Swimming in the cloud 6月5日 私は我(が)の強くない人間である。私は他者を通じてしか自己を知ることができない。自己がなければ他者は存在しないのに、他者との関係の中にのみ自己を見出している。 他者との関係において自己を支えているものは何なのか。私はよく「どうでもいい」という言葉を使う。ときとしてぼんやりと空でもみているとき、あるいは激しい行動のさ中、現実放れした真空の中にいるように感じるときがある。“Swimming in the cloud”そんな気持である。他者の存在が矛盾なく自己と同居している。そうした真空から脱したとき始めて、その矛盾に気がつくのである。 結論―私の自我はあまりにも弱い。 高野悦子著『二十歳の原点』(新潮社)より引用 悦子さんの中には主体性の追及と自我の弱さが同居していたのかもしれない。