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2006年02月26日
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カテゴリ: 読書感想
連殺魔方陣


ということは,逆を返せば大層な天才には見えないということでもあり。
(きっと龍之介は犀川教授や萌恵や紅子達を理解することなんてできないだろうし,四季からはこてんぱんに無視されるに違いない。っていうか、あっちがエキセントリックすぎるんでしょうけど)
設定どおり、もっと「おお、すげえ!」ってなとこを見せて欲しいけど、そこは謙虚な龍之介くん、奥ゆかしいです。(微笑ましいとも言う)古き善き日本人だ(笑) まあ、こういった奥ゆかしさが「探偵=謎解きマシーン」に陥るのを阻止してるとも言えます。

イラストがブギーポップシリーズでトップイラストレーターの位置に踊り出た緒方剛志氏によるものなので,ライトノベルに思えがちだけど,読んでみるとこれがなつかし(?)の新本格。
そうそう,新本格ってこんなだったよ。リアリティとかそんな瑣末なことは銀河のかなたに追いやって,ひたすらロジックの整合性のみに心血をそそいだストーリー。んで、犯人は電波系。(←我ながら、ちょっと(かなり?)偏見入ってます・笑)

表紙のイラストが誰やねん、新キャラ?って思ってしまうほど凛々しいですが、本編ではあいかわらず朴訥純情な龍之介。
生身の人間達のドロドロした愛憎劇は苦手だけれど、殺人の連鎖を止めるために、知識量は膨大、7ヶ国語か8ヶ国語を操りIQは190とも言われる天才龍之介が、その頭脳を駆使して謎を解いていきます。

題名にあるとおり、事件全般にひたすら魔法陣がからむんだけど,高田崇史のパズルシリーズ( 「試験に出ないパズル」
なんにしても,理系ミステリがトレンドなんですかねえ。森博嗣作品といい,小川洋子の 「博士の愛した数式」 といい、東野圭吾の湯川シリーズといい。

このシリーズ、作品としては短編の方が好みです。森博嗣作品より読者に歩み寄った天才なので、子難しい専門用語に煙にまかれることなく、読んだら賢くなれた気がする(笑)例えば、のラストイン・ファーストアウト現象とかね。
西澤保彦作品が好きな人には、同じようにロジックをあれこれ操るこのシリーズも好みなんじゃないかな。

ところで,ふと思い出したんだけど,探偵小説には殺人事件なんて一生に一度あるかないか,つ一かない方が圧倒的に多いのに,こんなに(探偵の近くで)殺人事件に立て続け遭遇するもんか,という突っ込んじゃいけないお約束(探偵が接触的に警察等に接触して事件を手を出すようなのは別として)がありますが,神林長平が敵は海賊シリーズのあとがきでこう書いてます。

「シリーズ各話を独立したものとして書いています。(中略)現実の海賊課はそうそういつも太陽系が消えてしまうような大事件に遭遇するわけではあるまい、という思いがあって、各話に劇中激のようなスタイルをとらせることで、基本設定そのものが崩壊する危険性を吸収しようとしたためです。」

不自然に連続する事象を納得させる、これも一つの手と言えますね。

まあ、ミステリというのは、突っ込んじゃいけないお約束を暗黙のうちに了解した上で楽しむものであるとは承知してますが、ちょっと思いついたまま書いてみました。

それにしても,この作品で不思議なのは和美さんの存在。いとこの光章と龍之介と和美で三角関係とかならわかるけど,別にそんなこともなく,光章といい感じっぽいけどあくまでぽいどまり。この作品にいる意味あんですかねえ?

それはそれとして、龍之介の夢(学習プレイランドの建設)には、興味を覚えるので、その夢がかなうまで、このシリーズは読み続けていくんだろうなと思います。
これぞミステリ!新本格!と思える作品でもあるしね。


流し読み





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最終更新日  2006年02月26日 22時35分56秒
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