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ネプリーグ2ndStageのファイブツアーズ(漢字の読みの問題)のメモです。ネプチューンチームレベル1目印,誤る,堪忍袋レベル2布巾,淀君(←熊田曜子アウト),豊後レベル3杵(←堀内健アウト),棊子麺(←石田純一,原田泰造アウト),円らFINAL公魚(←名倉潤クリア)答えは,めじるし,あやま,かんにんぶくろ,ふきん,よどぎみ,ぶんご,きね,きしめん,つぶ,わかさぎ。吉本芸人チームレベル1屋台,不吉,樹木希林レベル2御社,弊社,女満別(←宮川大輔,井上聡アウト)レベル3氾濫(←庄司智春,品川祐アウト),唸る,鉤括弧(←河本準一アウト)答えは,やたい,ふきつ,きききりん,おんしゃ,へいしゃ,めまんべつ,はんらん,うな,かぎかっこ。前回(05/14)分の日記は→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ → テレビ番組(TV番組) (↑関連トラバの集積場所)こちらもクリックをよろしく! → このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:ネプリーグ
2007/05/22
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その1では,「だまされた」という話が中心になった(日記は→こちら)が,今回は森博嗣の「黒猫の三角」のキャラと宇宙人のなぞなぞについて。このシリーズでも,S&Mシリーズに劣らず,独特のキャラが登場。読んでいるうちに思い出し,楽しくなってきた。そういえば,練無君はN大の医学部生だったのだよね。少林寺が使えて,女装して美人。ふ~む。紫子ちゃんは,「香久山紫子」というおしとやかな名に似つかわしくない言葉遣いと性格がよい。「しこ」という愛称もいいし,飲みっぷりもよい……紅子さんは頭がよい。ただし,我々(失礼! 私でした)のレベルを超えているとしても,まわりからはじかれないためにテストでわざと間違えるあたりは,四季のレベルには達していないようだ。この事件のとき,30歳ということは,萌絵が妃真加島であったときの四季より2つ上か……保呂草は,いまのところ正体不明といったところかな。あちこちに行ったり,けっこう広いネットワークをもっていそうである。この人物好きだなあ。キャラクターで落としてならないのは,根来機千瑛。S&Mシリーズの諏訪野老人と同様「執事」ということになっているが,執事というよりはじい(ぢい,じいや)だ!!少林寺の達人でもあるし,ひょっとして紅子姫をいさめ,切腹でもしかねない「国家老」といった感じでもある(笑)Vシリーズ次作の「人形式モナリザ」についての日記は,→こちらからどうぞ。宇宙人の問題小田原静江の誕生パーティで紅子が紫子やその他の参加者に出した問題は以下の通り。それまで別々の惑星に住んでいた宇宙人が,あるとき,ちょうど中間のある惑星で会うことになったのよ。ずっと電波で交信はしていたから,時間と場所をちゃんと打ち合わせて,それぞれの代表者が一名やってきたの。それでね,二人は,同時に同じ場所に立った。それなのに,あら不思議,二人とも,お互いを見つけられないまま,ついに会えなかったのでした。さあて,どうしてそんなことになったのでしょう?「座標が違っていたとか,単位が違うとかで,空間か時間のどちらかにズレがあった」のでは? という紫子の問いは「ありません」との紅子の言葉で否定される。浅野という大学助手は「片方は,石か岩みたいな鉱物人間で,もう片方は液体人間」だったので「形が違い過ぎ」て相手を認識できなかったと答え,東尾という哲学者は「会うという概念に相違」があり,片方の種族が「会うことは逃げることと定義していた」からと答える。これに対する紅子のコメントがないまま急に事件が起こり,本の中で再びこの問題に言及されることはなかった(つまり,解答なし)。宇宙人の問題について考えたこと2つの惑星が同じ公転周期であるはずはないから,時間軸が……と考えたのだが,紫子ちゃんの答えに対する紅子の否定でボツ。2つの惑星の大きさが違い,したがってそこで暮らすのに適応する質量も違い,中間地にある惑星(大きさも中間程度と考える)に立ったとたん,片方はつぶれてぺしゃんこになり,片方はふわふわと浮き上がりそうな状態になったとも考えたが,宇宙服の着用でその不都合は防げそうなのでボツ。ということで,独自路線を捨て,テキスト(黒猫の三角)に沿って考えてみた。東尾の「会うことは逃げること」では,何の目的でわざわざ中間の惑星まで行ったかが説明できないのでダメだが,浅野の答えが違ってはいるけれど近い線をいっているように思える(S&Mシリーズでの国枝助手の発言にやや似ている)。ただ,「違い過ぎた」のは「形」ではないと思う。電波の交信にはファクシミリやテレビ電話的なものも考えられ,たとえ自分が液体人間で相手が鉱物人間であっても,あらかじめの知識で認識できるはずである。