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2006年04月22日
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テーマ: 本日の1冊(3794)
2050年の日本

 元国会議員の評論家、大原一三氏、2005年11月に81歳で死去したが、死ぬ寸前まで日本の行く末を憂い、そしてその思いを表したこの1冊。恐らく大原一三氏の最後の一冊。

 大原氏は、今の日本は、戦後60年たっても民主主義はいまだ借り物の域を出ず、ただこの自由だけを重んじるものになってしまっていることや、”拝金主義=マンモニズム”に陥り、危機的な状態であることを嘆き、この状態から日本が蘇って欲しいと願うメッセージを本に託している。

 人口減少(特に生産年齢人口は、2004年現在の8500万から2050年には40%減の5500万)や日本の借金(国・地方合わせて約700兆円、当時の政府の特殊法人の借金約300兆円)といった国内的な問題から、国際的には、世界の人口増加、特にアジア、その中でも巨大な中国とインドが人口が増加し、そして経済成長し、それぞれの国の国民の生活水準の上昇により、世界レベルでの食料や石油などの天然資源の奪い合いが起こり、日本のように食料自給率も4割程度、天然資源特に石油はほぼ100%輸入の状況の中で、人口減少圧力の経済停滞により弱まってっている上に、資源争奪で更に弱ってしまう恐れがあることを説いている。そして日本が食料もエネルギーも、自前ではまったくまかなうことができない資源のない国としての認識を持った上で、改革にあたることを求めている。

 改革に際して、大原氏は、できる限り「スリムで効率的な社会」を構築することを目指せと主張し、思い切った気勢撤廃による自由な競争社会と強力な人材養成を求める。その後、財政、年金・医療、官僚、金融、土地、農業、市町村合併、ITによる効率化、労働力確保、技術開発、教育についての大原氏の考えが展開されている。官僚だけでなく組織についても無思慮に大きくなり続けること肥大化することはいいことではないと思う。その点では大原氏は市町村合併を積極的に勧めることを提案しているが、私は、なんでも大きくなれば効率化するとは限らないと思うので、その点はよく検討しないといけないだと思っている。といってもあまりに小さすぎる地方自治体はやはりある程度の大きさを持つべきだとは思っているが…しかし、こうやって広範な考察力やそれぞれに対して大原氏自身の改革案を提示できる知見の広さはやはりさすがだと思う。

 最後は、ペリーショックによる開国から世界一流の国に入った第1回目の改革=明治維新。そして第二次大戦後のマッカーサーによる占領行政の後の経済復興し世界第2位の国になった第2回目の改革、そして3度目の改革が成功して欲しいという願いが説かれていた。日本のことを最後まで憂いて亡くなられた憂国の士、大原氏の思いにどう応えることができるのか、これからの課題であり、これはある意味その宿題&参考の書なんだと思う。


2050年の日本 …再生か衰退か…
著:大原一三 発行所:東洋経済新報社
2004年12月9日発行 定価:1,900円+税





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最終更新日  2006年04月22日 22時30分05秒
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