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2009.02.10
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テーマ: お勧めの本(8116)
カテゴリ: 本が好き♪



著者はスーダン人の男性。
周りとは少し違った教育を受けたため、ザガワ語、アラビア語、英語を話すことができ、それを生かして世界中からダルフールの現状を取材に来るジャーナリストの通訳を務めるようになります。
危険を冒しチャドとの国境を行ったり来たりし、政府からはスパイとしてお尋ね者となります。
それでもダルフールの現状を世界に知ってもらいたいと、通訳を止めず、危険な取材に同行します。
その中で目にした、目を覆いたくなるような大量虐殺の現場や亡くなった人々。
そして自身も捕まって拷問の憂き目に遭います。

ダルフールが酷いことになっていると言うことは知っていましたが、詳しいことはほとんど知りませんでした。
この本を読んで、一体何が原因で何が行われているのか、ようやく分かってきたところです。

北京オリンピックの時もダルフールやチベット問題を掲げて反対する声が世界中から聞こえましたが、ダルフールとの繋がりがイマイチ良く分かりませんでした。
要するに、民族浄化を行おうとしているスーダン政府を、中国が後押ししているということらしいです。

それはともかく、この本はダルフールについて詳しく語られていない日本では非常に貴重な本です。
実際に著者が目にする狂気は、読みながら「これってフィクション(小説)じゃないよね?」と考えてしまうほど残酷で常軌を逸しています。
子どものお腹に銃剣を刺し、自分の頭上に高く掲げて血しぶきを上げて乱舞する兵士の話、81人もの人たちを並べて鉈で切り殺していく話と、想像できない話ばかり。
でも著者の語り口は怒りや悲しみに満ちているわけではなく、むしろ淡々としていてユーモアさえ混じっています。
なので、読後感は爽やかです。
そして感動的なのは、この地域の人たちの人間の大きさと言うのでしょうか。
自分の命が危険に晒されている状況にあっても、他人を思いやり、何とか相手だけでも助けてあげようとする人間愛に感動します。
実際のダルフールはきっと絶望と悲しみに満ちているんだと思いますが、著者は諦めず前向きです。
この本を読むと、一体自分に何ができるのだろうと自問したくなります。


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最終更新日  2009.02.11 10:20:50
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