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かとう あきら

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2018/06/02
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カテゴリ: 日記


いよいよ本番


14時開演。たくさんのご来場ありがとうございました。

客席1列め2列めのど真ん中、
おれの目の前にかぶりつきでずらーっと部活の中学生。
これには参った(笑)
いや、うれしかったけどさ。
かわいい子たち!

まず、ハイドン「太鼓連打」
みなさんおれの言うことをよく聞いてくれて、
ちゃんと音にしてくれてありがとう。
楽しい演奏になったんじゃないかな。

奏法は全体にはごくオーソドックスなものだったと思う。
ピリオドっぽいやり方は採用してない。
どちらかとゆーと保守的でアナクロなやり方。
確かに2楽章でいろいろチャレンジはしたけれど、
全て詳細に理由を説明できる。
単純に奇をてらったおもしろさ優先の表現ではありません。
東欧の音楽やトルコ行進曲の影響。
コメディアデラルテの影響。
以上のようなキーワードに従って表現した結果あんな感じになった。
めんどくさいのでこれ以上細かく書きません。

ハイドンは長生きしたので、
エロイカ交響曲と太鼓連打の作曲時期は
10年も離れていない
とゆーことも個人的には大きなポイント。
そう、
ハイドンはナポレオンの大活躍やフランス革命を肌感覚として「よくわかっている」のだ。
太鼓連打は1795年の作品だから革命の時代の交響曲だ
ここはおれは非常に重要だと思う。
そーゆー感覚で演奏したつもり。
エロイカと同じEsだし...
特にホルンの扱いがエロイカの感覚に接近してるとおれは考えてる。
ホルン、大健闘。よくやってくれた。






ファゴットや低弦セクションが非常に大事な作品。特にファゴットは唸るような低音からアリアのような色っぽい歌まで担当してとても多彩。
よくやってくれました。
クラリネットがここまで大活躍するのもハイドンとしては珍しいケース。
いティンパニをはじめフルートもオーボエもコンマスもソリスティックに大活躍する。みなさんブラボーでした。









細かい約束がやたら多くてみなさん大変だったと思う。
セカンドヴァイオリンにはちょっとした「振り付け」もあったりして....
お疲れさんでした&ありがとう。


休憩して「うぶすな」


じゃがー先生のドレス、
和風にも見えるし、洋風でもあるし、ちょっと中東風でもある。
素敵でした。


客観的に見るとすごいなあ。壮観だ。

ヴィジュアル的にも和洋の打楽器の存在感がすごいねえ。


冒頭のやぐら太鼓の一撃だけで一気に世界が変わる....


















ラストの部分。異常な盛り上がり。





じゃがー先生ブラボーでした。







一道さん、お疲れでした。
ご一緒できて幸せでした。楽しかった。





お疲れちゃん。感無量。


転換して鄙歌第2番。
ここからは家内が舞台袖にいたので、
ほとんど画像ないです。ごめーん。

鄙歌第2番の第一曲「和讃」はひたすら感動的。
仏教の「和讃」 ​に信濃の民謡を混ぜた感じの音楽。
仏教的にスッキリと晴朗にやってもいいのかもしれないが、
それにしては音楽があまりにエモーショナル過ぎる。
考えた結果、おれは清茂先生の歌曲「田草取り」との類似性を手掛かりにして信濃の民謡の方に寄せて音楽作りをすることにした。
仏教的な晴朗さはグロッケンの響きでカバーできる。
弦楽器のフレージングにはかなりこだわってやったつもり。

コントラファゴット、バスクラ、チューバ、コントラバスを重ねて重低音が唸りまくる、低音が非常に重要。こーゆーやり方は伊福部先生のやり方にちょっと似てるが、結局清茂先生の
第二曲「たまほがい」はラヴェルのボレロのやり方で作られてる。
(和讃も基本のメロディは常に同一のものの繰り返しで、そーゆー点ではボレロ的とも言えるかも)



清茂先生の和音やオーケストレーションは
実は非常におシャレでハイセンスだったりする。職人芸の極地。
ラヴェルやドビュッシーやストラヴィンスキーに接近してる。
第二曲「たまほがい」は色彩感覚が極めてフランス的。
お洒落に研ぎ澄まされた清茂先生の感覚のエッセンスのような楽章。
この楽章はもし20世紀初頭のパリで演奏されたとしても、
おそらく何の違和感もなく受け入れられたことだろう。
そーゆー感覚。
これを全く西洋的なアプローチではなく、
徹底的に和の方向から実現したのがすごい。
天才...

第3曲「ウポポ」と第4曲「豊年踊り」でやぐら太鼓、締め太鼓、桶胴が一気に参戦する。
「ウポポ」はアイヌ。清茂先生はアイヌにもずっとこだわりがあった。その集大成のような楽章。土俗性が爆発するような音楽は問答無用で血が騒ぐ。和太鼓(特に桶胴)とティンパニの対決は圧巻だ。

「豊年踊り」は「伊予万才」。
おれが一番参考になったのは伝統的なものではなく、​ 殿様キングスの演奏 ​。
これは超名演です。最初に聴いた時はまずショックで言葉を失い、
その後あまりに感動して何度も何度も繰り返し聴いた。
香西かおりさんの歌唱も素敵で大いに参考になったが、
おれはやっぱり殿様キングスが圧倒的にものすごいと思う。

おめでたい締め太鼓で始まり、ご機嫌な管楽器ソロがリレーされ、威勢のいいTuttiで囃し言葉が挟まれる。

いい調子でおめでたい音楽が楽しく続いていくと、突然悪魔的な西洋太鼓(ティンパニ)が無礼千万な調子で乱暴に乱入してきて、場を乱す。悲鳴を上げる木管楽器。和太鼓たちが寄ってたかって、西洋太鼓を取り押さえて静める。金管楽器のフラッターによるものすごいうめき声をあげて苦しむ西洋太鼓。一応、反撃の一撃を暴力的にぶちかますが、やぐら太鼓の神聖な一撃であっけなく西洋太鼓は折伏され、めでたしめでたし

とゆーのが、一応おれなりの「豊年踊り」の物語です。
結局、やぐら太鼓は最強の打楽器なのだ、とゆーことかな。
オケのみなさんにはそんな風に説明してやってました。

アンコールは例によって「​ もぐら追い ​」
鄙歌でアイヌに行ったり伊予に行ったりあちこちに行ったので、
ちゃんと地元長野に戻って終わる。

(もぐら追いのオケ版の自筆スコア、
長野市の倉庫のダンボール箱の中から発掘した時は超嬉しかったなぁ...)

で、とどめにお客様と一緒に「信濃の国」。
これもまた清茂先生のオーケストラアレンジで。










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Last updated  2018/07/25 09:29:04 PM


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