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ボッテガ・ヴェネタ銀座とONITSUKA TIGERの店舗が並ぶ一角。建物を壊して建て替えるのではなく、その骨格を活かしながら、ブランドの「顔」となる外皮を重ねていく。銀座という都市の文脈において、建築と商業、素材とブランドイメージが交差する興味深い風景が生まれている。
ディオール銀座からボッテガ・ヴェネタ銀座へ
ボッテガ・ヴェネタ銀座が建つ場所には、かつて建築家・乾久美子が設計したディオール銀座が建っていた。2004年に完成したディオール銀座は、既存ビルを活用したコンバージョンの事例としても注目された建築である。もともとは老舗書店の近藤書店などが入っていた建物を改修し、建物全体を白いアルミパンチングメタルによるダブルスキンで包み込んだ。
その後、ディオールはGINZA SIXへ移転し、この場所はボッテガ・ヴェネタの店舗へと生まれ変わった。2018年には、ボッテガ・ヴェネタのフラッグシップストアとして、再び大規模な改修が行われた。改修にはGARDE(ギャルド)などが関わり、乾久美子の設計による既存建物の構造体を引き継ぎながら、外観を大きく刷新している。
白いアルミパンチングメタルに代わって現れたのは、ブランドの代名詞である「イントレチャート」を想起させるメタルパネルの外装だ。革を細く編み込んだようなパターンを建築のスケールへと引き伸ばすことで、ファッションの技法がファサードへと翻訳されている。遠目には幾何学的で端正な表情を見せ、近づくとパネルの重なりや陰影が立ち上がる。素材の表面そのものが、ブランドの思想を語るサインになっているのである。
ボッテガ・ヴェネタは、1966年、モルテド夫妻によって北イタリアのヴィチェンツァに創業された。ブランド名は「ベネチアの工房」を意味し、シルクのように滑らかな革紐を編み込む「イントレチャート」の技法によって、独自の存在感を築いてきた。大きなロゴを前面に押し出すのではなく、素材の質感と職人の技術によって価値を伝える。その姿勢は、"When your own initials are enough"――「自分のイニシャルだけで十分」というブランドの哲学にも表れている。2001年にグッチ・グループの傘下に入る。
隣りの黄色い建物、ONITSUKA TIGER
ボッテガ・ヴェネタ銀座の隣でひときわ目を引くのが、鮮やかな黄色を基調としたONITSUKA TIGERの店舗である。周囲の銀座の街並みのなかで、黄色は強い視認性を持つ。一方で、その色面は単なる塗装ではなく、イタリア漆喰特有の柔らかな凹凸とマットな質感を伴っている。この店舗は、世界初のイエローコレクションコンセプトストアなどとして展開された空間で、設計・デザインにはクリエイティブディレクターのアンドレア・ポンピリオ(Andrea Pompilio)が関わっている。鮮やかなブランドカラーと、イタリアの素材文化を感じさせる左官仕上げを組み合わせることで、スポーツシューズのブランドイメージを、街路に面した建築の表情へと拡張している。
(文:Manusによる)


BOTTEGA VENETAとONITSUKA TIGER(写真+Artguru)
BOTTEGA VENETAとONITSUKA TIGER(写真+Google2)
BOTTEGA VENETAとONITSUKA TIGER(写真) コラージュ
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