つ明らかになっていく。読後に思ったのはこれはミステリーではあるがれっきとした恋愛小説である。重苦しく、切なく、うーんなんだか表現が難しい小説ではあるが、これが沼田まほかるという作家の表現方法なのだと感心して静かに本を閉じた私です。





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最終更新日  2026.07.23 22:59:07
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