PR
Keyword Search
Calendar
Comments
Freepage List
瑞穂橋を渡ると、川沿いの道はゆるやかに続いていく。ペダルを踏むたび、景色は少しずつ後ろへほどけ、川面には薄い雲が映っていた。水鳥がひとつ、羽音を立てて飛び立つ。驚いたのは鳥のほうか、それとも、何も考えずに走っていた自分のほうか。そんなことを思う間に、その姿はもう遠く、小さな点になっている。
道の脇では、草が秋の光を受けて淡く色づいていた。風は冷たすぎず、頬をかすめて通り過ぎる。自転車の車輪が小石をひとつ踏み、乾いた音を立てた。その音さえ、ここでは急ぐ理由にならなかった。
川は、振り返らない。昨日の雨も、夏の暑さも、誰かのため息も、すべて抱えたまま、ただ先へ流れていく。眺めているうちに、胸の内で固く結ばれていたものまで、少しずつほどけていく気がした。
真砂大橋が見えてくるころ、午後の光はやわらかく傾いていた。橋の向こうにも、まだ道は続いている。けれど今日は、ここまででいいと思った。走り終えたのではない。帰るために、立ち止まっただけだ。
自転車を降り、川のほうを振り返る。十月の風が、背中をそっと押した。
花見川は何も言わない。その沈黙が、いつのまにか、いちばん確かな返事になっていた。
(文:Manusによる)
花見川サ・コース(瑞穂橋から真砂大橋)(写真1+Google)
花見川サ・コース(瑞穂橋から真砂大橋)(写真2+Google)
花見川サ・コース(瑞穂橋から真砂大橋)(写真3+Google)
花見川サ・コース(瑞穂橋から真砂大橋)(写真4+Google)
花見川サ・コース(瑞穂橋から真砂大橋)(地図)
花見川サ・コース(瑞穂橋から真砂大橋)(写真1〜4) コラージュ
初秋夕景の花見川と幕張ベイパーク、2026… 2026.10.10
海浜幕張駅 南口、2026年10月。 2026.10.08
日没後の三井アウトレットパーク 幕張、20… 2026.10.08