-EVOLUZIONE-

-EVOLUZIONE-

*Fフォーク O/H*

- フロントフォーク オーバーホール -
- OVERHOUL OF FRONTFORK -



MAINTENANCE LEVEL=★★★★★
TIME= 180min
SP TOOL= 油面調整器 スライディングハンマー ステンワイヤー 自作工具(格安)

******************************

*作業前に*

この作業は一人で行うにはとても大変だと思いました。
せめて、知識をもった友人などに手伝ってもらうなどすれば、そこそこ楽になります。
3人いれば余裕かと思います。
さて、フロントフォーク(以下、FF)は人間で言うならば足に当たる分です。
バイクでは、当たり前ですがこれが無くては走れません。
また、FFは常に稼動していて、あらゆる路面の微々たる凸凹を吸収してくれています。
そのFF内にはオイルが満たされており、このオイルの動きによって決まってくるので定期的なメンテは必須項目です。
内部構成では、シールやしゅう動パーツ(スライドメタル・ブッシュメタル)があり、その状態も確認しなければなりません。
2万キロを超えた車両では特に実施しておいた方がいいと思います。
最近ブレーキの効きが悪い、路面の衝撃が強く感じる、コーナーで不安を感じたなどの症状ではFFも関係しています。
一度もそんな事してない車両では、このOHで見違えるようにFFが復活するでしょう。
オーリンズやハイグレードなFFに買い換えるのも良いですが、OHでも負けじの性能を得られますよ。
走りにこだわる人こそ、FFの重要性を認識してほしいところです。

自分のSNのFFはフルアジャスタブルなので、若干作業方法が異なる場合があります。

******************************

さて、今回の作業では幾つかの必須工具があります。
中には特殊工具(SST)を必要としますので、事前に用意しておきましょう。
自分が用意した工具は…

14mm、17mm 両口スパナ
スライディングハンマー(オイルシールプレッシャとも言う)
油面調整器(油面はノギス(デプスバー使用)、微調整にアルミパイプ(6mm)+耐油チューブ+注射器orオイルタンク)
ステンワイヤー(ダンパーを持ち上げる時)
汎用L字金具2個+M6ボルト2本(ヘキサゴン)(スプリングカラーを押す為)
アルミプレートを正方形5cm程度で、中心に1cm程U字に切りかけをいれます(ダンパを固定)

ぐらいですかね。
本当のSSTだけで3万コースでしたが、自作では2千円もかかりませんでした。
SSTを使えば、楽な作業が出来るんでしょうけどDIYドカティストとしてはケチに自作ですw

さてさて…まずはメンテナンススタンドで前後をリフトアップしてから始まります。
ff-oh
と、その前に、アクスルシャフトのナットを緩めておきます。

そしたら、FFの減衰力調整(イニシャルアジャスタ)の全クリック数&現在のクリック数を確認します。
ff-oh2
この作業を行わないと、後々大事態になりますので、必ず行ってください。
マイナスドライバで左F&右F、共に左側に回すと弱くなり、右は強くなります(ダンピングが変わる)
ちなみに、SNのイニシャルアジャスタは、
全クリック数=18クリック
設定クリック数=最弱より右に8クリック
でしたので、メモしておきます。

ハンドル、メータケーブル、キャリパー、ホイールなどを外して行き、トップブリッジのボルトを緩めます。
次にアンダーステムのボルトを緩め、FFをステムに対して真っ直ぐ引き抜きます(無理にこじるとアウタチューブにダメージ)
ff-oh3
右か左か分かるようにマーカーしておくのもいいでしょう。
外れたらこっからが本番です。
ありえない程の気合をいれ、パワープレーをかもし出しましょう。

そして、あらかじめ緩めておいたトップキャップを外します。
ff-oh4
外れたら、インナチューブを押し下げると画像のような状態になります。
こっからが正念場です。

ここで登場したのが自作工具のスプリングカラープレッシャ(仮称w)
画像にはありませんが、アルミ板から作ったダンパロッドストッパ(仮称2w)
14mmと17mmのスパナも用意して作業します。
ff-oh5

*この作業は一人でやるのは正直無理かと…自分は友人に手伝ってもらいました。
そしたら、スプリングカラープレッシャを画像のようにセット。
ちょうどカラーにヘックスボルトの頭が入ったので、そこを使います。
ff-oh6
で、ここでパワープレー!!
一人がFFをモモに挟んで固定し、そのままカラーを押し下げて耐えます。
そうして、もう一人は神速にトップキャップを軽く持ち上げて、トップキャップとダンパロッドの連結している
ボルトの下にストッパを差し込む(カラーに樹脂ワッシャとワッシャがあるので、その間に)
ダンパーに戻る力が作用するので、戻させない為にストッパを噛ます。
簡単そうにみえますが、非常に力のいる作業です。
押す人が耐え切れなくなったら、一気に戻してはいけません!!
オイルがとんでもなく噴出します。
ゆっくりと力を入れながら戻しましょう。

ストッパーを差し込む事が出来れば、14mm(ダンパロッドのナット)と17mm(トップキャップのナット)のスパナでくわえます。
スパナは片手だけで挟むようにして緩めましょう。
よく、両手で反作用にして緩めるのを見ますが、全く効果はありません。
力の作用をよく理解すれば、片手でできる作業です。
画像をのっけたかったのですが、必死でしたのでわすれてましたww