ということで,仮にどちらの宇宙人も地球人とほぼ同じ形であるとしておこう。その2人が「同時に同じ場所に立っ」て相手を見つけられないケースとは?紅子さんが答えさせたかったのは,「大きさ」が違うということではないだろうか。片方が地球人のサイズ,もう片方がアリのサイズである2人が同時に同じ場所に立った場合,相手が目に映っても,自分が会うことになっている代表者とは思えないのではないか。これが即ち,「見つからない」状態。テレビ電話的なもので,通信機器や場合によっては家並みなどの背景が映っていた場合,それぞれのサイズに合った背景になるので,「自分と相手は大きさが違う」とは考えもしないはずだ。アリサイズの人間なんて今のところ見つかっていないので,それを見たときにどうなるかを実験してみるわけにもいかない。ただ,巻頭の引用文に,ホーン岬に姿を現したダーウィンの乗ったビーグル号が想像を絶する大きさだったため,フエゴ島民には「見えず」,反応を見せなかったとあるのが1つの事例を示しているのではないだろうか。上で,「テキストに沿って」と書いたのは,「大きさ」を自分で思いついたわけではなく,ここらへんをヒントにしたからでもある。もちろんこれはあくまでも私見で,正解である保証は全くない。ここまで読まれた方,どうもおつかれさまでした(笑)ホントはもうちょっとシャレた解答にしたかったのだけれど……時代・場所,登場人物をフリーページの森博嗣メモ(黒猫の三角)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。森博嗣の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (森博嗣)からごらんください。楽天ブックス黒猫の三角 森博嗣
2006/01/06
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Xシリーズ1作目にあたる,森博嗣の「イナイ×イナイ」(2007)を読んだ。「ηなのに夢のよう」(日記は→こちらから)のコメントでも書いたのだが,作者のHPのXシリーズの紹介に,「これまでのシリーズとはまた少し違って、少々レトロなものを書きたいと思います。ノスタルジィでしょうか。」とあり,Vシリーズのなつかしのメンバーがぞろぞろ出てくるのではないか……などと思っていたのだが,その意味では期待はずれだった(笑)最近(前からか,笑)の森作品は1話完結ではないし,ミステリとしても謎解きや動機の解明が(わざとだろうけれど)中途半端であり,本作も,その路線を踏襲しているのだが,さすがにシリーズ1作目とあって,まあまあまとまっていて,ここから読んでも読めるようにはなっていた(←と,こんな文章を批判や非難を込めずに書けるのが森作品の最も大きな「ミステリ」である,笑)。この後ちょっとだけ触れる佐竹家の事件に関してはネタバレなし(危ないものは色を変えます)に書けるけれどその他についてはバレバレなので「先入観なしに読みたい方」はご注意ください。その佐竹家の事件では,動機が明らかになっていない(椙田に興味がなく,あえて調べない)ものの事件全体は金(遺産の分配)と色(後妻と先妻の子の美青年)からみかなぁと思わせる部分もあり,一応解決はついている。S&MシリーズやVシリーズでは西之園萌絵が警察の情報を「ただ」で手に入れたのに対し,椙田は警察内部の人間に聞けばわかるが「借り」を作りたくないというスタンスなので,これから先,事件の詳細はますます曖昧になるのかもしれない。消去法で「実行犯」は当てられた(わかったわけではない,笑)が,千鶴が六郎を殺そうとした理由とシチュエーションがいまだにわからないし,差し入れの食事を食べていたのが六郎だったということにはかなり驚かされた(笑)ここから本題(笑)実は,最初に書きたかったのは「椙田」の事務所って那古野ではなく東京にあったんだ!! とびっくりしたこと。かなり驚いたが,那古野・東京間の新幹線の所要時間は東京のどこかから神奈川県(埼玉でも千葉でもよい)のどこかへ行く時間よりもはるかに短いんだよね(笑)佐竹家に行くために降りた地下鉄の駅は「赤坂見附」でしょう。近くに鹿島建設(K建設)本社もあるし砂防会館(SB会館)もあるし……。帰りに寄ったホテルは「ホテルニューオータニ東京」。椙田(彼が誰かはフリーページのほうに書いています)が,事件と少しもかかわろうとしなかったのにも笑えた。その分真鍋君が頑張ったね!!意味不明な探偵鷹知とともに,楽しみなキャラクターだ。気になるのが秘書or助手として登場した小川令子!!年齢がまったく不明なのだが,紫子さんだったらいいなぁと思ったわけだ(笑)芦屋育ち,神戸の大学出身で,名古屋にきてから名古屋の言葉を使いまくる彼女なら,東京言葉もお手のおものだし,ちょっと変わった言い回しも何となく彼女を彷彿させる。ただ,「年齢」なのだ!!令子さんが40代って感じはどうしてもしないので,紫子説はむりだろうなぁ。などと思っていたら,猛読醉書(かつきねえさん)の日記で,令子と椙田の出会いが令子が以前秘書をしていた社長(一柳)の私室であったことが判明(「ライ麦畑で増幅して」(「メフィスト」2007年5月号))。ということで,「令子=紫子」説は数時間で消滅することになった(笑)エピローグで登場する西之園萌絵が「赴任後1か月にならない」ということから,時間的にはGシリーズ6作目の「ηなのに夢のよう」の少しあとということになる。また,椙田と令子が資料のコピーをしていたのはW大学。萌絵から見られないように身を隠す椙田の怪しげな行動は,「捩れ屋敷の利鈍」(日記は→こちらから)で「秋野秀和」として顔を知られているからというだけではなく,瀬在丸紅子から「手を出さないよう」に釘を刺されているからというのが大きな理由だろう。紅子さんを怒らせると怖そうだもんね……(笑)時代・場所,登場人物をフリーページの森博嗣メモ(イナイ×イナイ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。森博嗣の作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (森博嗣)からごらんください。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ → 森博嗣ワールド (↑関連トラバの集積場所)こちらもクリックをよろしく! → このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━著者ホームページ:浮遊工作室 (ミステリィ制作部)楽天ブックスイナイ×イナイ 森博嗣記事関連のオススメ日記cascade0920さん フォッカーといえば・・・・(ベローソフさん)のぽねこさん 日々のあぶく(kiyu25さん)
2007/06/18
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08/17日のFirebirdのアップデートの日記で「通りすがり」さんから定番の"絶対に入れておけ"Plig-Inとして紹介されたAdblock思った通りすごくよかった。楽天の場合,ログインしていない方からのコメントはたどることができない仕組みになっている(このシステムは変えてほしい!)ので,ここで改めて御礼。実際にはまだ使いこなせているとはいいきれないが,紹介は早いほうがいいと思い記事にした。↓わかりにくかったら,あとの実例を読んで!!「アドブロック」と読んで,広告をブロックする拡張機能のように思える(主目的はそのとおり)が,実体は,開いているページの中でよそから読み込んでいる部分を読み込まないようにする拡張機能である(と思う)。説明は,http://adblock.mozdev.org/index.htmlにある(文字が薄くてかなり読みにくい!)が,ダウンロードするだけならmozdev.org - adblock: devに直接行っても可。そこで,「Adblock 0.5 d2 nightly 39」をクリックすることでインストールできた。ただし,そのままではほとんど何のはたらきもしない。Firefoxを再起動すると,[ツール]の「Adblock」から,「List All Blockable Elements」「Over Flash」「Preferences」を選択できる。ここで今,楽天の「管理トップ」にいるとして,中央のOver Flashを選ぶと,右側の2つの画像(の上の画像と日記記入率の円グラフ)が隠された形になる。これで読み込みの時間が少し速くなったというわけ。ただし,Adblockの威力はこんなものではない!!ということで,いつものように長くなってしまったので,その2に続きます。参加中です。よろしかったら, ←カチッと クリックお願いします。パソコンに関する日記は, パソコン関係 からお読みください。また,Firefoxメモには,Thunderbird,Firefoxやその拡張機能の紹介と更新記録がまとめてあります。
2005/08/23
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スナーク狩りの最終回。1章はこちらから,2,3章はこちらから,4~6章はこちらからどうぞ。7章 バンカーの運命探索中,バンカーは勇気を奮って1人先に突進するが,バンダースナッチ(人さらいの猛犬?)につかまり,小切手を差し出すが,効き目はない。一行がやってきてやっと解放されたバンカーだが,恐怖のあまり顔は真っ黒に,チョッキは真白に。頭をかきむしって椅子に座り込み,2本の骨をカタカタいわせながら,不気味な歌を歌いだした。ベルマンは彼を「運命に任せる」ようにいう(要するに見捨てたわけだ)。もう半日たってしまったので,これ以上遅れると夜までにスナークを捕まえられない。8章 消滅指ぬきで捜した,注意深く捜した,くまでと希望で追いかけた。