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【心の強さには二つあります】★下園壮太氏の言葉から―◎私は、心の強さには、「子どもの心の強さ」と「大人の心の強さ」の二種類が ある、と考えています。 「子どもの心の強さ」とは、頑張れば頑張ったぶんだけ成長していくという 精神力。 多少の困難に突き当たっても一人で頑張り抜くというのが、「子どもの心の強 さ」だと考えます。 一方、社会に出ると、このような頑張り一辺倒ではうまくいきません。 仕事で失敗をする、人間関係をこじらせる、親の介護や子どもの教育に頭を悩 せる、病気にかかる……。 このようなとき、追い詰められないように自分の心をケアし、物事に対処する 工夫ができるのが「大人の心の強さ」だと考えます。 疲労やストレスが蓄積されていくと、本能は、「これ以上、頑張ってはいけな い」「自分を休ませて心身を立て直しなさい」と訴えかけてきます。 仕事において、「子どもの心の強さ」だけで邁進しようとする人は、目標を非 常に高く設定しがちです。そして、目標を達成できなかったときに大きなダメ ージを受ける傾向があります。 そんな人は、自分に対する自信を不必要に失わないためにも、「子どもの心の 強さ」を、少しゆるめる必要があります。 最近、地下鉄のホームで、「ほら、何をグズグズしてるの!」と子どもに大声 で怒鳴っているお母さんを見かけました。 一見すると、「ダメな母親だ」と批判したくなる光景ですが、私には、お母さ んのその様子が「誰か、イライラしている私を助けて!」というSOSを発し ているように感じられました。 共働きをしている場合、母親は仕事と子育ての両立で疲労困憊してしまい、そ のストレスは「怒り」として表れやすくなります。 怒りを発すると、反撃される可能性もあるので、人は無意識のうちに「反撃し てくる確率の低い、自分より弱い相手」に怒りを向けがちです。 もし、「自分より弱い相手」として子どもにイライラしてしまう、そして「自 分はダメな親だ……」と自分を追い詰めているようなら、「自分はとても疲れ ているんだ」と考えてください。 疲れていたら、イライラするのは当たり前です。そのイライラしてしまう自分 を認め、疲れている自分を癒すことも含めての子育てです。 大人の心の強さですね。 子育てというのは、そもそも思うようにならないものであり、右往左往するこ とこそ子育てだ、と思うことが心の持ち方として有効なのかもしれません。 だから、子どものためにも、もっと自分を大事にする――そう考えて、自分の 疲れやストレスをしっかりとケアしてください。 (参考文献:下園壮太著 「寛容力のコツ」 知的生き方文庫)________________________________________*「子どもの心の強さ」と「大人の心の強さ」の特徴を著者は次のように分類 します。 「子どもの心の強さ」 「大人の心の強さ」 ・人より劣っていてはダメ →・一つがダメでも何か長所があればいい ・一人でやり遂げなければダメ →・時には人を頼ってもいい ・苦しくても逃げたらダメ →・最終的には逃げることも手段の一つだ ・人に迷惑をかけてはダメ →・困ったときはお互いさまだ ・自分の問題点を見つける →・自分のいいところは自分だけがわかる ・これをやれば自分は成長できる →・変われない私も認めていい ・いつも一貫した態度を取る →・時と場合によって態度を変えてもいい 心をケアするというのは、バランスをとるということです。 バランスのとれた状態の心は安定しています。 さらに、心のバランスがとれていれば、幸福感を感じやすくなります。 ストレスがまったくゼロとまではいかなくても、少なくとも無理をしすぎない ようケアしましょう。
2019年11月16日
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【眺める位置を変えてみる】 先日、知人の一人に、何年かぶりに会った時の話です。 彼は体を壊して、それまで勤めていた東京の会社を辞めて地元に 戻って来ました。 彼は何十年ぶりに、小学校の頃の通学路を散歩しました。 そこで、とても大事なことに気がついたと話してくれました。 どういうことかというと、家から小学校までの距離が当時にくらべ とても短く感じたというのです。 さらに、まわりの景色も確かに変わっていたのですが、記憶にある 風景より小さく感じたといいます。 では、気がついた大事なこととは何だったのでしょう。 それは大人になって背が高くなり、歩く歩幅も違ったから近いと感じ たこと。さらに目線も高くなったから景色も違うように見えたこと。 そして彼は、しゃがんで周りの風景を見渡した時、そこで小学校の時と 同じ景色を見ることができました。 彼は、何事も同じ視点でばかり見ていてはダメだ。たまにはしゃがんで 低いところから眺めることも大事なことだと思ったそうです。 今まで見おろしていた世界が、しゃがんだことで別の社会があることを 知ることができたのです。________________________________________ *私たちは、近いもの見続けるとつい遠くを見ようとします。 これは目の疲れを癒そうとする本能的な行動です。 心にも、同じ働きがあって目の前の現実ばかりを見て生きていくと、 心は疲れます。 そういう時は、夢を描いて遠くを眺めることがないと、心が乱れて しまいます。 現実に振り回されないためには、時には立ち止まって気持ちを整え、 自分の目指すところはどこなのか、を眺めることも必要です。
2016年08月29日
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