「くそぅ! 何故勝てないのだ!」
「その組み合わせはダメだと思いますよ」
「おいっす。 って、ベイブレードかよ…また懐かしいもの出してるな~w ちょっと俺にもやらせてよ」
「どうぞどうぞ。 旧世代のベイですが」
「おっしゃー! 俺ドラグーンな! 行けー何とかトルネードー!」
「ぎゃー! また負けたー!? 紅狐ー! このファントムフォックスって弱くない!?」
「分身させなきゃいいのに…」
「そう言えば最近また流行ってるじゃん、ベイブレード。 あれはやらないの?」
「あぁ、あれはちょっとねぇ。 フェイスのデザインがイマイチって言うか。 まぁハイブリットウィールってのは気になりますけどね。 組み合わせの幅も広がって面白そうだな…とか」
「詳しいな」
「あ、いや、別にちょっと調べただけですよ!」
「何だかんだ言ってホントは欲しいんじゃないのか?」
「な、何を! 僕にはこの相棒・シーボーグがいるのに!」
「地味な相棒だな」
「うるさいよ! 気に入ってるんだから良いでしょ!」
「ところでさぁ、新しいベイと旧ベイって戦わせたらどっちが強いの?」
「あぁ、実際やってみましたけど、メタルファイトの勝率の方が圧倒的に上でしたね」

「あ」
「認めたな」
「あぁ~! しまった! つい『アースアクィラ』のデザインが気に入って購入してしまったことがばれたー!」
「詳しい話は署の方で聞いてやるのだ」
「待って、ほんの出来心だったんです! アクィラ格好良かったし、使い手の翼くんも格好良かったし、最初は眺めるだけのつもりで買ったんです!」
「で、いざ回してみると思ったより強くてバトルにも興味が湧いたと…?」
「うぅ、初めは『ベイ太なんかドラグーンで軽くボコってやんよ』とか思ってましたが…浅はかでした。 この実力を見たら…認めたら…ブレーダーだったら興味湧くでしょう!?」
「それで手を出した…と」
「初めはアクィラだけでやめるつもりだったんです…。 でも、ウィールの組み合わせを変える度にがらりと姿を変える彼らに…いつしか心奪われて…今ではこんなことに!!」
「すげー増えている!?」
「そして綺麗に整頓されている!?」
「ウィールとボトムは攻撃・防御と、タイプごとに収納。 トラックはノンギミックは一まとめに、ギミック付きは高さごとに分けて収納。 フェイスはメタルだけは取り出しやすいように別ケースに分けて収納。 シューター三種にグリップ二本完備!」
「そうだ…紅狐はハマりだすと限りなく突っ走るやつだった…」
「しかし…そこまでハマっていながら、何故に隠そうとしてたのだ?」
「あ、いや、ちょっと恥ずかしかった…。 けど、もうどうでも良いかなと」
「ははは。 じゃ、じゃあ、今度はこのベイで勝負しようぜ!」
「おぅ! これ好きに使って組み合わせて良いんでしょ?」
「あ、はい、どうぞ」
「お、何だこれ? 丸いぞ? 防御に超強ぇんじゃないの?」
「エスコルピオは中が空洞なので軽いんですよ。 だから超強いってことはないです。 最強は旧リブラだそうで、その重量と円に近いフォルム故に、如何なるベイもはじき返すとか。 現在は入手困難な一品で、僕も入手に必死なんです」
「えぇと、これ持久型になってるね。 これ使おっと」
「リブラやサジタリオのクリアウィールは持久になってますが、空気抵抗が非常に悪いので持久力はありませんよ? 公式のステータス表は殆どデタラメです」
「あーもー! どうしてそういう無駄な知識ばかりあるんだ、お前はっ!」
「だってコロコロホビー好きなんだもん!!」