トップキャップを外したならば、もう一度カラーを押し下げて、今度はゆっくりと戻します。
そうすると、カラーが抜き取れて、オイルを排出することができます。
オイルパンにオイルを出す際はスプリングに注意してください。
勢いよく飛び出てきますので、手で押さえながらオイルを排出。
出し切ったらスプリングを取って、今度はダンパーやインナチューブをストロークさせて内部のオイルも排出。
ff-oh7
23000kmほど走ったオイルは墨汁のようでした。。。

ある程度出切ったら、今度はダストシールを外します。
指で押し出すようにするか、マイナスドライバを犠牲にして、角っこをやすりで削って丸くさせたらねじ込む。
インナチューブにキズを付けないように注意。
ff-oh8
画像のようになったらOK。

次はオイルシールを止めているクリップをマイナスで外します。
ff-oh9
簡単ですがこれも、インナチューブに注意してください。

そうしたら、FFを持ち、インナを手で固定し、アウタチューブをガツガツと引き抜く感じでやります。
何回かやっていると、画像のような感じになります。
ff-oh10
以外に頑固でした。

ff-oh11
インナーチューブの構成は上から、
スライドメタル
ブッシュメタル
ワッシャー
オイルシール
クリップ
ダストシール
この順番になります。

まずはスライドメタルを外すのですが、少し押し広げてやると簡単に外れます。
その他はスイスイ外せられます。
この時に、メタル系のコーティング、シール類の損傷をよく見ます。
メタル系は、目立つコーティングの剥がれがなければ再使用可能です。
シール系もチェックし、異常なキズがないかを確認します。
キズがあっても無くても基本的に交換ですが、異常なキズがあった場合にはチューブをチェックしておきましょう。
原因が分からないままですと、同じことが起きてしまいますので…。

全部外したら、順番に並べておくといいでしょう。
FFの構成はこんな感じ。
ff-oh12

インナチューブやFFスプリングなどもしっかり洗浄したら、組み付けです。
まずは、インナの口にビニールテープを巻いて、シールにキズが付かないようにします。
ff-oh13
そしたら最初にダストシールを組みますが、新品でも入念にチェックしましょう。
ff-oh14
そして、内側に少量のシリコングリスを塗布します。
次にクリップ、オイルシール(新品でもチェック)、ワッシャ、ブッシュメタルと組んで行き…
スライドメタルの時にはビニールテープを外します。

上からアウタチューブを差込み、ここでスライディングハンマーでオイルシールを圧入。
CIMG1101.JPG
これがスライディングハンマー。
ff-oh17
圧入が完了したら、クリップを戻して、ダストシールも組み付けましょう。

組み終えたら、FFを圧縮状態にしてFFオイルを規定量注いでノギスで油面測り、
多ければ吸入・少なければ足す、を繰り返して最適な湯面にしましょう。

油面もバッチシならば、スプリングを入れてダンパのエア抜きをしましょう。
今回、スプリングはハイパープロのコンビキット含まれているものを使いました。
ff-oh18
純正と比べるとバネレートが若干違います…ハイパープロは純正よりも硬いい感じ?
右がハイパープロで左が純正。
オイルの粘度が柔らかめなので、うまい具合にバランスをとているのでしょうか。

エア抜きはダンパを手で掴み、ストロークをさせるとダンパ頭部よりオイルが出てきますので、何回か繰り返します。
勢いよくストロークさせると油柱がたちますのでご注意を…。
気泡がオイルから無くなったのを確認したら、ステンワイヤーで画像の感じにします。
ff-oh19
これは、組み込む際にダンパーが沈まないようにするためのものです。
こっからは最初の逆の手順です(またもや画像忘れてしまいました…orz)
スプリングカラーをセットし、樹脂ワッシャ&ワッシャをいれて、カラープレッシャで押して…
ステンワイヤーを上にゆっくりと引っ張り、ダンパロッドストッパーで固定し、トップキャップをつけます。
手締めしたらイニシャルアジャスタのクリック数を確認します。
ここでは、トップキャップを締め込み過ぎるとクリック数が減り、逆に締め込みが足りないとクリック数が多くなるのです。
クリック数が違えば、減衰力も変わってしまいます。
例えば…
左の最大クリック数=23
右の最大クリック数=18
だとして、設定を同じクリック数9としても最大範囲内での効きなので、当然、減衰の効きが違ってしまいます。
フルアジャスタブルのFFではここが一番肝心な部分でもありますので、クリック数が違った場合は微調整してください。
ハイパープロの指定は12クリックでした。
スプリングは硬めですが、オイルの方が柔らかいために、強めに設定するんだと思います。

クリック数も完璧でしたら、ロックナットをスパナで締めこみます。
スパナを外し、スプリングプレッシャで押し下げ、ダンパロッドストッパを引き抜いてトップキャップをアウタチューブに締めこめば1本終わりです。
もう一本も同じ容量でオーバーホールします…まぁ1本で1時間半あれば出来るでしょう。
ボクはちょっとした事態に見舞われ、一週間はかかりました('A`)
DJよ…部品の流通をもっとよくしなさい!!

走行インプレッションは日記にて公開予定www


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: