酔っ払いの溜まり場出張所

酔っ払いの溜まり場出張所

Dec 20, 2004
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 ここで断っておくが、今回の旅行は飯を食って酒を飲むのがテーマである。四六時中、次は何処に行って何を食べ、何を飲むのか? というのが話題の中心で、マリンスポーツとかそういった類の健康的な遊びには目もくれないアル中の旅だったので、ご了承願いたい。

 マスターはシーフードが苦手な代わりに、無類の肉好き。なのに今回の旅行に備えて3週間にわたり肉断ちしていたそうで、すでに肉食マインドでガルルル状態である。夜に肉を満喫するために、昼食でマスターがあえて頼んだのは「カツカレー」であった。カツだって肉だが、この場合、肉とはビフテキのことなのである。対するに僕も病気の関係で暫く肉類を控えさせられていたりして、マスターに負けないくらい肉々しい気持ちなガルルル状態であった。二人とも旅行前に

「沖縄に行ったらハメを外して肉を喰いまくりましょう!」

と誓い合っていたのである。昼飯も夜に備えてあえて「タコライス」や「カツカレー」などと軽め? に済ませていたのだと言えなくもない。問題は店をどこにするか? という点に絞られた(M君の優勝カクテルはどこへ行った?)。約2分間にわたる熱い討論の末、晩飯は「ステーキ88」にて、という結論に達した。ここはマスターが以前沖縄に遊びに来たとき、タクシー運転手に勧められて見つけた店だという。観光ガイドブックには滅多に載っていないが、安くボリュームたっぷしのステーキを喰わせる店として、地元民の支持を集める有名店だそうだ。M君の顔を見ても、他のバースタッフの顔を見ても、みんな力強く頷いている。よだれを拭きつつ、ついついウフウフ笑ってしまう。まるでアブナイ人みたいだ。というか、マジでアブナかった。あの時は助けてくれてありがとう。恩にきます。

 などと錯乱しつつ車で「ステーキ88」へ。1階はボックス席がメインで、2階がカウンターと座敷。1階が満員だったので、苦手な座敷に通される。座敷席は家族連れなんかで大にぎわいだ。小学校入学前の子供も無邪気にはしゃいでいて、良く言えばアットホーム、悪く言うと煩い感じ。人によって受ける印象は異なるだろう。最近、子供が産まれたばかりのマスターは前者の取り方をしている。沖縄の人の生の生活を観察できるチャンスなので、僕も家族連れを見守って楽しんでいた。食事がすむとお父さんが座敷にゴロッと寝ころんで、子供と遊んでいたりする。和やかで微笑ましい、一昔前な感じである。前菜のサラダやスープを平らげつつ過ごしたそんな和やかな空気も、じゅーじゅーと音を立てる肉が到着すると一変した。テンダーロインとサーロインのお出ましである。双方250グラム。肉を目の前にした二人(マスターと僕ね)は目の色を変えてテキに取り組んだ。店内に石垣の地ビールのポスターが貼ってあったのを見て、飲んでみようとオーダーしようと思っていたのも忘れて、二人でひたすら喰いまくる。肉を口一杯に頬張って、苦しいくらいになりながら飲み下す快感。雑念は無い。唯一交わした会話は、

「Dram Bheagちゃん、輸入肉だからA1ソースをたっぷりかけた方が美味しいよ」

「うん」

だけであった。(A1ソースとは、沖縄ではポピュラーなバーベキューソースのことだ)食べ終わって、ひたすら放心する二人。まったりと食後のシューアイスを食べつつアイスティーを飲んでいたのだが、放心しつつも、隣のテーブルに運ばれるハンバーグステーキに目を光らせ、

「あれも美味そうだねぇ」



 食後は当然飲みに繰り出す。マスターの店にバーテンダーさんI君というのがいて、昔沖縄に住んでいたという。その彼のお薦めが「バー鈴木」というオーセンティックバー。また、M君のお薦めは「アイラ」というショットバーで、「バー鈴木」のはす向かいにあるらしい。ここはM君の仲の良い先輩がやっているバーとのことだ。まずは「アイラ」に訪問する。マスターによると、I君もこの店を推奨していたとのことだ。カウンターのみのバーで、バックバーも圧倒される程の本数はないが、良く見るとイタリアボトルのモルトとか、吟味したお酒が並んでいて、こだわりを感じさせてくれる。お店はM君の先輩とその御主人(多分)のご夫婦でやられているらしい。接客も丁寧かつ気さくで、くつろいで飲むにはお薦めである。

