ベリルの日記

ベリルの日記

January 8, 2005
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私のひざで丸くなっていた黒猫の兄貴が、しきりに上を見上げる。背中にぽたぽたと落ちる温かい水が気になって仕方がないのだ。

『地べたっこさま』という児童書を読んだ。児童書という形になっているが、内容は重い。1話読むごとに、「おまえならどうする」、「おまえにはそういう勇気があるか」と問われているような気がする。けれども、語り口は非常に穏やかだ。

この本の中で、知っていた話は「おこんじょうるり」だけだ。美しい人形アニメの「おこんじょうるり」を見て、なんとしても原作を読んでみたかった。

いたこのばあさまと、病気を治すじょうるりをうなるキツネのおこんの二人三脚は、人間のよこしまな欲望によって引き裂かれてしまう。

映画が描いていた雰囲気と原作はぴたりと一致した。長岡輝子さんの朗読が聞こえるようだ。おこんのうなるじょうるりも。

本から目を移すと、黒猫の兄貴はスヤスヤと私のひざで眠っていた。私のおこんはここにいる。

『地べたっこさま』(さねとうあきら=作 井上洋介=絵 理論社)






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最終更新日  January 12, 2005 07:12:02 PM
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