鉄道株で命を脅した,微笑と石けんで魔法にかけた。(5~8章はすべてこの出だしで始まります)日も暮れかかり,狩りが失敗するのではないかと恐れ始めた頃(ビーバーは尾っぽを使って飛び跳ねている),「名なしが叫んでいる!」とベルマンがいった。「狂ったように,両手を振って,頭も振って」「スナークを見つけたんだ!」ブッチャーは,「あいつはとんでもない奴だった」と喜び叫ぶ。そして,彼らは見た。名なしのベイカーがそそり立つ岩の上に厳かに立ち,次の瞬間,深い裂け目に飛び込んでいくのを。彼らは恐れながら待ち,聞いた。「スナークだ!」というのが最初に耳にした言葉。すばらしすぎて信じられない。続いて,立て続けの笑いと歓声。そして不吉な「あっ,ブー……」そして静寂「……ジャム」と聞こえたという者もいたが,風の音だという者も。一行は暗くなるまで探索を続けたが,ベイカーがスナークに出会った場所だとわかるような,ボタンも羽根も痕跡も見つからない。何かをいいかけたそのとき,笑いと喜びの中で,彼は静かに突然消え去った。そうさ,スナークはブージャムだったのさ。おしまいいったいスナークとは何であるのか,各人の想像に任せるしかない。註によると「大陸間弾道弾」だという説(というか実際にSnarkと呼ばれた)もあるそうだ。ところで,最初に戻り,「ノービットの冒険」についてだが,「ホビットの冒険」を下敷きにしているとともに,たしかに「スナーク狩り」をも下敷きにしていることをはっきりと感じることができた。ベイリーとともに冒険旅行をしていたクローンの一族のうちの1人は,スナークを捜し当てた。そして,それがブージャムだったのかどうか……,それは本を読んでもらえばわかると思う。「ノービットの冒険」の記事は こちら。ミステリ以外の海外作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (その他)からごらんください。楽天ブックスルイス・キャロル詩集ノービットの冒険
2005/07/28
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今回のタモリのジャポニカロゴスのテーマは,「日本語のトリック」第4弾。これまでの日記は,第3弾,第2弾,第1弾です。解答者は,杏さゆり,インパルス,勝俣州和,野沢直子。今回も,問題文にひっかからないように(笑)!!☆100mを10秒で走るカール君と50mを5秒で走るじゃ~ぼ君が階段競走。1階からスターとして,3階に行ったじゃ~ぼ君と地下3階に行ったカール君はどちらが先にゴールに着いた?答えは,3階に行ったじゃ~ぼ君(2階分移動すればよい)。☆毎日嘘をいっては人を困らせているじゃ~ぼ君。「僕は道具や乗り物を使わなくても東京タワーより高く飛べるんだよ。」といっています。それはいったいなぜでしょう(先週の宿題)。答えは,東京タワーは飛べないから。☆正方形のバスルートがあります。バスはずっと同じ速度で走るので,AからBまで90分,BからCまで90分,CからDまで90分なのにDからAまでは1時間半かかりました。それはなぜでしょう?答えは,90分と1時間半は同じ。☆未知なる可能性を秘めた生物,人間。その人間の体の部分で「さんかく」でもあり「しかく」であるものはいったい何でしょう?答えは,口(画数は3画,形は四角)。☆大きなリンゴが1つ。「半分こする?」といったポニカちゃんがじゃ~ぼ君に渡したのは「すりリンゴ」になっていました。なぜ?答えは,「こする」から。☆人里離れた山奥の豪邸に住む犬髪家。あなたも犬神かの一人だが,実は,あなたの父親と母親から生まれたのにあなたの兄弟や姉妹ではない人がいました。いったいそれは誰?答えは,自分自身。前回(08/15)分の日記は,→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:タモリのジャポニカロゴス
2006/08/23
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久しぶりのルパンもの。第1作「怪盗紳士リュパン」(日記は→こちら)に続いて,モーリス・ルブランの「カリオストロ伯爵夫人」(La Comtesse do Cagliostro,1924,平岡敦訳)を読んだのだが,今回はハヤカワ文庫だったので,リュパンではなく,ルパン。長・短編等56作品中38番目にあたるのだが,中で扱われているは彼が20歳のとき,まだ,ラウール・ダンドレジーを名乗っているときの話。ラウール青年は,ノルマンディーの貴族ゴッドフロワ・テディク男爵の娘クラリスと恋に落ちた直後に,カリオストロ伯爵夫人ことジョゼフィーヌ・バルサモ(ジョジーヌ)と出会い,ともに暮らし,最後には敵対して,「七本枝の燭台」の謎を解き,普仏戦争のときに行方がわからなくなった1万個の宝石を手に入れようとする。後のルパンに見られるような機転,すばしこさ,変装術はあるものの,ここでは部下ももたず,1人でカリオストロ伯爵夫人の一味,ボーマニャンの一味と三つ巴で渡り合う。