Flatのガンプラ製作日記

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2020.02.24
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「想いであずかり処にじや質店」


想いであずかり処 にじや質店 (ポプラ文庫 日本文学 378) [ 片島 麦子 ]

タイトルから「想いで」を預かってその代わり何かを貸してくれるのかと
思っていたのですが、ちょっと違いました。
お客さんは自分が「叶えたい願い」を言う。
その願いを叶えるために質草と利子を預ける。
というものです。

利子は現在大切していてそれを失ってでも叶えたいと覚悟を示せるもの。

質屋なので質草は取り戻すことができるわけですが、それは願いが叶ったとき。
願いが叶ったとき、質草は返し、利子は失われることになります。

この不思議な質屋は満月の夜しか開いておらず、今日も願いを持ったお客様が
くるのでした。

偶然訪れた「いろは」は思いがけず母親と父親の想いを知ることができ、
このお店で働くようになります。

お客さんの過去が丁寧に描かれ、願いもほんのちょっと力を貸すだけな点もとても
好感が持てます。
例えば、
「元カレに会いたい」という女性はこの質屋に訪れた日の帰り、嵌めていた

ようやく指輪が止まったところにあった先には病院で・・・
とか
母親のやっていた飲食店を引継ぎ、居酒屋をやっていたオヤジが「母親の味を
再び味わいたい」と願います。
居酒屋の経営はだんだん傾いてきており、その焦りもあった彼はその日店を

家に帰ったオヤジはほんの小さな奇跡に遭遇するのです。

そんな感じです。

奇跡の起こし方がとてもささいなのが非常に良いです。
そしてその願いが叶ったとしてもみんなが幸せになるというわけではなく、
それをどう生かしていくかはその人次第ということ。

実はこの奇跡を起こしているのはこの質店にある厨子(物入れ)らしいのですが、
詳しいことは明かされません。
そして店主自身はある鬱屈した思いを抱えていて、本当はその時の想いを知りたい、
しかし、この厨子に頼るようなことをしたくない、一度頼ってしまったら、何度も
頼ってしまいそうだから、と自分を恐れ、悩んでいます。

そんな思いを抱えながら、少しずつ願いを叶えていく姿はほんわか温かくなるお話です。





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Last updated  2021.04.03 13:32:16
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