嘔吐112.

April 9, 2006
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カテゴリ: 幻想即興曲


わたしは二本の足を切って魚になろう。

深みへ墜ちるほどにあなたが近づくのなら
果てない闇を彷徨う影になってもいい。

艶やかに漂うわたしの陽炎
叶わない現実(ひび)に溺れていただけ。

あなたはいない
わかっている、わかっている。


昇る、昇る、太陽が


青く刻む刻印を
温い温い風がさらっていく。


例えばこの言葉があなたに届くのならば
わたしの声帯を取り上げて捨ててもいい。

鮮やかな傷を失くした現在(いま)も
何もかもを奪うあなたの温度を。

求めていた、求めていた。

幻でも


消える消える温もりが
わたしの場所を連れて行く。

罰を拭うその腕に抱かれながら



昇る、昇る、太陽が私の場所を浄化する。
罰も拭う、その腕に抱かれながら眠りたい。

消える、消える温もりが私の場所を連れて行く
青く刻む刻印を温い温い風がさらっていく。


蝕んでいく記憶の破片


忘れてしまう、ぼやけてしまう。
あなたの聲が雑踏に消える。

蝕んでいく、抜け落ちていく
わたしを塞ぐピアスが足りない。


跡形もなく忘れてしまう
あなたの聲が雑踏になる。


天野月子 『聲』





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Last updated  April 9, 2006 03:27:17 PM コメントを書く


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