 話は変わるが沖縄にはシークワァーサーという柑橘系の果物がある。小振りのスダチみたいな実で、酸味の中にかすかに甘みと独特の風味がある。この果物は実はフィリピンにもあって、呼び名をカラマンシーという。お婆ちゃんがフィリピンに遊びに来たとき、カラマンシーを見て「これはシークワァーサーだ」って主張していたのを思い出す。ここはフィリピンなんだから現地名でいいじゃん。主張するなよ。ばあちゃん。ところで、僕はこのシークワァーサーには思い入れがあるのだ。日本人学校から帰ると、僕はコーラやセブンナップを飲むのを習慣にしていた。そんなある日、学校から帰るとソフトドリンクの買い置きが底をついていた。地下にあった倉庫を物色してもあるのは父親が晩酌で使うソーダウォーターとトニックウォーターしか見つからない。試しにトニックウォーターを飲んでみたが、子供の舌にはなんともなじまない。なんとかこいつを美味しく飲む方法はないかと考え、思い出したのが、父親がいつもビーフィーター(ジンの銘柄ね。念のため)とカラマンシーをこれで割って美味そうに飲んでいる顔だった。やってみると美味い! さっそく大量に買い込んであったビーフィーターを一瓶、部屋に持ち込んで飲み明かした。それから、トニックウォーターに飽きたらずセブンナップやスプライトで割っては愛飲したものである。あの時から今日に至る連続飲酒が始まったと言っても過言ではない。

 そんな思い出話を「アイラ」でしていて、久しぶりにスプライト割のジントニック? を飲みたい! と言ったら、スプライトは置いていないとのこと。(そりゃそうだよなぁ)少々がっかりしつつ気を取り直していると、いつの間にか姿を消していた御主人様がスプライトを外に買ってきてくれていました。約20年ぶりの味わい。御主人! ありがとう!

 そんなこんなで、ちょっと前まで来ていた台風の話になる。風速50メートルを超える台風は沖縄でも数年ぶりとのこと。人は飛ばされるは、軽自動車は転がるはで、大変だったらしい。もう市内では目立った被害は見られないが、注意してみると信号が壊れていたり、交通標識があらぬ方向を向いていたりして、運転するのは大変だとのこと。儲かっているのは看板屋や車屋だという話でした。沖縄には台風の掛け捨て保険まであるとのこと。大変だなぁ。

 続いて「バー鈴木」へ。ここはオーセンティックを絵に描いたようなバーでした。イスがゆったりたっぷり座るタイプのでっかいイスで、座ると自然とふんぞり返ってしまう。イタリアンマフィアがこういうイスでふんぞり返って葉巻をくゆらせつつ悪い相談をしている、っていうのが似合うイスである。イスがでかいせいか、マスターとの会話もとぎれがちで、それぞれまったりと物思う感じで過ごす。カクテルの出来は丁寧で、バーテンダーさん達の接客はおすましした感じ。といいつつ、冷たい感じではないので、安心して下さい。お薦めのお酒を聞いたら泡盛のくーすー「瑞穂」の五十年ものを格安で飲ませてくれました。まったりとして、口の中で回すと言うより、自分からまわっていく感じ。美味かった!

 そのあと、小腹が空いてきたので近くの一杯飲み屋に。マスターはポークたまご、僕は牛の中身(内臓)の炒め物をつまみにビールを飲む。ポークたまごとはスパムのスライスを炒めて、塩味の卵焼きを添えた皿のことで、沖縄では喫茶店の朝のメニューとしてポピュラーな食べ物だそうだ。県民に人気があって、コンビニのおむすびにもなっている。ちなみにコンビニでおにぎりを買ったときには、レンジでチンしてもらうのが沖縄流だそうだ。






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Last updated  Dec 20, 2004 10:32:24 AM
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Dram Bheag @ Re:やれやれだな(01/25) 爺さんも死んだ。今度は父親とおいらの競…
Dram Bheag @ Re:やれやれだな(01/25) 爺さんが死んだ。大往生だな。山口県出身…
Dram Bheag @ Re:写真が嫌い(09/28)  怪我をしてしまって、ただでさえ乏しい…
Dram Bheag @ Re:写真が嫌い(09/28)  ごめんね。明日書く! 書けるかな? …
Dram Bheag @ Re:元犬(08/04) 今日の「正直さんぽ」でやってた。 https…

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