クラシック音楽リスナーの局(tsubone)

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August 9, 2006
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日曜日に家にいるときはNHK FM の「 気ままにクラシック」(気まクラ)

さて,一月くらい前だったか,この放送で,モーツァルトのセレナード第13番ト長調K.525の第1楽章がかかった.そう有名な「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」であります.何度となく聴いた曲だし,誰でも皆さんよく知っている曲でもありますね.そのときの演奏は,カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー(BPO)の演奏でした.あ,知っている曲が始まったナァ~とおもいつつ,思わず聴き耳をそばだてるのに時間はかかりませんでした.この演奏,んっ!おいしい!と思ったからです.

このセレナード,やはり弦楽カルテットやクインテット,あるいはせいぜい小編成の室内楽オケで聴くことが多いと思いますが,この演奏は,ベルリンフィルの大きな編成での弦楽合奏での録音でした.そして,カラヤンがこの強靭かつ繊細な音色をもつBPOの弦楽パートをあやつって,実に豊かにはつらつと音楽を奏でているのに改めて感心したのですね.憎らしいほどにつぼを押さえていて,ここぞというところで聴かせてくれるので,思わず唸ってしまう演奏でした.

こうなると,これはCDを探して買うしかありません.それで見つけたのが, このCD .2枚組みで,このセレナードのほか,ディベルティメントがたくさん入っています.
IMG_3317.JPG
聴いてみればなるほど思ったとおりの演奏で,なかなか楽しみなCDです.このCdの録音は,1965年から1969年にかけてのアナログ録音で,カラヤンの円熟期のものでありますが,このセレナードは何度か録音しているので,気まクラで放送されたものがこの録音そのものかどうかはわかりません.このCDはリリースが2005年で,このアナログ録音をリマスターしたものですが,音質もよくて,ベルリンフィルの弦楽パートの音色とそのふくらみ,響きあいを実によく拾っていて,奏でる音楽を本当に楽しませてくれますねぇ~.要するに演奏が飛び切りよくて,それをうまく拾った録音がいい!ということなんでしょうね.

ところで,「レコード芸術」(レコ芸)の今月号(8月号)が「特集 名録音列伝」とうたわれているので,久しぶりにこの雑誌を買いました.その44ページから「音の魔術師たち」という記事で,名バランス・エンジニア11人が紹介されています.その筆頭に上げられているのが,ギュンター・ヘルマンス氏.「『ブレンドの旨み』を堪能させる玄人好みの名エンジニア」と紹介されています.カラヤンの録音にはすべてこのヘルマンス氏が担当したと書かれいて,上のCDのライナーノートをみると,なるほどヘルマンス氏の名前があります.その紹介記事によると「...個々の楽器のソロが鮮やかに浮き上がるというよりも全体の重厚な『響きのブレンドの旨み』を聴かせるタイプである.オーケストラの大人数の合奏の迫力を,サウンドの密度で描き出す.(中略)オーケストラやオペラの録音を聴いて,ただメロディを次々と追いかけているにとどまっている聴き手には,ヘルマンスの凄さはわからないかもしれない.」とあります.なるほど!





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Last updated  August 10, 2006 01:05:10 AM
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