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「お前さ・・・、喜春さんの話、聞いてあげた事ある?」「・・・どういう意味?」「喜春さんと、親父さんの思い出話とか した事あるのかって聞いてるんだ。」「・・・。」「思い出も、そう・・・、 喜春さんが親父さんを頼り切ってた事 知ってたんだろ。 仲のいい夫婦だったんだろ。」「・・・だって、ママだって私に何も話してくれないし。」「親父さんと親しかった人はみんな悲しいよ。 でも、本当に心の底から悲しい気持ちを共有できるのは 喜春さんには渡良瀬しかいないだろ。」「何も話さないママより、聞かない私の方が悪いって事?」「そうじゃない。 喜春さんもお前の為、気丈になりすぎて お前も喜春さんの為、あえて核心に触れないようにしてきた。 お互いを思いやりすぎて、親父さんの話は封印してしまった。 結果、喜春さんは、親父さんが無くなったのは あの日外出していたからだと思い込み、 自分を責め続ける事になってしまった――。」「先生は、いつもママの味方。 パパの話だって、先生は関係ないじゃない。 ママにぶたれても、まだ分からなくて、泣かせて、 あげくの果てに抱きしめて――! ママを救ったとでも思ってるの?! 」 ―つづく―みなさんこんにちは。寒い中、お越し頂きありがとうございます。外は雪が降っています。うう~、寒い。心も体も冷たくなりそうです。夏恋ちゃんの、母ゆえに、恋ゆえにのかたくなな気持ち、イタイ~。誰か溶かしてあげて~。。。きっときっと春は来るから・・・。次回をお楽しみに~。
Jan 23, 2008
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「俺、パン 購買で買ってくから、先に行ってて。」―― 社会科準備室の前で待つ。まもなく姿が見えて、「天宮先生、理科室借ります。」そう言うと、私を招き入れる。いつもどおり、ドアを開けたまま。理科室の机に、先生と隣に並んで座る。「渡良瀬、飯は?」「食べたくないので。」「俺は食わせてもらうぞ。」焼きそばパンが先生の口に吸い込まれていく。毎日がこんな昼食なら、せめて夕食にはママの料理が食べたくなるのが分かる気がする。「・・でっ、何?」先生の、こげ茶のような深い緑色にような目が私を見る。先生の目、こんなに近くで見るのは初めて・・・。「――ママの事。」「・・・。」「・・・どうして抱きしめたの?」「泣いてたから。」私に対して、何事もないように答える。しかも、2つ目のパンをほおばりながら。「泣いてたら、抱きしめるんだ。 ――じゃ、ルミちゃんでも?」「かもな。」“だったら――。”思い切って聞いてみた。「・・・私でも?」「お前にはしないよ。」“――えっ。・・・はっきり言われた、対象外って事。“「お前には柏田がいるだろ。」“あ、そういう意味で・・・か。”「なんか・・・、すごく嫌。」「そう。」先生は顔色ひとつ変えない。「だって、私のママよ。 母親に・・・保護者に・・・ 先生より10歳も年上なんだよ。」私の声は大きくなる。「そう。」先生は私から視線をはずし、食べたパンの袋を片付ける。「10歳も年上なんて、おばさんじゃない。」「俺と渡良瀬も10歳違う。」「男が年上ならいいけど。」「男は年上でもよくて、女が年上はダメなの?」「気持ち悪い。」「・・・お前さ、 喜春さんの話、聞いてあげたことある?」「・・・どういう意味?」 ―つづく― いつもお読み頂きましてありがとうございます! \(^―^)人(^0^)/次回をお楽しみに~!毎日の励みに、ポチッとして頂けたら嬉しいです。。。
Jan 16, 2008
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昨日の夜も、月曜日の今朝も、なんとなくママとは気まずかった・・・。私も いつまでもママを責めたところでどうしようもない事は分かっている。でも、この4時間目の授業の手代木先生のデリカシーの無さは許せない。思い出したくも無い、ママを抱きしめたあの黒の長袖にスポーツメーカーの名前の入ったTシャツを着ている。この服を見ただけで、涙が潤んでくる・・・。切なくなって窓際後方の席のルミちゃんを見る。クラスの男子が、先生をからかうような面白いことを言った。ルミちゃんは先生を見て笑っている。クラスのみんなも、先生も。このシチュエーションで私だけ泣いていたらみんなどう思うのか・・・。「――じゃ柏田、次読んで。」先生に指されて柏田君が教科書を読む。”柏田君、私・・・どうしたらいい?”読み進める柏田君の声を聞きながら教科書に目を落とす先生を見る。『言いたい事全部言ったらいい。喜春にも先生にも。』初子さんの言葉が、再び頭に蘇る。”何を言ったらいいのか・・・。”「――はい。」先生が読むのを止めて、内容に細かい説明を加える。何も、耳に入らない―――。 4時間目の終了のチャイムが鳴る。私は後ろの扉から廊下に飛び出す。先生が前の扉から出てきたところをつかまえる。「――先生、ちょっといい?」私は先生に、わざと敬語を使わずに見上げる。「うん、いいよ。」私は先生の後について歩く・・・。 ―つづく―いつもお読みいただきありがとうございます♪さてさて、次回は先生と夏恋ちゃんの直接対決か?!続きをどうぞお楽しみに~♪♪
Jan 11, 2008
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――日曜日の今日、夏恋に会った。柏田君は、猛勉強中との事。E私大を受ける事に本気なんだ・・・。私は夏恋に、夏恋と柏田君の志望校を聞いた。柏田君は都内の・・・だけどD国大だと教えてくれた。私の中では、夏恋の口から『柏田君はE私大に志望校を変更した事』を聞き、『私も偶然そうなんだ』との運びになると思っていた。”柏田君、まだ夏恋に何も話してないんだ――。”もしかしたら、もう少し後で話すつもりなのかもしれない。私の心をかき回して、この後 夏恋の心をかき乱すであろう柏田君が、とてもずるく感じた・・・。 ―つづく―皆様こんにちは!また今年も引き続きお読みいただき、本当にありがとうございます~!emyちゃん作品のファンの皆様、私acoの気力が足らず更新が遅れたため長らくお待たせしてしまい、本当にすみませんでした!このブログに対する情熱とemyちゃんの作品に対する愛!はちっとも変わらなかったんですが、昨年末に頼まれたいくつかのPCの仕事でダメ出しをくらい軽いPC恐怖症(嫌悪症?)になってたみたい。ほとぼりが冷めても、今度は時間がない中で自分の楽しみのためにPCを開くことに罪悪感を感じて気力が萎えて・・結局電源入れられず・・。 でも新年を迎えて気分もリセットできました。自分の出来る範囲でいいよって言ってくれた相方emyちゃんよ!ありがとう!!気が楽になりました。ブログのお仲間さんからの言葉も、とっても励みになりました!重ねてありがとう!今年はリズム良く行ける様がんばります。今年も私たちとこのブログをよろしくお願いいたします~!
Jan 7, 2008
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