移動の重要な道具の1つが自転車であるというのも,なんとなく微笑ましい。冒頭にもかかれているように,ルパンとカリオストロ伯爵夫人の対立はこの事件で終わりになったわけではなく,決着がつくまでには四半世紀以上かかることになる。具体的には,事件後クラリスと結婚したラウールだが,6年目に彼女は産褥で死に,残されたジャンという名の息子は,その2日後にカリオストロ夫人の差し金で誘拐されるのだ。それをきっかけに,ラウールはアルセーヌ・ルパンとなり,一方で息子を探し続けることになる。多分,「カリオストロの復讐」に続くのだろう。そのうち読むつもりである。モーリス・ルブランの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (モーリス・ルブラン)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックスカリオストロ伯爵夫人 モーリス・ルブラン
2006/03/22
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先週の「宿題」で予想されたように,今回のタモリのジャポニカロゴスのテーマは「日本語のトリック(第3弾)」だった(第1弾の日記は→こちら,第2弾の日記は→こちらから)。今回の解答者は,青田典子,関根勤,松嶋尚美,よゐこ(有野,濱口)。今回も,問題文にひっかからないように(笑)!!☆恐怖の館と呼ばれる所に不思議な扉があります。その扉はなんと風も吹いていないのにとじたりしまったりするんです。それは一体なぜでしょう?答えは,ずっと閉まっているから。☆幼稚園,小学生,中学生,高校生,専門学校生,大学生この中で明らかに一番大きいのは いったいどれでしょう?答えは,幼稚園。☆今日はジャ~ポ君の7歳の誕生日。まずは記念撮影をしました。その後大好きな相撲をとりました。そして,ママがお寿司の出前をとってくれました。さて,じゃ~ぼ君がこの日最初にとったのは一体何でしょう。答えは,年をとった。☆スピード問題1 「いっぱい」の「い」を「お」に替えて叫んでください。答えは,おっぱお。2 フルーツポンチを逆さにするとどうなるでしょう。答えは,こぼれる(1がひっかけ,笑)。☆おやつは3じ,ばんごはんは5じ。ではあさごはん一体はなんじでしょう?もちろん誰の家でも一緒です。これは,先週の宿題で,答えは,5字。☆Aさん Bさん 大きいのはどっち(理由も一緒に)?答えは,Aさん(A3判)。☆絶対に当たる預言書が発見された。西暦3000年 人類は滅亡(○○○○○)一体( )の中にはどんな言葉(○がひらがな1字)が入るでしょう?答えは,していない(「滅亡して,いない」と「滅亡していない」の両方にとれる)。前回(06/20)分の日記は,→こちらからどうぞ。テレビのクイズ番組についての日記は,フリーページ テレビ番組 (クイズなど)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━番組ホームページ:タモリのジャポニカロゴス
2006/06/29
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京極堂シリーズ本編第6作である,京極夏彦の「塗仏の宴」(1998)について,その1の続きです。今回も,最初からネタバレだらけになります。また,「宴の支度」と「宴の始末」は同時に扱っています。宴の時系列6つの章から成る「支度」だが,出来事が起きた順に並んでいるわけでもない。フリーページに「タイムテーブル」(→こちらから)をもとに時系列順に整理すると次のようになる。しょうけら(三木春子の話)…3月20~22日猫目洞で木場が三木春子に会うってから岩川警部補が工藤信夫を逮捕するまで。↓うわん(村上兵吉の話)…4月中旬一柳朱美が兵吉を見つけ,尾国が彼にかけられた磐田の術を解く。↓ひょうすべ(加藤麻美子の話)…4月下旬京極堂が尾国加藤にかけた後催眠を明らかにする。関口は1,3月にも加藤・宮村に会っている。↓わいら(華仙姑と淳子の話)…5月24~26日気道会に襲われた華仙姑と淳子が条山房に助けられてから,榎木津に保護されるまで。↓ぬっぺっぽう(関口の話)…5月28日~6月10日関口が妹尾の来訪を受けてから戸人村で意識を失うまで。↓おとろし(織作茜の話)…5月27日~6月11日茜が東野を調べるようにとの羽田隆三の依頼を受けてから絞殺されるまで。「始末」では,関口が妹尾の来訪を受けた翌日の5月29日が最初のターニングポイントになる。この日以降,淳子は条山房と,華仙姑は藍童子と行動をともにし,探偵榎木津も鬼刑事木場も姿を消してしまう。6月14日にはいろいろな情報が京極堂のもとに集まり,翌15日榎木津の帰還によって京極堂は重い腰をあげることを決意する。17日夜から18日朝にかけてすべてが明らかになる「宴」。韮山から戸人村への行進では榎木津の活躍がやたら目立ったが楽しかった。時代・場所,登場人物,妖怪などをフリーページの京極夏彦メモ2(塗仏の宴)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ → 京極夏彦の世界 (↑関連トラバの集積場所)こちらもクリックをよろしく! → このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━著者ホームページ:大極宮楽天ブックス 塗仏の宴(宴の支度) 塗仏の宴(宴の始末)京極夏彦
