酔っ払いの溜まり場出張所

酔っ払いの溜まり場出張所

Dec 21, 2004
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 翌朝M君のホテルをチェックアウト。車で国道58号線(ごっぱち)を北へ向かう。目指すは名護のオリオンビール工場である。道すがら朝食を摂るためA&W(通称エンダー)に入った。A&Wとは沖縄では有名なハンバーガーのファーストフード店で、マックなんかよりもパテも肉厚な美味いハンバーガーを食わせてくれる。しっかり系のハンバーガーだが、お手軽感はファーストフード店という東京にも欲しい店である。ちなみにここはルートビア(ジョッキ)がおかわり自由というあまり個人的には有り難くないサービスが売りでもある。ルートビアをジョッキで飲みながらバーガーに食らいついていると、自分がダメになっていくような、はたまたアメリカ人になっていくような(アメリカ人ごめん)、頭がクラクラする感じを楽しめます。

 朝っぱらからハンバーガーを食べてご機嫌のマスターと僕はそのまま北上。マスターが言うには沖縄の海は北に行くほどきれいになっていくという。南の海の方がきれいという既成概念とは逆である。しかし、確かに窓から見える海はどんどんきれいになっていく。きっと沖縄本島は北の方が人口が少なそうだから海もきれいなのでしょう。なんて下らない事を僕が助手席で考えている間、運転中のマスターは大変だったようだ。沖縄の車の運転はゆっくりでマイペースなのだ。沖縄タイムというか、何もかものんびりしている。下手すると走行車線の車より追い越し車線の車の方がゆっくり走っていたりする。道が合流するときも普通なら車線変更をして入ってくる車が入りやすいようにしてあげるのがマナーだと思うのだが、沖縄ではそんなことはしない。合流したい車の方ものんびりと空くのを、いつまででも待っているという風情である。これはこれで秩序だっているが、県外の運転に慣れた者にはいらだつ事この上ないのだ。その上、そこにYナンバーの車が加わってくる。Yナンバーとは要は米兵さんの車だ。これが左側走行に不慣れな上に、運転がまた傍若無人なのである。この旅行中、クスリを飲んでいる関係で運転できない(という言い訳をして飲んだくれていた)僕に代わって、マスターがずっと運転してくれていた。大変感謝である。

 昼飯は恩納村にある沖縄そば屋「なかむらそば」で食べることに。この店はM君の叔父さんがやっておられるのだとのこと。店で作る自家製麺が自慢の店という。ちなみにM君のお父さんは県内の某大ホテルで料理長をしていた沖縄でも有名なフランス料理人だそうで、最近独立してフランス料理店を開いたのだとか。しかし、今回は日程の都合がつかず訪問は断念する事になってしまった。今回の「なかむらそば」訪問はその敵討ち? じゃなくて代わりと言った意味合いもあるのだ。「なかむらそば」はごっぱち沿いにあった。窓から国道越しにきれいな海が見える。カヌーの群が海を呑気に横切って行くのを見ながらそばをずるずるっと。僕が頼んだのは「ソーキそば」。マスターは「沖縄そば」を注文。ソーキとは豚のスペアリブのことで、そばの上にどーんとのっかているのである。その上「俺、これ苦手だからさ」とマスターが「沖縄そば」の上にのっていた三枚肉を恵んでくれた。ゴージャスである。沖縄そばの麺はちょっと平べったくって、食感も独特。また麺の量が多く食べでがあるのは麺喰いには嬉しい。スープは鰹昆布だしにソーキから出た豚出しが加わっている。このスープでオジヤを作って三枚肉を千切って入れたら最強の病人食だろう。どんな病気でも治ってしまうくらいパワフルだ。

 昼飯を滞りなく済ませ、名護入り。日本ハムファイターズファンであるマスターが妙に嬉しそうだ。名護はファイターズのキャンプ地だそうで、マスターは練習の応援に何度も訪れているとのこと。名護はキャンプ地としては他球団から離れているため、解説者も滅多に訪れないというが、マスターはスポーツドリンクをケースで買い込んで差し入れしたりしているらしい。といってもこんな季節にキャンプなどやっているわけはない。名護入りの目的はオリオンビールの工場見学(というか試飲)である。この日はあいにく日曜日で工場は稼働していないという。しかし、見学(と試飲!)は可能だとか。約30分ごとに見学ツアーが出ている。見学といってもビールの作り方なんて知っているし、オリオンビールだからって何か特別な工程が入るわけでもなさそうだ。それに工場は稼働していないのだから、見学にも自ずと熱がこもらない。そこで、説明係のオネーサンの見学に自ずと熱がこもることとあいなった(まるでヘンタイである)。かりゆしウェア(沖縄版のアロハシャツ)を着た、この沖縄美人のオネーサンは果たして社員なんだろうか? どう見ても高校生くらいにしか見えない。沖縄の人は若く見えるのだ。「いっちょまえに耳にピアスなんかあけちゃって」なんて失礼にも思ってしまう。「名護ではオリオンビールは大企業であるから、ご近所さんからは『○○さんとこのお嬢さんはオリオンビールにお勤めなんですって。優秀ね』なんて言われているのだろうな。んで、同じ年頃の男の子たちの『お嫁さんにしたい候補No.1』だったりしてね」なんて勝手な妄想が膨らんできた頃、彼女が言った。

