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ガーデンプラザの中庭に立つと、空はもう夏の白さを手放して、薄い青に澄んでいる。噴水の水音は昼さがりの空気に溶け、ベンチで本を開く若い女性の頁を、ときおり風がめくっていった。その風にはもう、ほんのわずかな冷たさが混じっている。誰もまだ「秋」とは口にしないのに、街の呼吸だけが先に季節を知っていた。
植え込みのサルスベリは、盛りを過ぎた花を名残惜しげに枝先へ留めている。その足もとで、ススキの穂が銀色の波をつくり、ウッドデッキの上に細い影を揺らした。ひとつ、ふたつ、早熟な落ち葉が舗道を渡っていく。乾いた小さな音を立てて、誰かの足音に追い越されながら。
テラスでは、若い母親がアイスコーヒーの氷をからからと鳴らし、膝の上の幼子に空を指さして見せている。「見て、トンボ」。その声に、子どもは目をまるくした。透きとおった翅が光をはじいて、すいと宙を横切る。夏の終わりと秋のはじまりが、あの小さな翅の上で、ほんの一瞬すれ違ったように思えた。
夕方が近づくにつれて、建物の壁面は蜂蜜色に染まっていく。長く伸びた影が芝生を斜めに横切り、ウィンドウには柔らかな灯りがひとつ、またひとつと点った。買い物袋を提げた人々の背中が、あたたかな色のなかをゆっくりと遠ざかる。
ふと、金木犀の香りが鼻先をかすめた。どこから来るのかわからないほど淡く、それでいて確かに、胸の奥の古い引き出しを開けるような香り。子どもの頃の帰り道や、とうに忘れたはずの放課後の匂いが、ふいによみがえった。
(文:Claudeによる)
ガーデンプラザ 瑞穂の初秋(写真1+Google)
ガーデンプラザ 瑞穂の初秋(写真2+Google)
ガーデンプラザ 瑞穂の初秋(写真1〜2) コラージュ
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