「また!? またなのか!?」
「いやぁ、うっかり~」
「うっかり~じゃねーよ!」
「いやいや、最近仕事も再開しましていろいろ急に忙しくなることが多くてですね」
「言い訳はいらん。 本題入れ」
「あはは、失礼…って、仕事って部分には触れてくれないんですね」
「はいはい、介護職復帰おめでとう」
「軽いな~。 まぁいいや。 で、ですね」
「って、うるせーよ! さっきから!!」
「え?」
「え?じゃねーって! ミニ四駆慣らしながら日記書いてんじゃねー!」
「仕方ないじゃないですか! 今度調整しなおしてリベンジに行くんですから!」
「何の話だよ…」
「先日ふとしたことから友人と『ミニ四駆やろーぜ』ってなったので、新しくマシンを仕上げて近所のサーキット行ってきたんですけど…」
「遅かったと?」
「かっ飛びすぎてジャンプ台で大暴れしちゃいました」
「豪くーん!」
「トルネードしちゃったぜ」
「嘘つけ」
「でもホントにいくら調整してもジャンプ台が越えられなくてですね、店員さんやほかのお客さんに色々アドバイスを頂いたわけですよ!」
「それをもとにマシンを作り直してると?」
「その通り! 僕のベルクカイザーはスーパー1シャーシからスーパー2シャーシへとシャーシを変えて生まれ変わるのですよ!」
「スーパー2? そんなの出たんだ」
「ボディ側はほとんど無改造で載せ替えできました」
「で、これがそのマシンってか?」
「どうですか!? このこだわりのボディ! 名付けて『ベルクカイザーRL』! RLは『Rotes Licht』の略で『紅い光』って意味ですよ」
「ドイツ語か。 名前も拘ってんのな」
「タミヤの店員さんにも『気合入ってますねー』って言ってもらえたのですよ! ふふん♪」
「自慢げに言うことなのかはわからんが、確かに気合は感じるな」
「ポイントはノーマルのシールを切って作ったこの黄色いラインと、紅白の配色!」
「あ、このラインはノーマルシールか。 まぁ紅狐って言ったら紅白だもんな」

「あーはいはい。 で、シャーシを変えて今度の休みにもう一度走りに行くってか?」
「はい! このアドバイス通りに調整しなおした新生ベルクカイザーで次は完走目指しますよー!」
「…紅狐はこういう再燃が激しいからなぁ…。 無駄遣いすんなよ~」