2007/03/25
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何回かに分けて,京極夏彦の「百鬼夜行-陰」と多田克己の「百鬼解読」に出てくる妖怪を扱ってみたいと思う。京極夏彦の「百鬼夜行(陰)」は「姑獲鳥の夏」を始めとする彼の長編のサイドストーリー(番外編なのか長編の一部なのか手元に長編がないのが不明-誰かがコメントで教えてください-)。全10夜(話)の各掌編の前に「画図百鬼夜行シリーズ」をかいた江戸時代の「妖怪博物絵師」鳥山石燕の絵と文がある。また,小さい方形の扉絵は京極夏彦自身によるものである。多田克巳の「百鬼解読」は,日々のあぶく(kiyu25さん)の日記を見て読みたくなった本。妖怪の誕生,鳥山石燕についての記述から始まり,42の妖怪についての解説文があり,各解説の後ろに京極夏彦描く妖怪のイラストがある。毛筆と思われる妖怪名の横にある印を「御祓済」と読むことは,kiyu25さんの日記を読んで気づいた。京極・多田(多々良先生のモデルといわれる)が友人で,講談社ノベルス(なんでズじゃない?!)からの発行も2か月しか違わないとあって,両者は密接にリンクしている。ということで,今回は,両方の本をからめながら書いてみることにする。「百鬼夜行」は「妖怪小説」ということで,謎解きの要素はあまりないが,今回は結論の部分を含めて書いてしまうつもりなので,ネタバレが嫌な場合は,読むのをここで中止してください。「妖怪尽くし」というサイトでたくさんのイラストを見つけました。リンクフリーなので,それぞれの妖怪のイラストへのリンクを貼っておきましたのでそちらもお楽しみください。小袖(こそで)の手石燕の画はきれいな着物から,細い手がにょっと伸びている様が不気味。碁盤といい鶴亀の燭台といい,ぜいたくな品がそばに置いてあることがわびしさ,むなしさを誘う。「解読」によると,死んだ遊女の無念が小袖から手を出させたという。「夜行」扉絵は箪笥から2つの手が出ている。左手が人を招くようにしているのに対し,右手が引きだしをそっとつかんでいるのが,妖怪の内気さを表しているようにも思える。昭和27年8月31日夕暮れ,杉浦隆夫が大声を上げて家を飛び出すまでの話である。子どもの手におびえた元教師の杉浦は,妻に去られ,隣家を覗くようになる。首をしめられるところを見られた隣家の娘柚木加奈子は,杉浦失踪の半月前駅のホームから突き落とされて死んだらしい。立ち直りかけたと思っていた所に,加奈子の死を知らされ,決定的な打撃を受けてしまうところに怖さがあった。京極イラストの小袖の手は,華やかな着物を着て両手を伸ばし,まるで踊っているかのようである。⇒妖怪尽くしの「小袖の手」(イラスト)⇒06/09/01の日記(「魍魎の匣」のサイドストーリーとして),06/09/01の日記(「絡新婦の理」のサイドストーリーとして)文車妖妃(ふぐるまようび)石燕の絵には長い手紙をつかむ妖妃と,手紙そのものが化けた小妖怪がかかれている。「解読」によると,妖妃は情熱で胸をいっぱいに膨らませ,胸部が玉手箱となってついにはちきれたとのこと。しかし,この妖妃は実に強そうである。したたかなおばさんというイメージをもつのは自分だけだろうか?「夜行」扉絵は髪を振り乱しかけてはいるが,きりっとした妖。手紙に速達印を押してあるのが笑えるが,京極本人の怯えを表しているのだろうか?昭和25年の晩秋,10センチ程の小さな女(実在しない)から一通の恋文をもらった私(久遠寺涼子,25)が弾けて消えるまでの話である。小さい時から病弱で外に出ることのなかった私は,双子のようによく似た妹(梗子)を好きで,かつ恨み,憧れるが妹の結婚そして医師見習内藤の言動を機に(あるいはもっと前,少女が女性になったときに)バランスが崩れる。「私」によってかかれた形で,事実関係が読めない部分がもどかしくも不気味である。京極イラストの妖妃は口元を開け,横目使いでどこか愛嬌がある。手紙を読むよりも,とっとと男のもとに行きたいという雰囲気さえ感じられる。石燕画が中国の妃を思わせるとすれば,こちらはちょっと下品な日本の姫を思わせる。⇒妖怪尽くしの「文車妖妃」(イラスト)⇒06/08/29の日記(「姑獲鳥の夏」サイドストーリーとして)なお,全体のもととなる鳥山石燕の「画図百鬼夜行全画集」について,のぽねこミステリ館(のぽねこさん)が記事を書いていらっしゃるので,ぜひ,そちらもごらんください。その2,その3,その4に続きます。時代,場所,登場人物などをフリーページの京極夏彦メモ(百鬼夜行-陰)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス 百鬼夜行ー陰 百鬼解読京極夏彦 多田克己画図百鬼夜行(やこう)全画集次の日記も読ませていただきました。ちょっといっぷく(ハレバレさん) -blue screen life-(sunny16さん)イーヨーのミミ(深町りなさん) 未来の予定~ラビ的(みっつ君さん)