「では、試飲です」

 でっかいホールのようなところで出来立てのオリオンを飲む。暑い国のビールだけあって飲みやすいタイプだが、出来立ては一味上がる。うひょうひょ。

 オリオンビールの試飲を無事終え、マスターの提案でパイナップルパークへ向かう。ここも詳しく知りたい人はガイドブックを参照して欲しい。園内にはフィリピン時代に見慣れた植物が沢山生えていて懐かしい。日本人学校の庭に生えていたマンゴーの木、友人宅に生えていたスターフルーツの木なんかも久々に見かけた。ビックリしたのはパイナップルである。みんな同じ方向にばたばた倒れているのだ。台風のせいだろうが、背の低いパイナップルでこの様である。凄い台風だったのがわかる。最後にパイナップルワインとパイナップルそのものを試食。今日は試飲とか試食ばっかってかんじだ。その後、名護を離れて石川市の「ビオスの森」へ。ここも植物園である。例によって詳しくはガイドブックを見て下さい。ここには人工池があって沖縄の植物(主に蘭)について軽妙な解説をしてくれる遊覧船が出ている。しかし、植物に疎い僕は解説を聞き流しながら、のんびりと森林浴を楽しませていただいた。ここで覚えた事はたった一つ。「気の枝にからみつくようにたれているひも状の物は、根が退化した植物で、光合成によってどんどん伸びる。名前は『サルオガセモドキ』という。この名前は北海道にある植物『サルオガセ』に似ていることから付けられた。『サルオガセ』は山を行くサルの尾っぽに枷のように絡まるからそう呼ばれるようになった」という、これから先いつ役に立つのかサッパリ分からない知識だけであった。ちなみに「サルオガセモドキ」は試食しなかった。


「いやーっ、今日はパイナップル尽くしですねぇ」

と僕が言うと、マスターが

「パイナップルには肉の消化を助ける働きがあるんだよ」

と教えてくれた。そういえば肉をパイナップルでつけ込んでおくと柔らかくなるんだったっけ? たしかパイナップルにはタンパク質を分解する酵素があるんだった。パイナップルカクテルは、これからまた肉をしこたま食べようという我々二人へのIちゃんの気遣いだったのだ。それと同時に、今日僕をパイナップルパークに連れていったマスターの深謀遠慮も明らかになったと言えよう。こうなると後は肉を喰うのみである。バーカウンターでメニューを貰う。シーフードが苦手なマスターは肉だけコース。僕はせっかくだからと肉プラス用意してある魚介類全種焼きますコース(本当はもっとまともな名前でしたが、忘れました。値段は確か5800円。格安である)を頼むことに。テーブルの用意が出来て、バーから別室へ案内される。別室は鉄板の放つ熱気と美味そうな匂いが既に充満している。円形の島が幾つか合って、客は外に内側向きに座る。中心に料理人のお兄さんが何人かいて、目の前で焼いてくれるのだ。最初に焼いているのを待つ間、サラダに焼きたてパンとカレーが出てくる。パンが美味い。ウマウマと味わっている間に魚介類と野菜、島豆腐(沖縄の豆腐は固めで味も濃厚である)などが次々と焼き上がってくる。ぐるくんという魚に梅味噌ソースをかけて貰う。美味い! マスターにもちょっとお裾分けね。シーフードが苦手なマスターも喜ぶ旨さである。ロブスターは丸ごと一尾。その他諸々青パパイヤや紅いもなんて沖縄食材も活躍しだして喰いきれないなぁ、なんて思ったところで肉の登場である。完食は無理っぽいので肉を100グラムほどマスターに手伝ってもらう。二人とも喰うのに精一杯で、またしても会話を楽しむ余裕が無くなってしまった。傍から見たら完全に仲の悪い二人連れである。もはや餓鬼道に落ちている。締めにマスターはご飯。僕は冷やしうどんを食べて終了。ではなくて、先程のウェイティングバーのテーブル席に通される。デザートとお茶が出るのだ。戦場のような先程とはうって代わった南国のリゾートっぽい空間に帰って、一息ついた。まったりとお茶が美味しい!

 夜はこのまま恩納村に泊まりたかったが適当な宿が取れなかったので、予定を変更して急遽沖縄市に泊まることになった。台風のせいで看板が飛ばされていてなかなか見つけられなかったホテルにチェックインし、夜のコザへ繰り出す。コザとは沖縄市の旧称で米軍が付けた地名だ。沖縄返還後の1974年に沖縄市に改称されたが、未だに沖縄の人にはコザで通っているらしい。んで、時間は夜の9時半くらいだったのだが、日曜日だからか町が暗いのである。店は閉まっている。開いていても開店準備のために入り口を開放して空気を入れ換え、カウンターからイスを下ろしてますってかんじのスナック位しかないのだ。「沖縄の夜は始まりが遅い」とは聞いていたけど、ビックリである。夜が遅い理由を聞くと「沖縄には終電がないですから」(M君)との返事だったが、そういう問題か?

 マスターも運転で疲れているようだし、しばらく街を流離ってホテルへ戻る事にした。部屋で昼間買った『黒糖酒』を飲む。文字通り黒糖から作った蒸留酒で、いわば沖縄産のラムである。オンザロックやコーラ割りでまったりとした寝酒となった。






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Last updated  Dec 21, 2004 09:40:34 AM
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Dram Bheag @ Re:やれやれだな(01/25) 爺さんも死んだ。今度は父親とおいらの競…
Dram Bheag @ Re:やれやれだな(01/25) 爺さんが死んだ。大往生だな。山口県出身…
Dram Bheag @ Re:写真が嫌い(09/28)  怪我をしてしまって、ただでさえ乏しい…
Dram Bheag @ Re:写真が嫌い(09/28)  ごめんね。明日書く! 書けるかな? …
Dram Bheag @ Re:元犬(08/04) 今日の「正直さんぽ」でやってた。 https…

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