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2024.10.21
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★★★
先月後半に読んだ池井戸潤の「俺たちの箱根駅」から大好きな野球のペナントレース終盤からクライマックスシリーズが始まるなど、読書が少し後回しになっていたが、読書意欲は全く萎えていなかったのでそろそろ何か読んでみようかと考えていた頃、夏に図書館で予約していた、今村昌弘の作品で小学生3人を主人公にした「でぃすぺる」という変わったタイトルの本作を「屍人荘の殺人」シリーズ以外で初め読んでみた。

『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける
ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ
ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、〝掲示係〟に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。
優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。
マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。つまり、自殺の可能性はなく、マリ姉を殺した犯人が雪が積もる前に凶器を持ち去ったはず。犯人はまだ捕まっていない。
捜査が進展しない中、サツキはマリ姉の遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つける。それは一見地元に伝わる怪談話を集めたもののようだったが、どれも微妙に変更が加えられている。しかも、『七不思議』のはずなのに六つしかない。警察がこの怪談に注目することはなかった。そして、マリ姉に怪談を集める趣味がなかったことをサツキはよく知っている。
マリ姉がわざわざ『七不思議』を残したからには、そこに意味があるはず。
そう思ったサツキは掲示係になり『七不思議』の謎を解こうとする。ユースケはオカルト好きの観点から謎を推理するが、サツキはあくまで現実的にマリ姉の意図を察しようとする。その二人の推理を聞いて、三人目の掲示係であるミナが冷静にジャッジを下す……。
死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の〝掲示係〟が挑む小学校生活最後の謎。


本作は今村昌弘のデビュー作『屍人荘の殺人』から4作目で初めてシリーズ作品ではない作品のようだ。
夏休み明けの2学期初日にオカルトが趣味のユースケと優等生のサツキ、転校生のミナの3人が掲示係になり、壁新聞を作成することから物語は始まる。
その壁新聞の題材として、亡くなったサツキの従姉であるマリ姉が残した6つの怪談(7つ目を知った者は死ぬという)を順に調べ始める。3人の行動力、思考力は大人顔負けで到底小学生とは思えない。
調査が進むなか流石に小学生が真相の核心に迫ると、大人から妨害されるのがお約束で、結局壁新聞の掲示が禁止されてしまう。
この展開の結末は本格ミステリなのかオカルトなのか?はたまた麻耶雄嵩ばりの何でもありなのか?結末は読んでからのお楽しみと言うことで…
終わり方に続きがあるような結末だったので、3人の活躍がまた読めるかもしれません。今村昌弘さん期待してます。





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最終更新日  2024.10.22 12:04:49
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