2005/07/29
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京極堂シリーズ本編第2作である,京極夏彦の「魍魎の匣」(1995)を読んだ(再読&ネタバレ不可避)。今回「そうだったか!」と再確認できたのが,木場修の警視庁(本庁)への異動時期。豊島(池袋)の所轄から警視庁に移ったのが,この事件の発端より半年前ということなので,榎木津の薔薇十字探偵社開設とほぼ同時期だった(昭和27年1,2月)。また,青木刑事は木場と2年間コンビを組んでいるということなので,一緒に警視庁に移ったようだ。京極堂が戦時中陸軍の研究所に所属していたことも分かった。となると,関口も京極堂も青年将校だったわけだが,「青年将校」という言葉が似合うのはやはり榎木津たな!!雑司ヶ谷の産院の事件(→「姑獲鳥の夏」の日記)からほぼ1か月後の,昭和52年8月15日(金)。間借り先の最寄駅である中央線武蔵小金井駅での女子高生転落直後の現場にたまたま木場修が居合わせたことから,事件が始まる。転落した娘柚木加菜子(というかその母陽子)を追う形で木場が神奈川県警の管轄である横浜の美馬坂近代醫學研究所に貼りつくという「単独行動」をしている間に,大垂水峠で右腕,相模湖で鉄の箱に入った両脚が見つかり(08/30),9月にはいるとさらにいくつかの腕や足が発見される「バラバラ事件」が起こる。また,本編では今回から登場のカストリ誌編集者鳥口(前回の産院事件で関口をたきつけたのは彼だった)は,バラバラ事件とお祓い憑物落としの「穢封じ御筐様」(三鷹に本拠)との関係を疑い,これらすべてが京極堂のもとに持ち込まれることになる。関口は,「柚木加菜子誘拐事件,武蔵野連続バラバラ殺人事件,穢封じの御筥様がひとつの事件のある側面」であると考えるのだが,京極堂は,「柚木加菜子殺害未遂事件,柚木加菜子誘拐未遂事件,須崎太郎(美馬坂近代醫學研究所研究員)殺害及び柚木加菜子誘拐事件,連続バラバラ死体遺棄事件」が,4つの別々な事件であることを見抜き,決着をつけていくことになる。と,以上が事件に焦点をあてた簡単なまとめだが,今回の話は,木場の「はかない恋の物語」ということもできるかな?無骨な「木場の旦那」らしい不器用な恋が,隠れでなく堂々とした(笑)木場ファンである自分にとって印象に残った。関口はあいかわらず「巻き込まれ」で事件にかかわり,最後には久保竣公の匣の魍魎を覗いて「向こう側」に行きかけるところを京極堂に止められるのだが,なにしろアブナイ(笑)それでも,前回の事件をネタに「眩暈」という短編を書いたり,それをタイトルにした単行本ができたりと,しっかり仕事もできているようだ(微笑)鳥口も好きなキャラなのだが,特技が「寝だめ」と「道を間違えること」なのには笑えた。相模湖から中野へ行くつもりで横浜まで行くなよ!! という感じ(最初を間違えるとそうなるのはわかるが)なのだが,そこで巨大な箱のような建物をみつけ木場に会うという筋書き上しかたないか(笑)久保竣公もすごいキャラだったな。関口の文体を見抜くところと,逆に京極堂から彼の小説が「日記」であることを見抜かれるところの落差もよかった。彼の小説の中の匣の娘による「ほう」が耳から離れないが,彼自身も最後に「ほう」ということになる。美馬坂幸四郎の「発想の逆転」を含め,確かにこの作品は「ハコ」だらけであったし,強引に「あいまい」という言葉で置き換えるとしたら,魍魎がうろつきまわってもいた。木場の恋についてはちょっと書いたが,今回の話はあまり目立たない雨宮典匡の恋の話でもあった。京極堂の,「幸せになることは簡単なことんだ」……「人を辞めてしまえばいいのさ」という関口に対する言葉への,「それでも……男が羨ましくなってしまった」という反応に,強い共感を覚えた自分がちょっと怖い(笑)PSむちゃくちゃな運転をする榎木津はあいかわらずだが,その彼から「探偵料」をせしめてダットサンスポーツもどきをトヨペットのセダン型に改造するという鳥口の雑誌社の社長赤井さんも傑物だ!!「百鬼夜行-陰」と「魍魎の匣」について記事にしました。→こちらからごらんください。時代・場所,登場人物,妖怪などをフリーページの京極夏彦メモ(魍魎の匣)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス魍魎の匣 京極夏彦記事関連のオススメ日記未来の予定~ラビ的(みっつ君さん) 2番目くらい?さんエンタテイメント・エナジトピアさん フルート練習ノートさんアゲハのひとりごと(ageha0509さん) むーちょの読書日記(お笑いむーちょさん)ながら日記(danke3さん)ながらへばまたこの頃やしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しきさん黒猫の隠れ処さん
