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かとう　あきら

長野市在住。かとうあきらのBlogです。長野を拠点に、名古屋、東京などで音楽の仕事しています。アマチュアオケの指揮指導、violin,violaのレッスン、コンサート企画、楽曲解説の執筆、レクチャーなど。 2011年に脳出血で倒れ、現在も左半身麻痺状態でリハビリ継続中。

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2017/02/26

牝猫たち

テーマ：最近観た映画。(41055)

カテゴリ：日記

午前は週末の準備。怖くなってきた。ううう。

権堂へ。相生座/ロキシー
白石和彌監督「牝猫たち」観る。
池袋だなー。
もしかして池袋という街が主役なのかも。
できることなら池袋で観たい作品。
池袋の見慣れた風景が美しく、禍々しく、哀しく映し出される。
いつも自分が見慣れた池袋とは全然違う。
（おれは無性に中本東池袋店に行きたくなりました笑）
ずっしりした手応えの骨太な人間ドラマだが、
時々いい感じの軽さがあって良い。　

こーゆーどん底な状況は日本のどこにも普通に転がってる。
例えば、
伴侶に先立たれた孤独な老人
高齢化した引きこもり...
ネットカフェ難民
DV
育児放棄
こうした事象を丁寧にすくい上げて描いていく。
優れて現代的なドラマ。
三人の女（牝猫）を中心に描かれる切なくてどうしようもない人間模様。
シッターの男（松永拓野）がいい感じだった。
デリヘルの店長さんの音尾琢真さん、最高！
ガッパ！
一瞬の空飛ぶ巨大なガッパにはグッときました。

井端珠里さん、超魅力的だったー。ちょっとやられた。
ネットカフェのフラット席に
胎児のように横たわる珠里ちゃんの姿....
真上さつき、美知枝もとてもよかった。
素晴らしい三匹の牝猫だったと思う。

白川和子さん相変わらず美しく、しかもすっごい貫禄。
彼女の出演はロマンポルノへの最高のオマージュだ。
若い女優さんが縛られて吊るされているシーン。
そこに白川和子が居るってこと！
もうそれだけで感動的！

白石和彌監督は「凶悪」が素晴らしかったので、期待してた。
期待以上の出来で大満足。

今日は思い立って映画ハシゴすることにした。

アイザワ先生経由で鈴木清順監督の訃報を知る。
ショックだ。本当に悲しい。
合掌。
ハシゴする気になったのも、清順監督のお導きかもしれない...

クラウス・ハロ「こころに剣士を」観る。
観てよかった。これ実話を元にしてるんだよな。すげえ。
静かだけど、強靭な作品。感動的。
エストニアのハプサルが舞台。
空気感は北欧そのもの。
作風の違いはもちろんあるが、
確かにベルイマンやカウリスマキの作品の空気感と共通する空気感がある。

エストニア、ドイツ、ソ連、スターリン..1953年

相手との間合いがとても大事な競技、フェンシング。
そしてフェンシングは後退しすぎて後ろのラインを越えてはいけない。
間をうまく取って、絶対に後退せず、前に出ないと勝てないのだ。
エストニアや子供たちや登場人物たちの状況を
フェンシングにうまく絡めて描いているのが上手い。
終盤は泣きました。いやあ、泣いた泣いた。

それにしてもマルタ（リーサ・コッペル）の可愛いこと！抱きしめたくなるほど可愛い。
カドリ（ウルスラ・ラタセップ）が美しい。

ロマンポルノ観て直後に感動的なヒューマンドラマを観るなんて...
と思う人もいるでしょう。
おれは特に違和感ないです。
おれはそーゆー男だもん。

エロが大好きなのもおれだし、
感動的な映画に心打たれて涙するのもおれ。
両方ともおれです。

人間ってそーゆーもんでしょ？