2006/08/23
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今回は、「魍魎の匣」(→日記はこちらから)のサイドストーリーとしての「百鬼夜行-陰」について(記事の性格上,ネタバレが中心です)。→「百鬼夜行-陰」と「姑獲鳥の夏」→「百鬼夜行-陰」と「狂骨の夢」→「百鬼夜行-陰」と「鉄鼠の檻」→「百鬼夜行-陰」と「絡新婦の理」→「百鬼夜行-陰」と「塗仏の宴」小袖の手「百鬼解読」と関連した「小袖の手」は→こちらから。武蔵小金井駅で転落し,その後美馬坂近代醫學研究所に運ばれた柚木加菜子の隣人である元小学校の教員杉浦隆夫の話である。昭和26年の春に結婚,夏に小学校を退職し,雪の降る寒い朝に妻が出て行った頃から隣家に関心を持ち始める。5月頃(昭和27年),部屋から出た白い手が縁側に座る加菜子の頸を絞めるのを見るが,翌日,少女は普段通りに学校に出かける。6月になって,加菜子と話すようになり,それが「母の手」だったと聞かされるが,同時に同居しているのは姉(実は母の陽子)と伯父(実は雨宮典匡)であることも知らされる。白い手は2歳のときに実母(実は祖母)を病院に訪ね「死ね」と襟首を掴まれた記憶からきていて,それが「小袖の手」でもある。小袖の手の妄想に怯え衰弱した杉浦が加菜子と最後に話をしたのが,彼女が「湖に行く」といって出かけ駅で転落した8月15日。快復しかけていた杉浦だが,半月後に加菜子の転落事故を知る。彼にとって加菜子を突き落としたのは着物から出た彼女の母の白い手であり,それを機に妻の着物を凡て捨てる決心をするのだが,妻の手と幾本もの細い腕に怯えて家を飛び出す。8月31日夕暮れのことというから,相模湖で加菜子の腕が発見された翌日のことである。杉浦夫妻については, 「百鬼夜行-陰」と「絡新婦の理」(日記は→こちらから)に書いた。鬼一口「百鬼解読」と関連した「鬼一口」は→こちらから。バラバラ事件の被害者のひとりである柿崎芳美が写真館で義理の母を殴り,蹴るのを目撃する,近くに住む植字工鈴木敬太郎の話。彼が将棋を指しに通う薫紫亭の主人の主人は京極堂の知人であり,「鬼」の話の受け売りをする。薫紫亭と鈴木の下宿の途中にある柿崎写真館は薫紫亭に行き始めてからの3か月程でみるみる落魄していくのだが,最後のひと月頃から,その家を見つめる「鬼」の存在に気づく。その若い男(久保竣公)は,柿崎家の内情を鈴木に話し,自らを「不幸の蒐集者(コレクター)」であるといい,「あの悪い娘は僕が貰っていきましょう」といって消える。その日以来薫紫亭にも行かなくなった鈴木だが,9月半ばに田無で柿崎芳美の右腕が発見されたというニュースの活字を拾っている途中で突然職場から姿を消した。薫紫亭の主人宮村香奈男については,「 「百鬼夜行-陰」と「塗仏の宴」」(日記は→こちらから)に書いた。毛倡妓(けじょろう)「百鬼解読」と関連した「毛倡妓」は→こちらから。青線の取締りで,木下圀治刑事は捕まえた髪の長い女を逃がしてしまう。柔術の達人だが暴力を好まない木下は,同僚から「臆病者」と呼ばれることもあるのだが,実は「幽霊」が怖いのだと同僚の青木に話す。その木下が実家の奇妙な部屋を思い出すのだが……昭和57年9月29日,青木刑事は木下刑事とともに国分寺の久保竣公の自宅を捜査するが,久保に蹴りつけられて気を失った青木が外に出てみると,木下が昏倒して倒れていた。青木の全治一週間に対して軽症だった木下が病院の寝台の上で課長(大島)に起こされる直前に見ていたのが,実家と竹子姉ちゃんの夢であった。長い髪の毛の間に顔が半分。そして,ある日隙間に手を入れて長い髪をさわって襟首をぐいと掴むと……昭和28年8月,谷中の板金工辺見仲蔵宅で仲蔵とその姪桑原暢子そして彼女の5人の子供たちの死体が見つかる。無理心中と思われたが暢子の長女豊子の死体がないために殺人事件の様相も……押入れを開け,長い髪をつかみ,死んでいる白い顔を見つけたのは木下だった。そのとき見えたのが青線の取締りで逃がした女だったのか,竹姉ちゃんだったのかは不明。時代・場所,登場人物,妖怪などをフリーページの京極夏彦メモ(百鬼夜行-陰)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。━Your Click Cheers Me Lot━━━━ このブログのRSSのURL → RSS ━━━━━━━━━━━━━━━━楽天ブックス 百鬼夜行ー陰 姑獲鳥の夏京極夏彦
2006/09/01
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